西洋建築では、トイレやリビングや寝室など、あらゆるお部屋の壁を有効活用したニッチが広く取り入れられています。
実は、狭い場所での収納スペースとしてや遊び心あるディスプレイとしても、ニッチはキッチンに適しているのです。
まだあまり馴染みのないニッチを、キッチンに設けるメリットをまとめてみました。
おすすめしたいキッチン周りやカウンター下に設けたニッチの、上手な活用方法などもご紹介しています。
意外と知らない!建築用語としてのニッチの意味は?
ニッチという言葉はもともと英語で、「隙間」や「窪み」という意味で使用されるのが一般的です。
このニッチは建築用語としても使用されていて、ここでは、小物や絵の飾り棚など様々な用途に活用するために、壁の一部を半円や方形に凹ませた部分の呼び名になっています。
飾り棚としてだけでなく収納棚としても使えるというところから、あらゆる場所にニッチを設けるご家庭が増えているとも言われています。
例えば、狭いスペースでトイレットペーパーや掃除道具などを収納するために、トイレ内の壁にニッチを設け収納スペースを確保することもできます。
ベッドルームの枕元にニッチカウンターがあれば、スマホや目覚まし時計、本などを置けて便利ですし、間接照明をニッチに仕込むことで程よく枕元を照らすことも可能になります。
この他に、もちろん玄関先やリビングの一角などにニッチがあれば、お気に入りのパネルや置き物を飾って楽しむこともできますね。
次項では、キッチンにニッチを設けるメリットについてご紹介します。
キッチンにニッチを設けるメリットは?
キッチンにニッチを設けるメリットを挙げてみましょう。
●収納を増やせる
●ディスプレイとして使える
●キッチンをお洒落に見せることができる
●オリジナル性が高い
●キッチン内を広く使える
前章で触れたように、ニッチはご家庭のあらゆる場所で、収納や飾り棚として活用できるのが大きな利点です。
調理器具や食器類をはじめ、とにかく何かと物が多いキッチンにおいて、収納スペースを増やせるというのは何より嬉しい利点と言えますね。
また、物が多いことでどうしても機能性ばかりを重視しがちになってしまうキッチンでも、ニッチを活用すればちょっとしたディスプレイとして使用できます。
なんとなく愛想のない雰囲気のキッチン周りやキッチンのカウンター下などに小物などを飾ることができるので、お洒落なキッチンを演出することも可能です。
収納としてもディスプレイとしても使用できるうえに、何を収納するのか、どんなものを飾るのかというように使用方法の幅が広いことから、オリジナル性が高く楽しみながら使用できるというのも魅力の1つですね。
さらに、壁の一部を凹ませるという手法は、キッチン内のスペースをより広く確保することを可能にしています。
このように、キッチンにニッチを設置することでたくさんのメリットが考えられます。
キッチンに設けたニッチカウンターが便利!
ここからは、キッチン内のどんな場所にニッチがあると便利かを考えてみます。
ニッチを設置する場所ごとに、おすすめの使い方などをまとめていきますので、是非参考にしてみて下さい。
まずは、キッチンカウンターの作業台側の壁に設けるニッチです。
ガスコンロやIHクッキングヒーターの前部分に収納スペースができることになりますので、調理時によく使用するスパイス類などを並べておくのがおすすめです。
お洒落なスパイス類を瓶ごと並べれば、キッチン内を彩るディスプレイに早変わりです。
使用頻度の高い塩や砂糖などは、可愛い瓶などに詰め替えて並べてみましょう。
見た目だけでなく、調理の際にわざわざスパイス類を取りに行く手間も省けるという利点もあります。
また、洗い場前にもニッチスペースがありますので、食器洗剤類やハンドソープ、冬場の乾燥する時期にはハンドクリームなどを置いておくのもいいですね。
キッチン横の壁!ちょっとしたスペースをニッチにしてみよう
キッチン横の壁部分にスペースがあるのなら、小さなニッチカウンターを設けることをおすすめします。
棚の中にしまっていた調理器具類などでよく使用するものを、この部分のニッチに配置してみましょう。
調理時の使いやすさが格段に上がります。
例えば、木べらやしゃもじ、おたまや泡立て器などをお洒落な瓶や缶に立て掛けて並べてもいいですね。
測りやタイマー類、もちろんスパイス類を並べておくのにも便利なスペースです。
また、キッチンにほんの少し遊び心を取り入れてみるのもいいでしょう。
好きな小物などを飾ってもいいですし、リビングやダイニングと隣接したキッチンなら、お部屋の雰囲気に合わせた小物を置くと統一感を出すことができます。
調理器具類なども、デザイン性の高いものや同じカラーで統一するなど少し工夫することで、お洒落、且つ、使いやすいキッチンに早変わりしますよ。
キッチン内の見せる収納として、ニッチを活用してみましょう。
キッチンカウンターの下にもニッチがおすすめ!
