対面式キッチンのカウンターは、おしゃれで使い勝手も良いので、新築でもリフォームでも作る方は多いですよね。
しかし、大まかにカウンターといってもサイズはまちまちで、いざ作るときに「一般的なカウンターはどれくらいの奥行きなのか」と迷うこともあるでしょう。
今回は、キッチンにカウンターを付けるときはどれくらいの奥行きにすれば良いのか、どのように使うのかなどをまとめてみました。
カウンターの奥行きは使用目的を明確にして作ろう!
対面式キッチンにカウンターを付ける場合、使用目的は家庭によって異なります。
「カウンターで食事を取りたい」と思う方がいらっしゃれば、「配膳をスムーズにする」という目的の方もいらっしゃるでしょう。
もしかしたら、使用目的は特に決まっていないけれど、「カウンターがあった方が便利に感じる」という方もいらっしゃるかもしれませんね。
しかし、カウンターを付けるならば、使用目的は明確にしておいた方が良いのです。
目的を決めずにカウンターを作ると、奥行きが狭い場合には使い道がなくそのまま放置されることがあり、奥行きを取りすぎるとダイニングが狭く感じてしまう可能性があります。
しっかりと使い道を決めて、カウンター自体もダイニングもスペースを無駄にすることのないようにしたいですよね。
また、カウンターの作り方としてキッチンの立ち上がりの笠木部分をそのまま広げてカウンターにする場合と、立ち上がりを境としてキッチンの反対側にカウンターを設ける場合があります。
その場合は、床からの高さもまた変わりますので、使い道によってどちらが便利かということは変わります。
それでは、様々な使い道を考慮した、奥行きのあるカウンターについてご紹介していきましょう。
キッチンのカウンターで食事を取るときの奥行きは?
まずは、カウンターで食事を取る場合を考えてみましょう。
常にカウンターで食事をするという場合には、カウンターの幅も奥行きも大きくしなければならないので、家族が3人以上の場合にはあまり現実的ではありません。
しかし、家族全員が同じ時間に揃わない朝食や、食事時間以外の軽食を取るときにだけ使いたいということならば、カウンターでの食事は片付けやすくとても便利なものです。
食事に使うカウンターならば、カウンターは立ち上がりとは別に設けることをおすすめします。
立ち上がり部分を延長したカウンターは、そのまま食器を置いておいてもキッチン側から手を伸ばして片付けることができるのでとても便利なのですが、一般的なテーブルと比べると、高い位置になります。
そのため、イスをダイニングテーブル用のイスとは別に、スツールなど高さがあるものを用意する必要があるため、家具を増やしてしまうことになります。
小さな子どもがいらっしゃる場合には、高いイスは特に不便に感じることが多いでしょう。
床から75~85cmくらいの高さにカウンターを設置してみると使いやすくなります。
一方奥行きは、軽食用のワンプレートか、朝食用の少ないお皿をメインにして考えてみます。
そうすると、大体の場合はトレーやお膳、ランチョンマットに収まるサイズだと考えますので、コップなどを置く余裕も入れて、35~40cmくらいで想定してみると良いのではないでしょうか。
子どもの学習机の代わりにキッチンカウンターを使用できる?
次に、キッチンカウンターを子どもの学習机として使う場合で考えてみましょう。
近年は、子どものお部屋に学習机を設けることは少なく、リビングで勉強をする家庭が増えています。
しかし、食事を取るダイニングテーブルで宿題をしていたら、夕食の準備などと時間が重なって不便に感じることもあるかもしれません。
その場合に、キッチンカウンターでの勉強スペースは非常に理に適っているといえるでしょう。
勉強をする場合も食事を取るときと同様の理由から、キッチンの立ち上がり以外にカウンターを設けた方が良いでしょう。
高さの問題だけではなく、キッチンからの水はねなどもガードすることができます。
奥行きは勉強の内容にもよると思いますが、最低でもノートやA4のプリントを縦に置いてもギリギリにはならないくらいが理想的です。
A4用紙の縦幅は30cmありますから、奥行きは40~45cmくらいがちょうど良いと考えます。
教科書や参考書を見ながら勉強をすることもあるでしょうが、あまりに奥行きを広げてしまうとお部屋が狭くなってしまうので、横に広げて使うなどの工夫で過ごした方が良さそうです。
ノートパソコンを置くときのカウンターの奥行きは?
