近年は洋風の住宅が増えていますが、「和の雰囲気を感じたい!」と考えて、和風モダンの住宅を選ぶ方もたくさんいらっしゃいます。
中でも和を感じる玄関は佇まいが穏やかで美しいことから、リノベーションされる方もいらっしゃいます。
しかし、リフォームやリノベーションは時間もお金も掛かってしまうので、気軽に行えるものではありませんよね。
そこで今回は、玄関で和を感じることができるインテリア雑貨についてご紹介します。
和インテリア作りには色や素材も考えてみよう
和インテリアを考える時には、まず色や素材選びから考えてみましょう。
元々の形が和風の玄関と比べると、洋風の玄関を和の雰囲気に変えるためには、置きたい雑貨の色や素材が重要になります。
和を感じられる色はたくさんありますが、全体的に色調は抑えた方が和の印象が強く出ると考えられます。
例えば、ショッキングピンクではなく「珊瑚色」であったり、ビビットなイエローではなく「芥子色」といったように、和の伝統色に合わせて色を考えると良いですね。
色の合わせ方が難しい場合には、茶色や緑のようなアースカラーや、白木のようなナチュラルカラーを選ぶと失敗が少なく和の雰囲気を出すことが可能になります。
また、和の空間を作るには素材も大きなポイントとなります。
木目のしっかりと出た木や竹素材、漆や和紙などを使うと、しっとりと落ち着いた印象を与えることができます。
玄関ならば、土間の素材がタイルではなく石などになると、和の要素を感じることができますよね。
生地の中では、手ぬぐいやちりめんなどが挙げられます。
もちろん、こうした色や素材を必ず使わなくてはいけないということではありません。
しかし、全体のイメージを考えた時に色や素材から選ぶことで、比較的容易に調和が取りやすくなるでしょう。
玄関を和の空間に変えるには植物の選び方も大切
玄関のインテリアを考える時に、「植物を置いてみよう」と思う方も多いのではないでしょうか?
植物にはリラックス効果もありますし、おしゃれなイメージも強いものだといえるでしょう。
とはいえ一般的な観葉植物は、どちらかといえば洋風のイメージが強いため、玄関に飾って和の雰囲気を感じることが難しくなります。
植物そのもので和の雰囲気を出すのであれば、盆栽や苔玉がおすすめです。
苔玉は人気が高まっていることもあり、以前よりも様々な形のものが販売されています。
シューズボックスが腰くらいの高さであれば、その上に敷きものを敷いて盆栽や苔玉を飾り、他にはあえて何も置かないことですっきりとした印象を与えます。
季節の花を飾りたい時には、花瓶よりも壺や陶器の鉢を選ぶことで和の印象を生むことができます。
また、シューズボックスが天井まである場合には、玄関に籐の花台などを置いて飾ると良いでしょう。
玄関にある程度の広さがある場合には、床に直接壺を置くのも存在感があって素敵なものです。
その中には梅や桜など季節に合った枝ものを無造作に生ければ、大胆でありながら邪魔にもならない、素敵なインテリアとなります。
玄関のどこにでも使えるウォールステッカー
玄関を和の印象に変えたい場合、壁紙やシューズボックスを和風のものに変えることができれば、簡単にイメージチェンジが可能です。
しかし、壁紙を張り替えるのもシューズボックスを新しいものに替えるのも、工事費などを考えると中々決断するのは難しいこともあります。
そのような時には、ウォールステッカーを使って玄関を和インテリアの雰囲気にガラリと変えてみましょう。
ウォールステッカーには、和柄のものも多くあります。
シューズボックスには木目調のものが合わせやすいのですが、少し華やかに、竹や蓮など植物をあしらったステッカーを貼ってみるのもおすすめです。
また、壁の高い位置に貼るのであれば、「桃の花と鶯」のように実際に高い場所を感じさせるような臨場感のあるものが良いでしょう。
シューズボックスの上の壁を使用するなら、スペースも小さいので、もう少し思い切った柄でも良いかもしれません。
植物や生き物のように自然のものではなく、色とりどりの花火や、だるま、ひょうたんなど縁起の良さそうな柄を選んで、置物の代わりにしても可愛らしいですね。
少し静かな印象にしたいという場合には、水墨画調に墨色一色で描かれた絵画のようなステッカーもおすすめです。
玄関に置きたい和のインテリア雑貨!衝立を置いてみよう
ここでは、玄関に置きたいおすすめのインテリア雑貨をご紹介します。
昔ながらの和の玄関には、衝立が置かれていることが多くありました。
衝立の目的としては廊下の奥の目隠しとしてですが、調度品という扱いもあります。
廊下やホールが広い玄関でしたら、真ん中に大きめの衝立を置いてみてはいかがでしょうか?
