賃貸アパートは退去をする時には、原状回復が原則です。
そのため、何かと制限されて思うようなインテリアにできないと思う方も多いかもしれません。
しかし、賃貸アパートでもおしゃれで快適な空間を作ることは可能です。
この記事は、賃貸アパートにおける、インテリアのポイントやオススメアレンジをまとめました。
古い・狭いなどたくさん問題がある家でも、様々な工夫とセンスで乗り越えていきましょう。
賃貸における原状回復についてちゃんと知っておこう
原状回復とは、賃貸アパートなどを退去する際に、入居時のきれいな状態の部屋にして返すことです。
この先面倒なことにならないように、「どれほどの状態まで戻す必要があるのか」「費用は払うのか」をきちんと把握しておきましょう。
今後のインテリア作りに役立ちますし、退去の時のトラブルを未然に防ぐこともできます。
まず、国土交通省から出されている原状回復のガイドラインを見てみると、通常の住み方で生じた汚れや傷み、年数経過のための劣化は貸主の負担とされています。
例えば、日照による畳や壁などの変色や、家具設置による床のへこみや設置跡、下地ボードの張替えが必要のない程度の画びょうの穴などが該当します。
反対に、下地ボードの張替えが必要なくらい深い釘穴、掃除を怠ったために生じた換気扇の油汚れやすす、お風呂場など水回りのカビなどは借主の負担になるケースが多いです。
大きな傷を付けないように、普通に生活のなかで掃除をきちんとしていたのならば、借主側の負担は少なくなるということです。
また、トラブルのもとになりやすい壁紙ですが、こちらも経年劣化であれば費用負担の必要はないこともあります。
しかし、無断で壁紙を張り替えたり、入居者の過失で傷を付けた時は、費用を負担せざるを得ないでしょう。
もし、お部屋のDIYを考えているのであれば、事前に大家さんに確認しておいた方が無難ですね。
「狭い賃貸アパート」を広く見せるインテリアのコツ
賃貸アパートが狭いという時には、限られた空間を有効活用したインテリアをしましょう。
そして、狭い空間だからからこそ、選び方やレイアウトが重要となってきます。
部屋を広く見せるには、「視線の抜け」を作ることが大事と言われています。
例えば、部屋に入った時やソファや椅子で寛ぐ場所など、それぞれの場所から窓に向かって、視線を遮るようなものを置かないというのが大事です。
そのためには、家具は圧迫感を与えない背の低いロータイプのものを選びましょう。
部屋全体を見回した時に、デコボコしないように、同じくらいの高さの家具で統一すると、奥行きが出てすっきりとします。
また、スペースが余ったからといって、ぎゅうぎゅうに家具を置くと部屋が狭く見えてしまうので、余裕を持って家具をレイアウトしましょう。
余分な家具がないということは、その分整理整頓の手間が省けて、家事も楽になるというメリットがあります。
「あまり必要ないかな」と思うような家具は、捨ててしまうという決断も必要かもしれません。
狭くても諦めない!賃貸アパートのキッチンの収納ポイント
賃貸アパートのキッチンは狭いことも多く、収納スペースの確保が難しいケースもあります。
キッチンは生活感が出やすい場所でもあるので、上手くカバーしつつ、使い心地のよい空間を作りましょう。
そのなかでもシンク下の収納スペースは、比較的広いので収納スペースとして重要ポイントとなってきます。
シンク下に置ける収納ラックはとても便利ですので、インテリアショップでシンク下の広さに合わせて選んでみてください。
しまうもののサイズに応じて棚の高さを調節できたり、排水管の位置によって、棚板の調整ができるタイプが使い勝手がいいです。
スペースには限りがあるので、収納するアイテムも折りたたむことができるシリコン製のボウルや、重ねて収納できるティファールのフライパンといったようなものを選ぶのもいいでしょう。
また、フライ返しなどのキッチンスツールは使用頻度が高いので、すぐ使えるように吊り下げて収納する方法もあります。
しかし、賃貸のため、穴を開けてレールの取り付けをすることはできません。
突っ張り棒やパーテーションにフックを付けて、そこにキッチンスツールを吊り下げると、壁を傷付けることもなく安心です。
キッチンスツールも同じ素材のもので統一すると、ごちゃごちゃせず、すっきりとした印象になりますよ。
賃貸アパートでも大丈夫!壁を傷付けずに時計を掛ける方法
賃貸アパートでも、釘で大きな穴を開けずに壁に時計を掛ける方法はあるのでしょうか。
画びょうで開いた大きさの穴ならば、通常使用と見なされ、修復費用を請求されることが基本的にはありません。
