ご自宅のキッチンの広さはどれくらいですか?
キッチンはできるだけ広い方が良いけれど、他のお部屋との兼ね合いで広く作れなかったり、建売住宅など元から決まったサイズのキッチンもあるので、中々自分の希望通りにはいかないものです。
今回は3畳のキッチンを狭く感じさせないための、レイアウトのポイントをご紹介します。
ご自宅のキッチンが狭いと感じている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
キッチンの理想的なサイズは?3畳だと狭い?
「3畳のキッチン」についてご紹介する前に、まず理想的なキッチンのサイズから考えてみましょう。
一般的な戸建て住宅で、平均的なキッチンの広さは4畳~4.5畳だと考えられています。
しかし、キッチンに対してほとんどの方は「狭い」「収納が足りない」などと不満を感じていることが多いのです。
5畳以上だと、ある程度のスペースが取れるのですが、人によっては家事室や大きなパントリーが欲しいという方もいらっしゃいます。
ですから、キッチンに関しては「大きければ大きいほど良い」という感覚の方は多いかもしれません。
そういう意味では、3畳のキッチンは狭いと感じる方が多いでしょう。
しかし、「狭い」と「使い勝手が悪い」は同義語ではありませんよね。
単純に、広ければキッチンは使いやすいというわけではないのです。
キッチンにいる間は細かい作業が多いものです。
冷蔵庫から食品を出す、調理をする、食器を出す、不要なものを洗うなど、調理中でもあちらこちらと移動があるため、広いキッチンでは動きの幅が広がります。
ところが3畳のキッチンであれば、あれもこれも手を伸ばしたり振り返るだけで行えるので、最小限の動きで済みます。
それでは、3畳のキッチンを「狭いけれど使いやすい」と言えるようなレイアウトにしてみましょう。
狭いけれど使いやすいレイアウトに必要なことは?
狭いキッチンのレイアウトを考えるときに、まず始めることは必要なものと不必要なものの整理です。
単純で当たり前のことですが、狭い場所ならものを極力置かないようにするのが広く見せるためのポイントとなります。
「捨てるのは整理の基本」というのは誰もが分かっていることではありますが、中々思いきって行うのが難しいことでもありますよね。
大きな食器棚やラック、それらは本当に必要なものなのでしょうか?
3畳のキッチンの場合は大きめの食器棚とラック、冷蔵庫を入れたらすぐにスペースがなくなってしまいます。
ラックなどは置かずに、大きめの家具は家電収納ユニットの付いている食器棚ひとつにしてみましょう。
そして、食器棚に入るものだけを日常的に使用するものとします。
たまにしか使わない小型家電や新品の食器などは、箱にしまって納戸などキッチン以外のスペースに収納するようにします。
一見面倒なように感じますが、キッチンで大きなスペースを占めて毎日邪魔に思うよりも、必要なときだけ出してくる方が意外にストレスを感じないものです。
また、食品や消耗品のストックもできるだけ増やさないようにしましょう。
もし、調味料や洗剤などを買い置きするのなら、未開封のものは、やはりキッチン以外に収納した方が良いですね。
キッチンには現在進行形で使うものだけを収納すると、使えるスペースはグッと広がります。
狭いキッチンはデッドスペースを徹底的に減らそう!
