最近は、床材のカーペットをフローリングへ張り替えるリフォームも多くなってきています。
カーペットは、ダニやホコリの問題もあり、以前と比べると利用者が減少している傾向にあります。
今回は、カーペットをフローリングへリフォームする際の注意点についてご紹介していきます。
カーペットとフローリングの歴史
最近では、床材がカーペットの住宅は少なくなってきましたが、かつては床材として普及率が70%を超えていたといわれています。
カーペットが最も普及したのは、昭和40年代から50年代といわれており、高度成長期の三種の神器とも呼ばれたカラーテレビ・カー(車)・クーラーの「3C」に次ぐほどの人気があったとされています。
しかし、昭和50年代後半ともなると、アレルギーの問題やダニなどの問題をテレビで取り上げられると共に、カーペットの人気が低下し始めます。
そして、平成に近づくにつれ徐々にフローリングが普及し始めました。
日本の住宅も和風のものから洋風へと移り変わり、ナチュラルでシンプルなフローリングが好まれるようになったのです。
現在、ほとんどの住宅で床材としてのカーペットを見かけることはなくなり、またカーペットからフローリングへのリフォームを行うケースも多くあります。
しかし、カーペットからフローリングへリフォームする際、いくつかの注意点が存在します。
その注意点については次にご説明していきます。
カーペットをフローリングへリフォームする際の注意点
カーペットをフローリングへリフォームすると考えたとき、注意しておきたいことがあります。
最も注意していただきたいのが「床の高さ」です。
実はカーペットには、カーペットそのもの単体に防音効果があることをご存知でしょうか。
一方で、フローリングはカーペットより防音効果が劣ります。
特に、何かものを落としてしまったときなどに、大きく音が響くという特徴があります。
そのため、フローリングの防音対策を考え、リフォーム時に防音シートを重ねて施工する可能性も考えられるでしょう。
しかし、防音シートを重ねての施工は、これまでのカーペットの床材よりも厚みが出てしまうことが想定されます。
そうなると、隣室との床の高さに段差が生まれてしまったり、ドアの開閉に支障が出てしまう可能性もあるかもしれません。
リフォームする際は、このような点にも注意をする必要があります。
古い中古マンションは特にリフォームが難しい
中古マンションや分譲マンションの床をリフォームする際には、各マンションの管理規約を確認することが大切です。
マンションの中には、防音対策のために「遮音の基準を満たしたフローリング材を使用すること」という内容がルールとして決められていることもあります。
その場合は、やはりフローリングには防音材を使用するといった対策が必要となります。
そして、マンションの中でも特にリフォームが難しいとされているのは、築年数の経った中古マンションです。
築年数の経った中古マンションの場合、カーペットが床材となっている一室だけをフローリングに張り替えればよい、という問題だけでは済まされなくなる場合もあります。
というのも、昔のマンションは現在のように防音規格が設定されていなかったため、防音施工が施されていないフローリングも存在しています。
しかし、マンションの管理規約で「遮音の基準を満たしたフローリング材を使用すること」とあれば、カーペットからフローリングに張り替える際は防音材を使用する必要がありますよね。
その場合、たとえカーペットの一室だけに防音材を使用してフローリングへリフォームしたとしても、防音施工が施されていないフローリング床との高さに差が出てしまうこととなります。
つまり、リフォームしたいカーペット床が一室のみだったとしても、防音材による段差をなくすために全ての床に防音材を使用したフローリングへ張り替える必要が出てくるというわけです。
リフォームの際は、「カーペットの部屋だけをリフォームすればいい」と考えがちですが、結局は隣室の床も防音施工する必要が出てくる可能性があります。
一軒家などであれば、防音材を使用しないことで対策することができるかもしれませんが、マンションの場合はそうもいきません。
全ての部屋を張り替えるとなれば、その分費用も嵩みますし時間もかかるでしょう。
そういった面から、築年数の経ったマンションの床リフォームは、難しいと考えられているのです。
カーペットからフローリングへリフォーム!DIYの注意点
カーペット床からフローリングへリフォームする方の中には、ご自分でDIYしてしまおうと考える方もいるのではないでしょうか。
DIYは単純に、材料費だけで工事費用がかからないため、費用が安く済ませられると思うかもしれません。
しかし、DIYでの作業はいくつかの注意点がありますのでお伝えしてきます。
カーペットからフローリングへのリフォームは、まずカーペットを剥がす作業から取り掛かります。
その際、下地に接着剤が残って表面が凸凹してしまう場合があります。
フローリングへ張り替える際には、この凸凹を取り除き補修してから張る必要があるため、手間や技術が必要となります。
また、フローリングを張り替える際は、隙間ができないように張るため高い技術を要するのです。
たとえご自分でフローリングを張り替えたとしても、隙間が空いたままですと、そこに汚れが溜まりダニや雑菌が繁殖する可能性もあります。
そのため、ここは慎重に行いたいポイントになるでしょう。
さらに、剥がしたカーペットの処分も考える必要があります。
お住まいの地域の自治体によりますが、カーペットなどの大きいものは粗大ゴミになることが多く、処分する際には持ち運ぶ手間や処分費用がかかることも考える必要があります。
住宅は、長く快適に暮らせることが大前提としてありますから、出来栄えや耐久性を考えればプロの業者に依頼したほうがよいと考えられるでしょう。
カーペットからカーペットへのリフォームもあり!?
カーペットからフローリングへのリフォームが増える一方、ここではあえてカーペットからカーペットへのリフォームについて考えてみます。
これまで、カーペットのイメージというと「汚れやすい」「ダニ問題」「ホコリが溜まりやすい」などの悪いイメージが目立っていましたが、近年のカーペットはこれらデメリットが改善されつつあるといいます。
そもそも、カーペットはフローリングと違いクッション性があるため、足腰に優しく保温性があるため暖かいことがメリットです。
また、フローリングよりも吸収性に長けているため、騒音トラブルを避ける意味でも大変効果的です。
滑りにくく暖かい、そしてクッション性があることから、小さなお子さんや高齢者のような方にも適している床材であるといえます。
では近年のカーペットは、どのようなところが改善されてきているのでしょうか。
その点については、次に詳しく解説していきます。
近年のカーペットはどこが改善されている?
ここでは、近年のカーペットはどのようなことが改善されているか簡単にお伝えしていきます。
●防ダニ加工
ダニが発生しやすいのはカーペットのデメリットの1つですよね。
しかし、近年のカーペットは防ダニ加工が施されているため、ダニの発生を最小限に抑える効果があります。
また、フローリングに比べるとホコリが舞い上がりにくいという特徴があるため、室内の空気はフローリングに比べると綺麗であるという結果も出ています。
つまり、掃除をしっかりと行ってさえいれば、アレルギーをお持ちの方にもおすすめなのです。
●汚れ対策
近年のカーペットは、防汚加工が施されているものが多いです。
特にウール素材のカーペットは、撥水性が高く、食べこぼしや飲み物をこぼした際でも掃除がしやすいといわれています。
このように、カーペットにもさまざまなメリットがあることが分かります。
掃除のしやすさでは、フローリングには劣る部分があるかもしれませんが、このような一面もありますのでリフォームを行う際はよく考えて検討してみてください。
フローリングへのリフォームは慎重に
人生のうちにリフォームを行う機会はそうそうないものですよね。
そのため、リフォームする際には、失敗しないように慎重に業者を選ぶようにしましょう。
また、複数社に見積もりを依頼して比較することも大切です。
新しく生まれ変わった床で、快適な生活をおくってくださいね。