ノートパソコンの利点は何といっても持ち運びできることですが、その利点ゆえにパソコンの定位置が決まっていないということもあるのではないでしょうか。
ノートパソコンのサイズであれば、キッチンカウンターで十分に対応できますよね。
しかし、キッチンカウンターでパソコンを使う場合にも、やはり立ち上がり部分以外にカウンターを設ける方が良いでしょう。
精密機器ですから、やはり水はねや油はねなどの心配がない方が安心です。
もし、立ち上がり部分をそのままカウンターとするなら、コンロとの間に造作壁を挟むと使いやすくなるでしょう。
奥行きに関してはパソコンの種類にもよりますが、ノートパソコンは大きいものでも15インチ程度のものを使っている方が特に多いと考えます。
その場合、奥行きは26cmくらいなので、液晶部分が傾く範囲やキーボードを打つための余裕を持って40~45cmくらいのカウンターが程良いサイズだと考えます。
しかし、液晶が見やすい17インチ以上の大きさのパソコンを使っている方もいらっしゃるかと思いますので、自宅のパソコンのサイズをしっかりと測ってからプラス10~15cm程度の余裕を入れると使いやすくなるでしょう。
反対に、現在モバイル用など小さめのノートパソコンを使用している方は、カウンターを少し大きめに設定した方が確実です。
自宅で使う場合には、今後大きなサイズに買い替える可能性もありますから、カウンターも大きめにしておいた方が安心ですね。
キッチンカウンターならでは!家電置き場や飾り棚としても
ここまでは、キッチンカウンターを何らかの作業をする場所として考えてきました。
しかし、カウンターはキッチンとの間にあるので、キッチンでもダイニングでも使う小さな家電を置く場所としても最適なのです。
また、飾り棚としておしゃれに使うという方もいらっしゃるかもしれません。
そのような使い道の場合には、立ち上がり部分の延長をそのままカウンターにした方が使いやすいでしょう。
作業をしないのであればイスを置く必要がないので、キッチンから一体型のカウンターの方がお部屋がスッキリとして見えることになります。
また、電化製品とはいってもパソコンのような精密機器とは違いキッチン用の家電ですから、プラグさえ水に濡れないように気を付ければ一体型のカウンターでも問題ないでしょう。
奥行きに関しては、上に置くもののサイズを見て考えましょう。
コーヒーメーカーや電気ポット、加湿器などを置く場合なら、奥行きは40cm前後あった方が余裕があって良いですね。
ただし、電化製品はメーカーによって大分サイズに差があるため、測った方が安心です。
あくまでも飾り棚として観葉植物や小さなオブジェを飾る程度なら、30~35cmほどあれば十分でしょう。
変形するカウンターでもっと使いやすく!
キッチンカウンターは、一般的な形としてはキッチンや造作壁にしっかりと固定されているものがほとんどです。
しかし、ダイニングテーブルを別に用意することでお部屋を狭くしてしまったり、横長のカウンター型では家族そろってテーブルを囲めないことから、変形するカウンターを採用する方も多いです。
元々カウンターのサイズをオーダーする予定ならば、固定観念を捨てて、使いやすいカウンターを設置したほうが良いのかもしれません。
変形的なカウンターで多く採用されているのが、横長のテーブルを同じ長さで二脚用意する形です。
会社などで使われる会議用の長い机を想像すると、分かりやすいかもしれませんね。
普段は、キッチンとダイニングの間の壁に二脚並べてピタリと寄せてカウンターとして使用し、家族が揃う食事時には、二脚のテーブルを向かい合わせに付けて大きなダイニングテーブルとします。
一脚の奥行きを40cmほどとっておけば、ダイニングテーブルの形にしたときには80cmになりますので家族で食事をするにも狭いと感じることはないでしょう。
臨機応変に使えるとても便利な形だと考えます。
ただし、動かすことを想定している以上は、観葉植物や家電などの置き場所として兼用することができません。
また、毎日動かすことをストレスに感じてしまう可能性もありますので、自分に合っているスタイルかどうかを確認する必要がありますね。
カウンターを使って便利で使いやすいダイニングを
キッチンカウンターは、なんとなく付けると邪魔になってしまうこともありますが、使い道をしっかり考えることで、非常に使い勝手の良いものとなります。
一般的なテーブルとは違い、食事や仕事、飾り棚など様々なケースに対応できるのは嬉しいですよね。
自宅での過ごし方を考えるときに、ダイニングテーブルや応接セットではできないことをカウンターに託してみてはいかがでしょうか。