マイホームを建てる際に悩むことのひとつに、照明の取り付けがあります。
家族みんなで過ごす時間の長いリビングは、どのような照明を付けるかが特に重要ですよね。
ダウンライトを設置して、リビングをおしゃれな空間にしたいと考えている方もいらっしゃると思いますが、実際に住み始めてから「思っていたのと違う…」と後悔しないよう、注意が必要です。
今回は、リビングへのダウンライト設置で失敗しがちな点や、失敗しないための方法をご紹介します。
リビング照明を失敗しないために!照明の種類を知っておこう
まずは、リビングに取り付けることの多い照明の種類を押さえておきましょう。
それぞれの特徴を理解しておくと、リビングの照明を失敗する可能性は下がります。
●シーリングライト
薄く平べったい形状で、天井に直接取り付けて使用する照明です。
リビングに取り付ける照明としては、最もオーソドックスなタイプと言えるでしょう。
部屋全体に光が均一に行き届き、明るく照らすことができます。
●ダウンライト
天井に埋め込むように設置する照明です。
外側に照明器具が見えず、天井がすっきりして見えるため人気を集めています。
他の照明と比べてホコリが溜まりにくく、掃除が楽なのもポイントです。
●ペンダントライト
コードなどで天井から吊り下げて取り付ける照明です。
ダイニングテーブルの上に取り付けるイメージが強いかもしれませんが、大型のものであればリビングでも使用できます。
デザインがとても豊富なので、部屋の雰囲気に合わせてお好みのものを選べるでしょう。
●シーリングスポットライト
複数のスポットライトを1つのバーなどにまとめて取り付けた照明です。
シーリングライトと同じように天井に直接付けますが、異なる点は、それぞれのスポットライトを好きな角度に向けられる点です。
デザイン性が高いので、おしゃれな部屋にしたい方にぴったりです。
ダウンライトにもさまざまな種類がある!
前項でご紹介したリビング照明の中で、今回はダウンライトについてご説明します。
一口にダウンライトと言っても、いくつかの種類があります。
「付けるダウンライトの種類を間違えて失敗した…」とならないように、事前にご自宅に適しているものを確認しておきましょう。
●ベースタイプ
最も一般的なタイプで、リビングだけでなく廊下やトイレ、玄関ポーチなどさまざまな場所に取り付けられています。
まっすぐ下向きの光で、照明の真下を中心に周辺を明るく照らします。
●ユニバーサルタイプ
光源の角度を調整でき、照らす方向を自分で変えられるタイプです。
必要に応じて、明かりを家具に向けたり、壁に向けたりと調整できます。
●ピンホールタイプ
光を集めてピンポイントに明るくできるタイプで、ベースタイプと似ていますが、より狭い範囲を照らすのに向いています。
作業をするテーブルの上を明るくしたい場合や、部屋に飾った小物などにスポットライトを当てたい場合などに使用します。
ダウンライトは暗い?リビングに設置したときの失敗例
ダウンライトをリビングに設置する際、注意すべきなのは照明の明るさです。
ダウンライトは下向きの光で照らす照明なので、光が拡散しにくく、シーリングライトなどと比べると1つの照明で明るくできる範囲が限られてしまいます。
そのため、思ったよりもリビングが暗い印象になってしまい、失敗したと感じる方も多いようです。
リビングで本を読んだり、細かい作業などをしたりする場合は、目に負担をかけないためにもある程度の明るさは欲しいですよね。
部屋をできるだけ明るくするためには、ダウンライトの設置数や配置場所を設計段階からよく考える必要があるでしょう。
実際に住んでみてから暗いと感じても、後からダウンライトを追加するのは手間がかかります。
このように暗さがよく問題とされるダウンライトですが、一方で、直接照明が目に入ると眩しく感じることもあります。
ダウンライトは光源が小さいうえに光が拡散せず、一か所に光が集まって見えるため、直接光源を見るとシーリングライトなどよりも眩しく見えるのです。
ソファの真上など、寝転んだときに目に入る位置にダウンライトがあると、照明が眩しく邪魔に感じてしまうかもしれません。
ダウンライトを設置すると模様替えがしにくくなる?
