ギターを座って弾くことで、身体の不調を感じたことはないでしょうか。
ギターを座って弾く場合の理想とされる姿勢をもとに、適したスツールの座面の高さについてまとめてみました。
クラシックギター演奏時に多用される足台とスツールの高さの兼ね合いも考えつつ、支持具などの高さ調節方法もご紹介しています。
おすすめのギター専用スツールなどについても簡単にまとめていますので、参考にしてください。
ギターを座って弾く時の理想的な姿勢は?
ギターを座って弾く時のスツールの高さを考えるにあたり、まずは理想的な姿勢を考えてみましょう。
基本的に、ギターを弾く場合は立って行うのが身体に負担を掛けず理想的であると言われているのですが、長時間の練習となると座って行うことも多くなりますよね。
バンドなどで使用するエレキギターですと、ライブ中は立って演奏することがほとんどですが、自宅やスタジオでの練習となると、どうしても座って行うことが多くなるでしょう。
また、クラシックギターの場合、スツールなどに腰掛けてライブ演奏などをされている方をよく見掛けます。
これは高度な技巧を必要とするクラシックギターにおいて、座って演奏する方が安定するということが理由の1つとされているようです。
先ほど少し触れているのですが、エレキギターでもクラシックギターでも、立って弾く方が体に負担がかからないと言われています。
このことから、どうしても座って弾くのであれば、立って弾く場合と同じ姿勢を保つことが重要です。
具体的に座って弾く場合の理想的な姿勢を挙げてみましょう。
●背筋がまっすぐに伸びている
●腰の位置が床面と平行
●膝部分が自然な形で90度曲がっている
●足の裏が床面にぴったりとついている
この条件を満たすためにとても重要なのが、スツールの座面の高さです。
ギターを座って弾くのならスツールの高さはどれぐらいが適しているの?
実際に、ギターを座って弾く際に利用する、スツールの高さについて考えてみましょう。
前項で挙げたギターを座って弾く際の理想的な姿勢を考慮すると、スツールの座面の高さは大体35~45cmのものがいいでしょう。
一般的に、ダイニング用スツールの高さは約42cm、キッチン用スツールで約57~58cm、バーカウンターなどで使用するハイスツールになると70cm以上になってくると言われています。
他のスツールの座面の高さと比較してみると、理想の姿勢でギターを弾くためにはかなり座面の低いものが適していることが分かりますね。
もちろん、ギターを演奏する方の身長や座高の高さなどによって、適した座面の高さは変わります。
ギターを座って弾く際に使用するスツールを購入するのなら、できることならご自分のギターを構えて、実際に腰掛けてみることをおすすめします。
ギターを座って弾く時にスツールの高さが合わないとどうなるの?
ギターを座って弾く際に、座面の高さが合わないと具体的にどうなるのでしょうか。
例えば、ダイニング用スツールなどの座面の高いスツールを使用した場合、足の裏がきちんと床面に着かず不安定な状態でギターを弾くことになりますよね。
安定しないことで身体に負担の掛かる不自然な姿勢になることから、長時間の演奏が難しくなってくるとされています。
また、床面に足が着いていても膝を90度に曲げて足裏がしっかりと固定されていなければ、前かがみの状態のまま演奏することになります。
このような前かがみの姿勢でのギター演奏は、背骨が曲がったままの状態で指先などを動かすことになり、指先の細かな動き1つ1つに過度の力が加わることで必要以上に肩や腕が疲れてしまうとも言われているのです。
更に、前かがみになるとどうしてもギターの指板を覗き込むような姿勢になってしまいますよね。
この姿勢では左手で押さえにくいコードが出てきたり、右手のピッキングにブレが生じる原因を作ってしまうとも言われています。
このような様々な影響が生じると考えられることからも、ギターを弾く座って弾く際には、スツールの座面の高さがとても重要なのです。
クラシックギターの演奏はスツール+足台が一般的!?