キッチンカウンター下のダイニングテーブル側の壁も、ニッチとして使用するのにおすすめのスペースです。
お部屋のインテリアの一部のディスプレイスペースとして、この部分のニッチを活用してみましょう。
可愛らしいタイル張りのカウンターなどでしたら、小物を飾るのはもちろん、お気に入りのマグカップやティーカップなどデザイン性の高い食器類を並べてみるのもいいですね。
ディナーの後やティータイムに、キッチカウンター下のニッチからカップ類を選んでコーヒーや紅茶を淹れると、まるでカフェで過ごすような雰囲気を味わうことができますね。
また、狭いキッチンの収納スペースとして利用することも、もちろん可能です。
普段あまり使用しない食器類、フライパンやミルクパンなどもデザイン性の高いものを選べば、見せる収納として使用できます。
缶詰やジャム、コーヒー豆や紅茶の葉などのストック類を並べておいてもお洒落です。
この場所に設けたニッチは、ダイニングやリビングからの見え方などを考慮して使用することが重要になることを念頭に入れておきましょう。
使いこなすのが難しい?キッチンカウンター下のニッチの使用例
キッチンカウンターの下のニッチは人目につくことから、どんなものを配置したらいいのか悩んでしまうという方もいらっしゃると思います。
ここでは、食器類やストック類を配置する以外の使用方法をさらにご紹介しておきます。
まず1つ目が、マガジンラックとしての使用方法です。
毎朝読む新聞や、お気に入りの雑誌類などをダイニングテーブルに座ったままさっと取ることができます。
また、毎日の献立を考える際に、料理本やレシピ集などがあると便利ですね。
お子さんの大好きな絵本などは、飾っておくだけで素敵なインテリアの一部になります。
2つ目が、お花やグリーンを飾るスペースとして利用する方法です。
キッチン周りや食卓にお花やグリーンがあると、とても華やかになります。
しかし、ダイニングテーブル自体に花瓶などを置くとどうしても狭くなってしまいますし、花粉などが気になる場合もあります。
キッチンカウンター下のニッチなら、季節のお花やドライフラワー、観葉植物など好みのものをお洒落に配置することが可能になります。
ミントやカモミールなどのハーブ類の鉢植えを置くと、料理などにも使用でき一石二鳥ですね。
これらを参考に、キッチンカウンター下のニッチを楽しみながら活用してみましょう。
キッチンこそニッチを活用しよう!
一般的に小物や絵の飾り棚として使用するため壁の一部を凹ませて作るニッチは、キッチンにとても適した特性があります。
キッチンのカウンターの内側に設置すれば、見えない収納として使用が可能です。
キッチン側面の壁やカウンター下に設置すれば、ディスプレイや見せる収納としてお洒落に利用できます。
他のお部屋とのバランスを考え、インテリア性にもこだわったキッチン作りに、ニッチをうまく活用してみましょう。