他にも、ダウンライトを設置した場合、リビングの模様替えのしづらさに失敗したと感じることもあるようです。
先ほども述べたように、ダウンライトはシーリングライトなどと比べて、リビングが暗くなりやすいものです。
明るくするためには、複数個のダウンライトを設置する必要があります。
このとき、リビング全体にまんべんなくダウンライトを設置するよりも、テーブルを置く場所など、明るくしたいところの真上に間隔を詰めて複数個設置するのが一般的です。
すなわち、ダウンライトの設置場所を考える際に、すでに家具の配置も、同時にある程度考えておかなければならないということになります。
最初から家具を基準としてダウンライトの配置を決めるので、どうしても模様替えはしにくくなってしまいます。
テーブルを違う位置に置きたいと思っても、ダウンライトの位置まで変えるのは難しいでしょう。
もし今後、模様替えをする可能性があるなら、
①明るさはある程度妥協して均等にダウンライトを設置する
②照明の角度を調整できるユニバーサルタイプのダウンライトを設置する
などの手段を検討してみてください。
リビングでは他の照明と組み合わせるのがおすすめ
リビングにダウンライトを設置したときに、失敗したと感じる例を2つご紹介しました。
いずれもダウンライトのみで、リビングを明るくしようと考えた場合に起こりやすい失敗です。
しかしながら、ダウンライトと他の照明を組み合わせて使用することによって、このような失敗をする確率を下げられるでしょう。
例えば、シーリングライトをリビングの中心に設置し、その周辺に補助的な照明としてダウンライトを設置します。
明るさが欲しいときはシーリングライトを使用し、寝る前など少し部屋を暗めにしたいときはダウンライトのみを使用するなど、使い分けることで明るさを調整できます。
また、このようにすることで家具の配置も問題なく変えられ、模様替えの際にも困りません。
中には、「ダウンライトだけにして天井をすっきりさせたいから、他の照明と組み合わせたくない」と思う方もいるかもしれません。
しかし、リビングを明るくするためにダウンライトの設置数を増やすと、結局天井がごちゃごちゃとしてしまうことがあります。
それよりも、シーリングライトなどと組み合わせて全体の照明の数を減らすほうが、天井をすっきりと見せられるでしょう。
ダウンライトの明るさで失敗しないために
リビングにダウンライトを設置する際、明るさで失敗しないためのポイントを、もうひとつご紹介しましょう。
それは、調光タイプや調色タイプのダウンライトを使用することです。
調光タイプとは、調整つまみなどで照明の光の強さをコントロールできるものです。
起床してまだ目が明るさに慣れていないときは暗めの明かりにしたり、子どもがリビングで遊ぶときは明るくしたりと、利用シーンに合わせて明るさを調整できます。
また、調色タイプとは、光の色を電球色や昼白色などに切り替えられるものです。
ゆったりと落ち着いた雰囲気のリビングで過ごしたいときは温かみのあるオレンジ色の電球色、仕事や作業に集中したいときは明るい昼白色、というように使い分けると良いでしょう。
光源が目に入って眩しく感じる場合も、電球色にすると少し光の強さが和らぎます。
このように調光・調色ができるようにしておくと、ダウンライトがより使いやすくなり、明るさで失敗したと感じることも少なくなるのではないでしょうか。
リビングへのダウンライト設置は計画的に!
今回は、リビングへのダウンライト設置で失敗しがちな点や、失敗しないための方法をご紹介しました。
一度設置したダウンライトは、後で追加したり移動したりするのは難しいのが一般的です。
また、種類にもよりますが、一般的なダウンライトは電球の交換ができないので、色味や明るさを変えたいときには器具ごと取り替えなければなりません。
住み始めてから後悔しないように、あらかじめ設置場所や明るさなど、よく考えてからダウンライトを設置するようにしてください。