近年は洋風の住宅が増え、昔ながらの和風住宅がだんだんと少なくなってきました。
しかし、その一方で昭和レトロの雰囲気を愛する若い世代の方も増えていて、古民家のように味のあるお部屋やポップでかわいいお部屋作りをしたいと考える方も多くなっています。
ここでは、昭和レトロのかわいいお部屋作りについてご紹介しましょう。
昭和レトロのかわいいお部屋作りはまずイメージを作ることから
昭和レトロや古民家風のお部屋といえば、囲炉裏があったり縁側があったりとお部屋の作り自体が和風のイメージを持つ方もいらっしゃるでしょう。
しかし、そうしたお部屋は賃貸住宅で望むことが難しいものですし、持ち家でも大規模なリノベーションをしない限りは中々叶えることができないものです。
冒頭でも述べた通り、近年は和室もない洋風の住宅が多くなっているので、昭和レトロのお部屋を作るには家具や雑貨の選び方で工夫をする必要があります。
昭和レトロのお部屋を作る前に大切なことは、まずお部屋をどのような方向性にしたいのか明確なイメージを持つことです。
一言で昭和レトロといっても、モダンな雰囲気を融合させたシックなお部屋作りなのか、レトロポップといわれる鮮やかな色彩が多いお部屋作りなのかで全く変わってきます。
この二つは色味としては相反するものなので、ただレトロな家具や雑貨を集めただけではごちゃごちゃした印象のお部屋になってしまうことも考えられます。
それぞれのテイストの家具や雑貨を集めても、お互いに引き立てることができるような組み合わせを考えるようにしましょう。
お部屋の雰囲気を大きく変えるのは、タンスやじゅうたんなど大きめの家具です。
そのため、大きな家具を落ち着いた色味にすれば全体的に落ち着いた雰囲気に、ポップで鮮やかな色味にすれば明るくかわいい印象のお部屋にしやすいです。
まずはお部屋の全体像を決めて、簡単な図面を作ってから取り掛かると、より良いお部屋作りができるでしょう。
シェードがかわいい照明で昭和レトロ感をアップ!
お部屋で必ず必要なものの中に、照明があります。
近年の照明は、ダウンライトやシンプルなLEDのシーリングライトなど、できる限り目立たずに天井にピタリと付けるタイプのものが多く、照明自体の存在感はあまり感じることがありません。
しかし、昭和の照明器具は蛍光灯に半円のかわいいシェードが掛かった、中心部分に紐が付いているタイプが圧倒的に多いものでした。
そのようなかわいい照明器具を見つけたいところですが、これから購入するにあたって蛍光灯の照明というのはあまり現実的ではありませんし、照明器具の販売も現在はほとんど行われていません。
そこで、LEDライトを使用しているもので、昭和レトロの雰囲気を味わえるシェードの掛かったかわいい照明を探してみましょう。
蛍光灯の照明器具でLEDライトがそのまま使える器具も存在はしますが、元々照明器具の耐用年数は10年前後となっているので、古い器具を使用すると器具自体や安定器の劣化から発熱や火災の可能性が考えられます。
古いものを使いたい時は、シェードだけを使用して器具自体は新しいものへ変えた方が安全で安心です。
モダンなお部屋にしたい時には、竹編み細工のシェードがシックな雰囲気でおすすめできます。
ほかにも、すり鉢をひっくり返したような形のシェードで、真ん中に電球が入ったシンプルな形の照明もどんなお部屋にも合わせやすいものです。
もっとかわいらしくしたい時には、鮮やかなオレンジ色や黄色の明るいシェードや花柄のシェードを選んでみると良いでしょう。
昭和レトロといえばちゃぶ台?テーブルは相性が悪い?
昭和レトロの家具といえば、ちゃぶ台を想像する方も多いのではないでしょうか。
丸いちゃぶ台にお茶のセットと電気ポットという組み合わせは、暖かい昭和の雰囲気を作り出す効果的なアイテムといえます。
ちゃぶ台は和室とも洋室とも合わせられるものですし、食事やくつろぎの場など全てを同じ場所でできるので、お部屋を広く使うことができるのも良いですね。
しかし、食事はちゃぶ台ではなくテーブルで摂りたいと考える方もいらっしゃることでしょう。
昭和レトロの雰囲気とテーブルは一見相性が悪いように感じますが、テーブルの選び方や使い方次第では非常に相性の良いものと変えることができます。
例えば、モダンなイメージを出したいのであれば、使いこんだ色味の木製のテーブルを選ぶと良いでしょう。
形は四角形に真っ直ぐ伸びた脚というシンプルなものが、どんなお部屋にも合わせやすいと考えます。
少しポップなイメージを出したいのであれば、定食屋さんや昔ながらの食堂で使われているような鉄脚に白い天板のテーブルがおすすめです。
白い天板はお部屋が明るく見えますし、色彩の鮮やかな雑貨とも相性が良いでしょう。
今持っているテーブルを使いたいということであれば、テーブルクロスでアレンジしてみてはいかがでしょうか。
昭和レトロの雰囲気が満載のビニールテーブルクロスで、色や柄を明るくかわいいものにして簡単に模様替えをしてみましょう。
他にも昭和レトロのお部屋におすすめの家具はたくさん!