しかし、時計など重量のあるものを掛けた場合、長期間の使用で穴が広がってしまうという可能性もあり、原状回復義務が発生するので要注意です。
それでは、壁へのダメージが少ない方法をご紹介していきます。
●特殊加工されたピンを使う
一般的な画びょうに比べると、耐荷重が大きく、挿し跡が小さく目立たないピンがあります。
例えば「マジカルピンフック」や「ハイパーフックかけまくり」です。
ピンの針が壁の中でしっかりと固定されるので、時計の重量にも十分耐えられます。
しかし、使用する壁は石膏ボードに限られているので、コンクリート壁や木製壁に使用することはできません。
なお、賃貸契約書に画鋲の可否が記載していますので、ご確認ください。
不可である場合はこの方法も控えた方がいいでしょう。
●ディアウォールを使う
ディアウォールとは、天井と床を繋ぐ木製の突っ張り棒のような柱です。
壁の高さに合わせた2×4サイズの木材の上部と下部に、ディアウォールをはめ込んで使います。
部屋を全く傷付けることもありませんし、簡単に取り外し可能です。
太い釘を挿して時計を掛けるのはもちろん、ディスプレイ棚を作ったりすることもできるので、使い方次第でインテリアの雰囲気をガラッと変えることができます。
暗くて狭い玄関でもインテリアを楽しもう
お家の顔とも言われる玄関は、お客様の目に付きやすいところでもあるので、インテリアもこだわりたいものです。
しかし、賃貸アパートの玄関にありがちな、「暗い」「狭い」というところが問題点になってきます。
ちょっとした工夫を加えて、理想の玄関に近付けるようにしましょう。
●玄関の土間のイメージチェンジ
玄関のメインの土間部分は、玄関のイメージを左右する重要ポイントです。
この部分の色や素材感によって、玄関が暗い印象になってしまいます。
そこで、クッションフロアシートの出番です。
剥がせる粘着テープを使って貼れば、原状回復も簡単です。
しかし、長い間そのままですとテープが癒着してしまう可能性もあるので、定期的なスパンで貼り替えをして、様々な雰囲気の玄関を楽しみましょう。
シンプルモダンにしたり、カフェ風にしたり、自分のお気に入りを探してみてください。
●狭い玄関は玄関ドアを活用する
玄関には傘、靴べら、靴磨き、鍵など収納したいものが案外たくさんあります。
狭い玄関には、ドアに張り付けて使う、マグネット収納がオススメです。
マグネット式の傘立てなど市販品もたくさんありますが、自分のお気に入りの雑貨に磁石を付けて鍵入れにしたり、オリジナルアイテムを作ることもできますよ。
もちろん取り外し可能なので、賃貸アパートにもぴったりです。
インテリアの雰囲気を変えたい!原状回復可能な壁紙のプチリフォーム
築年数が古い賃貸アパートですと、お部屋の古びた雰囲気が気になってしまうこともあります。
お部屋の壁紙を変えると、インテリアの雰囲気が一変し、古びた印象も和らぐのですが、退去の時に元に戻せるか心配になります。
それでも、「おしゃれな部屋に変身させたい」という思いから、原状回復ができるプチリフォームを楽しんでいる方も多いようです。
まずチェックしたいのが、貼りたい場所の壁紙の種類です。
一般的に壁紙は、ビニールクロスと紙クロスがありますが、原状回復できるのはビニールクロスです。
もし、紙クロスであった場合は、残念ですが諦めましょう。
また、選ぶ壁紙は「のりなしタイプ」にします。
そして、「マスキングテープ+両面テープ」を使って下準備をします。
手順としては、壁にマスキングテープを貼り、その上に壁紙専用の両面テープを付けます。
それから、シワにならないよう注意しながら壁紙を貼っていきましょう。
マスキングテープは日光などの熱や経年劣化によって、粘着部分がベタベタしてきてきれいにはがれなくなってしまう可能性があります。
そのため、日当たりがよく、直射日光が当たるような部屋には貼らない方がよいでしょう。
マスキングテープが劣化する前に壁紙を変えてみたり、ゆっくり慎重に剥がすのがポイントです。
心配な方は小さいスペースで試してみるのがオススメです。
原状回復が必要な賃貸アパートでもアイデア次第でインテリアは楽しめる!
狭い空間は、「視線の抜け」を意識した家具のレイアウトを心がけましょう。
キッチンは省スペースのアイテムを選んだり、吊り下げ収納が便利です。
また、原状回復可能なインテリアアレンジもたくさんあります。
玄関の土間にクッションフロアシートを貼ったり、古びたお部屋は壁紙のプチリフォームをすると、お部屋の印象が変わることでしょう。
そして、特殊ピンやディアウォールならば、壁のダメージ少なく時計の壁掛けも可能です。