新築を建てたら、まず生活をするために必要なもののひとつとして「照明」があります。
新築を建てる時の打ち合わせでは、照明を決めるのは、家がある程度出来上がった頃であることが多いものです。
そのため、うっかり忘れていて「照明まで費用が回らなかった」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは、新築で照明にかける費用の平均や、照明を選ぶ時のポイントなどをご紹介しましょう。
新築の照明を揃えるには平均でどれくらいの費用がかかる?
新築を建てる時に全体の予算は決めていても、どこにいくらかけるという細かい内訳までは決めていないという方が大半ではないでしょうか。
一生の内に何度も新築を建てる方はほとんどいません。
そのため、誰もが初めてのことばかりで、どこにどれくらいの費用をかけるべきか分からないということもあるでしょう。
新築で照明の費用というのは、どれくらいが平均的なのでしょうか。
もちろん、新築といっても部屋数や広さは全く違うので、細かい数字を出すことはできません。
しかし、一般的な4LDKの住宅で考えると、おおよそ20~50万円くらいが平均的ではないかと考えられています。
平均費用でこれだけの開きがあるのは、照明の種類によって金額が大きく変わるからです。
例えば、シャンデリアなどおしゃれで価格帯の高い照明ばかりをこだわって付けた場合には、100万円をオーバーすることさえ考えられます。
そのため、一般的なシーリングライトがいくらくらいするのか、ダウンライトだといくらになるのかという照明別の単価をある程度押さえておくことで、大体の予算を考えることができます。
また、照明は器具そのものだけではなく電気工事費がかかるものですから、家を建てるメーカーに工事費は別途かかるのか、本体価格に含まれているものなのかも確認しておく必要があるでしょう。
新築にはいくつくらいの照明が必要?
さて、照明器具の単価は調べれば分かりますが、新築でどれくらいの数の照明が必要になるのかは思い浮かばないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
まだ家が建っていないのに、広さや明るさを想像だけで考えるのは難しいものです。
照明をいくつ付けるのかによって、費用をより考えやすくなります。
照明の数を考える時、基本的には一坪あたりに一灯の照明が推奨されていますが、実際にそれだけの数を付けている家は少ないと考えます。
ひとつひとつのお部屋ごとにいくつくらい必要なのかを考えてみましょう。
≪主照明≫
●リビング、ダイニング、キッチンに各1灯(広さによってはリビングは2灯)
●個室、寝室に各1灯(個室の数分増える)
●お風呂、洗面所、トイレに各1灯(トイレの数も注意)
●玄関の内外、ホール、車庫や駐車場に各1灯
●階段、廊下には各2灯(曲がり具合によっては3灯の場合も)
●その他、ウォークインクローゼットやシューズクローク、納戸やパントリー、勝手口などがある場合にも照明が必要
≪補助照明≫※必要な場合のみ
●キッチンカウンター
●家事室
●リビング脇の書斎、パソコン台
●廊下やホールに設けたカウンター
●吹き抜けの2階から階下へ
●インテリアとしての間接照明
ざっと挙げるだけでも、これだけの数の照明が必要になります。
場合によってはこれ以上になるかもしれません。
自分の家の間取りや形をしっかりと把握して、照明を考えるようにしましょう。
新築の照明を選ぶポイントは?
新築で照明を選ぶ時には、どのようなことを意識すると上手に選ぶことができるでしょうか。
まず、今回の要である費用はとても大切なものです。
また、見た目の良さ、おしゃれなものかどうかもしっかりと意識したいところです。
しかし、何より考えなくてはいけないのが「明るさ」。
これに尽きるといっても良いでしょう。
「照明だから明るさを考えるのは当然」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
実際にカタログには「何畳用」という表記や、明るさを示す定格光束も明記されています。
そのため、広さに応じて選べば間違いないように思えます。
それでも、実際に建った家でお部屋が正方形なのか長方形なのか、お部屋に柱があったり陰になる部分がないのかなどといったことで、感じる明るさは異なります。
そのため、明るさに関しては平均よりも少し明るめを選んだほうが間違いが少ないと考えます。
また、照明の色が昼白色なのか電球色なのかということでも、明るさの感じ方は異なります。
リビングは人が集まる場所ですから、できるだけ明るいほうが望ましいでしょう。
もし、電球色が好みだという場合には、調光機能が付いていてどちらの色にも変えられる照明を選ぶと良いかもしれません。
お部屋が暗いと気分が落ち込んでしまったり、ものが見えにくくてイライラする場合もあります。
照明の明るさは、価格が多少高くなったとしても妥協しないようにしましょう。
照明を自分で買いに行けば費用を抑えられる?