昭和レトロのお部屋にちゃぶ台やテーブルを置いたら、次はタンスやチェストなどその他の家具について考えましょう。
昭和の頃には壁面いっぱいの大型収納というものはほとんどなく、全体的に背の低い家具が多いので圧迫感はそこまでありません。
そのため、ちゃぶ台でもテーブルでも合わせやすい高さの家具が多くありました。
ここで、いくつかおすすめの家具をご紹介します。
●階段型の桐タンス
3段2段1段と階段のようになっている桐タンスは、引き出しが多いので貴重品や印鑑、薬箱などたくさんのものが入ります。
木目のくっきりとした落ち着いた色味は、和モダンのお部屋にしたい方に特におすすめです。
●鮮やかな色彩のチェスト
昭和レトロの色彩といえばオレンジや黄緑、黄色に朱色などの明るい色味を思い浮かべる方も多いでしょう。
チェストの取っ手は丸いもの、穴を開けた引手タイプのものが多かったものです。
シンプルなのにかわいいチェストは、レトロポップのお部屋にピッタリです。
●モールガラスの収納棚
モールガラスは透明で縦にストライプの模様が入ったインテリアガラスであり、昔も今も変わらぬ人気を誇っています。
中が完全に透けて見えない感じが、控えめで昭和のイメージとピッタリです。
お部屋の雰囲気は壁紙で簡単に変えることができる!
お部屋の方向性を決めて照明や家具などを昭和レトロで揃えたのに「何かしっくりこない」と感じた時には、お部屋の壁紙を変えてみてはいかがでしょうか。
近年の基本的な壁紙は白が多いので、どんなお部屋にも合わせやすいような気がしますが、昔の住宅と比べて柱が少なく天井の色も白いことから全体的に明るすぎて、昭和レトロの家具が合わないという場合があるかもしれません。
昭和のお部屋は壁が塗り壁や砂壁などのベージュや黄緑の土壁であることが多く、白い壁だとしても幅木は白ではなく焦げ茶など濃い色味が使われることが多くあります。
そのために、少しくすんだ印象の落ち着いたお部屋に見えたとも考えられます。
壁紙の色や柄を変えて、お部屋全体の雰囲気を変えてみましょう。
ここで述べたことを踏まえると、昭和レトロのお部屋の壁紙は真っ白よりもアイボリーやベージュ系の色が合わせやすいと考えられます。
また、真っ白の壁でも幅木の色や柱の色を焦げ茶にするなどのアクセントカラーがあれば、和モダンの雰囲気を作りやすくなります。
さらに、昭和レトロの壁紙といえば、かわいい花柄もあります。
近年の花柄の壁紙はパステルカラーに小花模様など柄の目立たないことが多いものですが、昭和の壁紙は柄が大きく主張するはっきりとした色彩のものがたくさんありました。
リビングやダイニングでは少し明るすぎると感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、キッチンや女性のお部屋、子供部屋ならば花柄の壁紙も非常におすすめです。
お部屋に昭和レトロのかわいい雑貨を飾ってみよう
照明、家具、壁紙を揃えて全体的な雰囲気が整ったら、最後にかわいい雑貨を揃えていきましょう。
昭和レトロの雑貨には、前述した通り鮮やかな色彩を使ったものに花柄やドット柄など、かわいい柄物がたくさんあります。
●キャラクターや動物をモチーフにした食器
キャラクターや動物などのモチーフは今でこそ子供向けのものが多いものですが、昭和の頃には大人が使用する食器やグラスなどでもよく使われていました。
また、パンダブームによりパンダをモチーフにした食器も数多く、とてもかわいいものが多くあります。
●珠のれん
キッチンとダイニングの間や玄関との間に珠のれんがあったという方も多いのではないでしょうか。
木製の珠のれんならばモダンなお部屋でも合わせやすいものですし、ポップでかわいい色味ならばお部屋を明るくすることができます。
●ゴミ箱
ゴミ箱はどんなお部屋にも必ずあるアイテムです。
モダンなお部屋には籐で編まれたカゴ状のゴミ箱を、ポップなお部屋には花柄のプラスチックのゴミ箱などがおすすめです。
●人形やぬいぐるみなど
棚の上に愛らしいパンダのぬいぐるみが置いてあったり、ケースに入ったままのキャラクター人形が飾られていたりと、所狭しと人形やぬいぐるみが飾られるのも昭和ならではでしょう。
手作りの粘土人形に色を塗って、壁に飾るのもおすすめです。
昭和レトロのお部屋に決まりはない!楽しみながらお部屋作りを
昭和レトロのお部屋は、こうしなければいけないという決まりはありません。
しかし、お部屋の一部だけに昭和レトロのものを置いてしまうと、どうしてもそこだけが浮いてしまっておしゃれに見せるのが難しいと感じる方もいらっしゃるでしょう。
昭和レトロのお部屋は、人に見せるよりもまず自分が楽しむものだと考えます。
あまり考え込まずに、自分が思いきり楽しめるようなお部屋作りを始めてみましょう。