例えば、厚い一枚板の衝立は、インテリアに重厚感を与えてくれます。
木製や籐の格子状ならば、隙間があることから、涼し気な印象を与えてくれることでしょう。
少し華やかな印象にしたい場合には、染めや柄の入った布が嵌め込まれた衝立を選ぶのも良いでしょう。
「衝立を置くと玄関で邪魔になる」と感じる場合には、2連か3連の折りたたみ式のパーテーションを選ぶと良いかもしれません。
普段は衝立として出しておいて、荷物などを持っている時にはスッと一部を折りたたんで通ることができます。
完全な和のイメージではなく和風モダンにしたい場合には、木製のパーテーションに麻の布を張っているものもおすすめです。
麻の色次第で、玄関を明るくしたりシックにしたり、様々な楽しみ方ができます。
衝立を置くスペースはどうしても取れないという場合には、玄関の上がり框にのれんをかけてみるのも素敵です。
布ののれんだけではなく、木製の球のれんなどはどこか懐かしく、通る時にかすかな音がするのも風情があって良いものです。
玄関に置くだけでOK!和のインテリア小物
玄関を和の空間にするためには、和のインテリア小物を飾るのも有効です。
ここでは、おすすめの和風インテリア小物をご紹介しましょう。
●縁起物の置物
七福神や招き猫、十二支にフクロウやカエルなど、飾ることで良い意味を持つ置物は日本にはたくさんありますよね。
その年の干支だけを毎年飾るという場合もあるでしょう。
●ちりめん細工
ちりめんを使った細工物は、明るい色味とやわらかく温かみのある触り心地が嬉しい、和小物の定番です。
花や金魚、毬やお手玉など、可愛らしい細工物をシューズボックスの上に飾ってみると、思わず手に取りたくなるのではないでしょうか。
●タペストリー
麻や風呂敷でできた和柄のタペストリーを玄関の壁に飾ってみましょう。
土間の横の壁でも上がり框の横でも、場所を取らないタペストリーはどこにでも飾れて簡単に付け替えることができるので、季節ごとに新しいものへ変えてみるのもおすすめです。
●焼きもの
例えば和風の絵皿を皿立てを使用して飾ってみたり、花器としての用途ではなく壺を飾るのも良いですね。
九谷焼や伊万里焼の香炉なども鮮やかな色味のものが多く、目を楽しませてくれます。
和の空間をやさしく彩る明かりを
最後に、和の玄関をやさしく照らしてくれる玄関照明をご紹介しましょう。
近年の玄関はダウンライトを採用する方や一般的なシーリングライトを使用する方が多く、照明自体があまり主張していることがありません。
しかし、照明もインテリアのひとつとして考えれば、楽しみ方が広がります。
まずおすすめしたいのは、和紙のペンダントライトです。
セードが和紙でできている提灯や行灯のような雰囲気の照明は、存在感がありながらもやわらかい明かりが特徴的です。
形は円形のものや楕円形、ミニサイズの障子を貼り合わせたような形のものもあります。
玄関に少し余裕がある場合には、和風のスタンドライトを選ぶのも良いでしょう。
和紙を使ったスタンドライトは数多くあり、円柱で玄関でも邪魔にならない細身のサイズのものや、木と和紙で行灯のような形を作っているものなどがあります。
上から照らす明かりと床から照らされる明かりは、趣きが異なるので両方設置しても良いですね。
ただし、スタンドライトはあまり小さなものですと玄関全てを照らすには少々心許ないので、高さのあるものを選んだ方が良いでしょう。
温泉旅館のような雰囲気のある素敵な玄関になりそうですね。
和の玄関で家族を温かく迎えよう
シンプルで使い勝手の良い玄関も素敵なのですが、あえて和の置物やライトを増やして和インテリアをつくりますと、玄関に温かみが出ます。
仕事から帰った時、遊びから帰った時、玄関をあけて「我が家だなぁ」とほっこりすることができる玄関を作れたら素敵ですよね。
新しいのにどこか懐かしい、和の空間を味わえる玄関を作ってみてはいかがでしょうか?