ものの整理を終えて、キッチンには必要なものだけを残した状態となっています。
早速レイアウトを変えたいところですが、この段階ではまだ3畳のスペース全てを有効活用できていません。
次は、キッチンのデッドスペースを減らしていく作業に移ります。
キッチンは端から端まで使っているようで案外デッドスペースが多くあるものです。
例えば、シンク下が引き出しタイプと扉タイプのものは、絶対的に収納できる量が変わります。
扉タイプを使っている場合には伸縮収納台などを利用して、空間をできるだけ空けずに使用するようにしましょう。
また、水切りカゴが作業台を占めているのなら、シンク周りの空きスペースに縦型の水切りを設置したり、シンク上に水切りプレートを設置するなどして作業台を使える状態にします。
冷蔵庫の上やゴミ箱の上も空いていることは多いので、ラックなどで上の空間も使えるようにします。
食器棚の上も、キッチンペーパーなど軽いもののストックならば置くことができます。
先ほどものの整理で家具を減らしましたが、食器棚の横やシンクの横などにわずかでもスペースがあれば、キャスターで引き出せるタイプの細い棚などを設置しても良いですね。
このように、少しでも使えるスペースを無駄にしないように、キッチンをもう一度見渡してみてはいかがでしょうか。
3畳のキッチンなら冷蔵庫の位置を考えてレイアウト
それでは、早速3畳のキッチンを広く使うレイアウトを見ていきましょう。
近年では対面型キッチンが増えていますが、一般的なI型の対面型キッチンはコンロの位置が右奥のケースと左奥のケースがあります。
家のレイアウトによって通路の位置が変わるわけですが、冷蔵庫の扉の向きによっては、コンロの向かいに冷蔵庫を設置すると使いやすいご家庭もあるでしょう。
また、冷蔵庫は食器棚などと比べると厚みがあるので、「キッチンの入り口に配置すると狭く感じる」と思って奥に設置する方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、冷蔵庫はキッチンの手前に置いた方が便利になり、スペースも有効に使うことができます。
冷蔵庫は料理を作る方以外に家族全員が使うものです。
最奥に設置してしまうと、家族がキッチンを行き来する回数が増えて、かえって狭く感じてしまいます。
間取りにもよりますが冷蔵庫はキッチンの入り口に設置するか、キッチンから一歩出たあたりに設置すると広く使えるようになります。
そのときは、コンセントの位置に注意してくださいね。
冷蔵庫をキッチンから出すことができれば、その分ラックなどを設置して野菜や乾物などを置くパントリーとして使うこともできますし、作業台代わりになるテーブルを設置することもできますね。
3畳のキッチンなら壁面を活用したレイアウトに!
「3畳のキッチンを広く使うためにはデッドスペースを出さないこと」と前述しましたが、壁面を上手に使うこともそのひとつです。
例えば食器棚を細く高いものに変えてみたり、壁面全てをオープン収納にして最大限に活用するのも良いでしょう。
キッチンを広く見せるレイアウトとして、キッチン周りの壁を収納にする方法があります。
壁に収納を付けるために便利な道具には、100均でも購入できる突っ張り棒や有孔ボード、ワイヤーネット、細かな部品では結束バンドやS字フックがあります。
どんな方法があるのかというと、例えばキッチンのシンクの奥側に突っ張り棒を縦に2本突っ張り、その間に有孔ボードやワイヤーネットを結束バンドで固定します。
あとはS字フックを好きなところへ付ければ、キッチングッズをたくさん掛けることができます。
レードルや計量スプーンなどは直接フックに掛けて、スパイス類などはワイヤーネットにカゴを引っ掛けて、そのカゴに収納してみましょう。
壁付けキッチンの場合には特に壁面収納と相性が良く、シンクやコンロの前を上手に活用することで調理もしやすくなりますよ。
ただし、コンロ付近の収納には十分注意して、キッチンペーパーなどのように燃えやすい紙製品や布製品を避けるようにしてくださいね。
3畳のキッチンをリフォームすれば広く使える?
ここまでは、3畳のキッチンを広く使うためのレイアウトを見てきましたが、いくらものを減らしても壁やデッドスペースを利用しても、形状やキッチンの種類で使い勝手が悪いということもあるでしょう。
リフォームをしたいと思っても、キッチンを広げてしまうとダイニングやリビングが狭くなってしまいます。
そこで、ここでは「キッチンのサイズを変えないリフォーム」で使いやすくなる方法をご紹介します。
3畳のキッチンでも、サイズを変えずにキッチン自体を変えるだけで広く使うことはできます。
キッチンは、新しいタイプの方が断然収納が多く、使い勝手が良いように考えられていますよね。
また、選択肢も豊富なので「作業台を広く取るためにシンクを小さくする」などの工夫も可能になります。
その他に壁面を上手に使うのなら、マグネットが付くホーローのキッチンを選んで収納を簡単に増やすということもできます。
吊り戸棚を追加してみても良いですね。
もちろん、リフォームには少なくない金額がかかりますので、簡単に決断するわけにはいきません。
しかし、「狭くて何とか使い勝手を良くしたい」と考えたときに、最後の案として考えておくのも良いかもしれませんね。
狭いキッチンを楽しく使うために
毎日、ご自宅のキッチンを「狭い」「使いにくい」と考えるのは、ストレスを感じますよね。
しかし、ご自分で整理したり収納を増やしたりと手を入れることで、使い勝手が良くなるだけではなく、愛着も湧くものです。
3畳のキッチンを自分の城としてどう使うか考えるのも、楽しいのではないでしょうか?
まずは「必要なものと不必要なものの整理」から挑戦して、キッチンのレイアウト変更をしてみましょう。