無垢材の床は、あたたかみがあり味わい深いので、きちんとお手入れしていれば快適に過ごすことができます。
ただし、ささくれがあると怪我をするおそれがありますので、できるだけ早めに対処してください。
また、賃貸の場合には、管理会社や大家さんに相談して、対応をしてください。
今回は、マイホームをお持ちの方に向けてささくれ修理方法の他に、無垢の床ならではの特徴やお手入れ方法などをご紹介します。
この機会にあらためて、無垢材の床のメンテナンスをしてみましょう。
無垢材の床にキズが!ささくれ修理方法
床のささくれを放置しておくと、踏んで怪我をしたり、靴下や衣類が引っかかって破れたりする可能性があります。
その上にテープなどを貼っておくこともできますが、見た目が悪く、せっかくの無垢の高級感が台無しになってしまいます。
小さなささくれなら、簡単に修理できる方法がありますのでご紹介します。
<無垢材のささくれ修理方法(自然塗装の床材修理)>
●必要なもの
・サンドペーパー
・マスキングテープ
・液状の瞬間接着剤(ゼリー状は不可)
・塗料(ワックスでもOK)
※この方法は、化学塗装(ウレタン塗装など)がされた床には使えません。
●手順
1.ささくれがある箇所を大きく囲むように余裕をもって、マスキングテープを貼っていきましょう。
2.ささくれがある場所は避けて、サンドペーパーでマスキングテープを貼った内側の床部分を削っていきます。
3.削ると出てくる粉を、ささくれを埋めるように詰めていき、接着剤を垂らして固めてください。
4.接着剤がしっかりと固まるまで待ち、上から軽くサンドペーパーで削って床をならすようにします。
このときは、ささくれがあった部分もかけて大丈夫です。
5.余分な粉を掃除機で吸い取ります。
6.塗料かワックスをマスキングテープを貼った内側の床部分に塗り、マスキングテープをはがします。
その他のささくれ修理方法
床のささくれ修理方法は、上記の他にもパテを使って埋める方法や、ささくれを削り取ってからその周辺にサンドペーパーをかけ、ならす方法などがあります。
その中でも比較的簡単なささくれ修理方法をご紹介しましたが、見てもわからない程度の小さなささくれであれば、単純にサンドペーパーでこするだけでも気にならなくなるでしょう。
一方、ひどいささくれの場合は、上記の方法では解決しないことがあります。
削ってから、埋め木しなければいけない大きさのささくれもあるでしょう。
埋め木とは名前の通り、削ったところに木片をはめていく作業です。
ただでさえ変形しやすい無垢材ですから、なかなかピッタリに埋めるのは難しいので、プロにお願いしたほうがいいでしょう。
工務店などに相談し、ささくれ修理を依頼してください。
ささくれ修理ができない場合の応急処置
ささくれ修理というわけではありませんが、ささくれによって怪我をするのを避けるためにできる方法としては、その上にラグやカーペット、フローリングマットを敷くことが挙げられます。
忙しくてDIYできない場合は、インテリア上違和感がなければ、小さなラグをささくれのある床の上に敷くことで対応できるでしょう。
また、部屋の隅など目立たない場所であれば、シール感覚で貼れるフローリングシートをカットして、部分的にカバーすることもできます。
無垢調のフローリングシートも売っていますので、床と似た色味であれば目立たないでしょう。
ただし、部屋の端のほうに貼るのであれば大丈夫ですが、シートを一部分だけに貼ると少しだけ段差ができてしまい、見た目の違和感も強くなります。
また、せっかくの無垢材の床を覆いつくしてしまうのも、もったいないですよね。
この方法は、あくまでも修理ができないときの応急処置として覚えておかれるといいかもしれません。
無垢材の床の魅力!木材それぞれの特徴
ささくれ修理や、目立たないようにする方法をお伝えしましたが、ここで無垢材の魅力を再び確認するために、ちょっとした豆知識をお伝えします。