スツールに腰掛けて足台を使って構えるというのが、一般的なクラシックギターの演奏方法です。
ギターを安定させるためにこの足台を好んで使用する方は多いと言われています。
座面の高さが高いスツールを使用していると想定して、クラシックギターを足台を使用して座って弾いている姿勢を考えてみて下さい。
まず、座面が高いことから相対的に両腿の位置が下がることになりますね。
クラシックギターは腿の位置に置くことになるため、ギターの位置も必然的に下がってしまいます。
ギター自体の高さはスツールの高さと関係なく定位置にもっていきたいので、どうしても足台を高く設定することになるのです。
このように、足台の高さを上げれば左右の足の高さに大きな差が生じ、結果として身体を大きく捻ることになります。
つまり、過度の負担が掛かった不自然な姿勢で弾き続けることになってしまうため、足台を使用して弾くクラシックギターの場合には、さらに、スツールの高さを考慮しなければならないのです。
高いスツール+足台に要注意!高さの調整方法を見直してみよう
足台はコンパクトで持ち運びにも適し、クラッシックギター演奏者の多くが愛用するとされています。
決まったスツールを用意していなくても、足台のみである程度弾きやすい高さに調節できる手軽さから、ライブや練習スタジオなどに持参したり、自宅練習などにも用いられる方は多いようですね。
しかし、座面の高いスツールと足台を併用することで、更に身体に負担が掛かることは前章でご説明した通りです。
そこで、ギターを座って弾く時の足台以外での高さ調整方法を、いくつかご紹介しておきます。
基本的には支持具を取り付けることになります。
両脚の高さが同じ状態で座りこの支持具を取り付けてギター本体を持ち上げるため、身体を捻る動作を軽減することができます。
支持具はその形状から大きく3つに分類されます。
●ギター側面に取り付けるタイプ
万力や吸盤でギター側面に取り付ける構造で、分解して持ち運べるタイプなどがあります。
●ギター背面に取り付けるタイプ
近年販売されたタイプで、平らで面積の大きいギター背面に取り付けます。
安定性に優れ、調整幅の広いことが利点です。
●ギター側面に置くタイプ
ギターに直接装着せず、側面に置いて使用するため安定性は少し劣りますが、塗装などに影響が出ないというメリットがあります。
このような支持具をうまく利用してみるのもいいですね。
ギター専用スツールがおすすめ!
足台や支持具などをご紹介しましたが、基本的に、エレキギターでもクラシックギターでも、両方の足の裏がしっかりと床面に着き、且つ、膝部分が90度という姿勢を保てる座面の高さを考慮したスツールを使用することが重要です。
もちろん、見た目のデザインや座り心地にこだわりつつ、ご自分にぴったりの高さのスツールを探すことになるのですが、実際にスツールや椅子の販売店にギターを持っていき1つ1つ座って確認するというととても大変ですよね。
そこで、おすすめしたいのがギター専用スツールです。
ギターの販売メーカーや音楽関係の機器を取り扱うメーカーでも、多種のギター専用スツールが販売されています。
高さ調整機能が付いたものがほとんどで、デザイン的にもクールなものがたくさんあり、持ち運びを考慮した軽量のものが多く販売されています。
ステージ上から日々のスタジオ練習と幅広く活用できますね。
もちろん、ご自宅での練習時にも利用できますので、是非、お試し下さい。
スツールの高さを見直せば断然ギターが弾きやすくなる!
ギターの種類に関わらず、ギターを座って弾く場合には姿勢がとても重要です。
背筋を伸ばして身体をひねらず、両足の裏がしっかりと床面に着き、膝が90度を保つ姿勢が理想とされています。
この姿勢を維持するために、スツールの座面の高さが約35~45cmを目安にぴったりのものを探してみましょう。
身体に負担が掛からず無駄な力も入らないため、長時間でも疲れず、ギターがより弾きやすくなります。