照明の費用を安く抑えるために、照明は安いものを自分で選ぶという考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
新築で照明を購入する時は、基本的にふたつのルートがあります。
●ハウスメーカーや工務店を通して注文
●自分自身で購入して取り付け(あるいは施主支給)
シーリングライトなど、自分で取り付けるものに関しては問題ありませんが、ダウンライトなど電気工事が必要なものは施主支給という扱いになるので、別途工事費だけ発生することになります。
しかし、どちらも自分で照明器具を購入することに違いはありません。
確かにメーカーで全て購入するよりも、ネット通販などで安く購入したほうが総額を抑えられる可能性は高いでしょう。
また、金額にかかわらず、好みの照明を見つけた時にその場で購入できる楽しみがあります。
メーカーと打ち合わせをしなくても、家で空き時間にネットなどで探す気楽さもあるでしょう。
もし、家電量販店で購入すれば、ポイントカードやクレジットカードのポイントが貯まるという嬉しいおまけも考えられます。
しかし、照明に関しては自分で購入すると思わぬ後悔をすることも考えられますので、次項で挙げるデメリットもしっかりと踏まえた上で、購入するようにしましょう。
照明の施主支給にはデメリットが多い?
照明の費用が抑えられて、自分で楽しく選べる施主支給にはデメリットなどないように思うかもしれません。
しかし、実は新築だからこそデメリットのほうが多い可能性もありますので、ここで述べた注意点を元にどちらが良いのかを考えてみましょう。
●発注ミスの可能性
●照明の届くタイミング及び運搬の手間
●支払いはローンが組めない
●保証の対象外
まず、自分で照明を購入するとあくまでも素人が行うことなので、細かい部品の購入を忘れたり間違えたりする可能性がゼロではありません。
また、引越しの日に間に合うように発注しなければならないことや、早めに届いてしまった時に保管しておくスペースが必要となります。
間に合わせるために事前準備をするのなら、結構な量の照明を保管しておくスペースが必要となりますが、引っ越し準備中にものが増えるのは避けたいですよね。
さらに、新居までの運搬も自分で行うことになるので、遠方への引越しの場合には時間と手間がかかってしまいます。
そして、あたり前のことですが住宅ローンの対象外となるので、クレジットカードか現金で支払わなくてはなりません。
最後に、ハウスメーカーや工務店によって、施主支給品は保証対象外になることも考えられます。
このように、費用を抑えられたとしても自分で照明を購入するのはリスクが付いて回ります。
手間や不安材料を改めて考えた上で、費用の軽減とどちらが良いのか考えてみるようにしましょう。
照明の費用を安く抑えるためにできること
ここでは、新築で照明の費用が予算より大きくなってしまった場合、少しでも安く抑えるためにはどのようにすれば良いのかをご紹介します。
まず、一番簡単な方法としては、引越し前に使用していた照明をできるだけそのまま使う方法です。
新しい照明の施主支給はデメリットとなりますが、今までに使用しているものならば保管場所は必要ありませんし、引越し当日に一緒に運搬できます。
支払いは発生しませんし、保証の対象とならなくても問題ないでしょう。
しかし、「新築だからやはり新しい照明が良い」と思う方もいらっしゃるでしょう。
その場合は、照明にこだわる場所をリビングだけにして他は安価なシーリングライトにするなど、価格自体を抑えることが一番確実で簡単な対策です。
どうしてもおしゃれな照明を使いたい場合には、間接照明などを後から追加しても楽しみが増えたと考えることができます。
また、新築ではすぐに使用しないお部屋が存在することもあります。
例えば、赤ちゃんがいる家庭で未来の子ども部屋を用意した場合や、いずれ同居する両親のお部屋などは、家を建てることと同時に照明を付けなくても問題ありません。
掃除の時に薄暗く感じるなどのデメリットはありますが、初期費用を抑えるにはおすすめの方法です。
そして、それでも費用がオーバーしてしまった場合には、ハウスメーカーや工務店に交渉して値引きができないか相談してみましょう。
照明やカーテンなど、数を多く頼む場合にはわずかでも割引してくれるメーカーもありますから、交渉して損はないでしょう。
ただし、強引な交渉は失礼になる場合がありますので、あくまでも低姿勢でやわらかくお願いしてみてください。
妥協する場所と譲らない場所を明確して照明を選ぼう
新築を建てる時、照明は思っている以上に大きな費用がかかるものです。
予算内に抑えることはとても大切ですが、妥協ばかりをしてどうしてもこだわりたい1灯や明るさで我慢してしまうと、せっかくの新築が少し寂しい仕上がりになってしまうかもしれません。
妥協する場所と譲らない場所を明確にして、照明も素敵なものを選びたいですね。