無垢材の床は、天然の木をほぼ加工せずに使われているため、肌触りが良く、調湿・断熱性に優れています。
少しキズがついたり凹んだりしても、合板のように内部の層が見えてしまわないため、それほどみすぼらしくは見えません。
色合いや風合いは、人工的な味気無さとは無縁の味わい深い雰囲気で、木材の種類によって印象がそれぞれ異なるのも特徴であり、どの無垢もぬくもりを感じさせてくれます。
例えば、ナラ(オーク)材は硬くて丈夫で、爽やかな雰囲気になるので人気が高い無垢材です。
明るいベージュ系の床になり、木目が強調されるため、北欧系のインテリアともよく合います。
また、パイン材は白みがかった色合いですが、オイルのカラーリングによって渋いテイストにも変わります。
月日が経つごとに色味が濃くなるのも特徴の1つです。
比較的リーズナブルな木材として人気があります。
ウォールナット(クルミ)はこげ茶色の落ち着いた雰囲気で、硬くてどっしりとした性質を持っています。
深みがあり、モダンな高級感を感じさせ、衝撃に強く弾力性もある優れた木材なのです。
他にも、タモ材や杉、ヒノキ、山桜などがあります。
こうした無垢材の床ですが、時間がたつと隙間ができたり反ってきてしまったりすることがあります。
「水分が付着したらすぐに拭く」などのお手入れを怠ると劣化しやすくなりますので注意が必要です。
無垢材の床の掃除に水分はダメ!汚れの落とし方
無垢材の床は、水分や油分をこぼしたら、すぐ拭くことが大切です。
そのまま放置すると頑固なシミができる可能性が高くなってしまいます。
水拭きする際も、水分が残らないように硬くしぼった雑巾で行い、その後に乾拭きすることをおすすめします。
汚れがひどい場合は、雑巾に中性洗剤を少し溶かしたぬるま湯を含ませてから硬く絞り、それを使って拭くことができます。
それでも落ちない汚れは、消しゴムでこすってみるか、ささくれ修理の時と同様にサンドペーパーを使います。
まずは粗目のサンドペーパーでこすり、その後、目の細かいサンドペーパーでなめらかに仕上げます。
そして、オイルやワックスでコーティングし仕上げていきます。
はじめに行ったオイル塗装と同じものを使いましょう。
ワックスも同じで、周囲から浮かないように注意したいものです。
オイルで仕上げる場合は、削った部分に薄く塗った後に1時間~2時間放置して、浮き出してきたオイルを乾いた布で拭き取ります。
こまめな掃除で無垢材を美しく!定期的にコーティング
無垢材の床の美しさを台無しにしないためには、ささくれ修理はもちろんのこと、定期的な掃除を忘れないようにしたいものです。
こまめに行う掃除は、掃除機をかけたり、雑巾やモップでの乾拭きなどで十分です。
板と板の間に隙間があると、ホコリが溜まりやすくなりますが、丁寧に掃除機を使えば除去できることが多いでしょう。
もし、吸い取り切れないゴミがある場合は、楊枝などでかき出すことができます。
こうしたお手入れを日々行っていれば、無垢材ならではの木目の美しさを長期間楽しむことができます。
オイルやワックス塗装は一年に一度は塗り直し、汚れやキズを防止し、撥水性を保てるようにしましょう。
床すべてを塗り直すのではなく、よく使う場所、見える場所だけでも大丈夫です。
塗装の塗り直しを行ったら、べたべたしなくなるまで、きちんと乾拭きを行うことを心がけてください。
安全で美しい無垢材の床はお手入れが肝心
無垢材の床のささくれ修理には、サンドペーパーと瞬間接着剤が役に立ちます。
ささくれを下に押し付けて接着剤でとめる方法だと、一時的にくっついたとしても、ささくれ部分が反ってしまい、すぐに接着剤がとれてしまうことが多いでしょう。
サンドペーパーで削った粉を、隙間を埋めるために使う方法をおすすめします。
大きなささくれ修理は、埋め木などが必要になる場合もありますので、専門業者に依頼してください。
また、無垢材の床をきれいに保つためにも、汚れは見逃さず、こまめに掃除をするようにしましょう。