フィギュアをコレクションしている人は、できればいつでも見ることができるように、台座に立てて飾っておきたいものでしょう。
しかし、スペースに限りがあるので、増えたフィギュアをどのように飾ったら良いのか、頭を悩ませている人も多いと思います。
そこで、アクリルを使ってコンパクトな台座を自作することで、限られたスペースを有効に使ってみてはいかがでしょうか。
フィギュアは台座に立てて飾る?箱に入れて大事にしまっておく?
アクリル台座の作り方を説明する前に、フィギュアの保管の仕方について見ていきましょう。
フィギュアを台座に立てて飾っておくのも良いですが、スペースの都合もあって飾れない場合があります。
また、大切に取っておきたいからこそ、箱に大事にしまって保管しているという人もいるでしょう。
しかし、フィギュアは素材にもよりますが、箱に入れたままにしておくと劣化が早まる可能性が高いので、注意してください。
素材について、少しご説明しましょう。
フィギュアには、多くの場合「ポリ塩化ビニール」などの合成樹脂が使われています。
軟質ポリ塩化ビニールは、「ソフトビニール=ソフビ」略されて呼ばれることが多く、フィギュアの素材としてよく使われていますね。
このビニール素材には、加工しやすいように素材をやわらかくする、可塑剤(かそざい)というものが含まれています。
この可塑剤は温度や湿度が高くなると、表面から気化して出てくる可能性があり、フィギュアの表面がベトベトしてしまったり、変色したりする原因になります。
そのため、箱に入れたまましまっておく場合は、定期的に箱から出して、衣類の虫干しのように空気に触れさせると良いでしょう。
また、フィギュアは紫外線に弱く、すぐに変色してしまうので、直射日光は避けてください。
フィギュアをアクリル台座に立たせて飾ろう
フィギュアの種類によっては、台座を使わなくても、そのまま立たせることができるものもあります。
しかし、そのようなフィギュアの場合は、しっかり安定しているわけではないため、ちょっとした弾みでフィギュアに当たってしまうと、倒れることも多いのではないでしょうか。
倒れるだけで済めば良いのですが、床に落ちてしまい、壊れてしまうこともあるかもしれません。
また、地震などが起きたときのことを考えると、台座に立たせて、より安定した状態で飾っておきたいですよね。
台座は別売りされているので、フィギュアの大きさに合わせたものを購入すれば良いのですが、ここで問題になるのが、台座の大きさです。
例えば、プライズフィギュアの台座は、14cm前後のものが多く販売されています。
これは「大は小を兼ねる」の発想で、ある程度大きさがあれば、サイズの違うフィギュアに対応できるためのようです。
フィギュアに合わせたサイズ台座があれば、飾るスペースにも余裕ができて、より多くのフィギュアを飾れますが、市販のものでは難しいでしょう。
そこで、アクリルを使って台座を自作してみるのはいかがでしょうか。
フィギュアの台座をアクリルで作る
それでは、アクリルを使ってフィギュアの台座を作ってみましょう。
まずは、材料です。
アクリル円板、それにミュージアムジェルを用意してください。
いずれもホームセンターやネット通販などで手軽に購入できます。
アクリル円板の厚さは、1mmから1mm単位で販売されているので、自分の好みの厚さが選べます。
フィギュアを飾ったときの安定を考えると、3~5mmがおすすめです。
円板のサイズは、直径20mmから1mm単位で販売されているものもあるので、こちらも好きなサイズを選べます。
また、色付きのものもあるので、フィギュアのイメージに合わせた色を組み合わせても良いでしょう。
アクリル円板をどのくらいの大きさにするかは、そのフィギュアのサイズやポージングで変わってきます。
目安としては、安定しているポージングをしたフィギュアであれば直径50mmくらい、それよりも大きいサイズのものでも直径70~80mmくらいで収まります。
しかし、これはあくまでも目安なので、実際に厚紙などで円板を作るなどして、バランスを確認することをおすすめします。
フィギュアをアクリル台座に飾る
アクリル台座にフィギュアを飾るときには、すでに台座がついているもの外しておきましょう。
また、フィギュアに台座用に突き出ている部分がある場合には、カッターなどで切り落とし、平らにします。
ここで活躍するのが、ミュージアムジェルです。
ミュージアムジェルは、その名の通り、博物館などの貴重な展示物を固定するために使われているジェルです。
ガラスや陶器をはじめとして、フィギュアやプラモデルなどを棚に固定するときに使います。
使いたい量を手に取って、手で丸め、固定したいものに付け、ギュッと押し付ければ完成です。
フィギュアの足裏に、このミュージアムジェルを貼りつけ、ジェルを押し付けるようにしてアクリル円板に立たせます。
そのまま、30分ほど放置すればしっかり固定できます。
余分なジェルがはみ出してしまった場合は、カッターなどで削ぎ落としても良いですし、そのままにしておいても透明なので目立ちません。
剥がすときは、ジェルが付いている部分をひねるようにすれば、簡単に剥がれます。
なお、ジェルを使うときは、ホコリなどが混じらないように注意してください。
また、アクリル面やフィギュアも予め汚れを取ってから、ジェルを付けるようにしましょう
もっと本格的にフィギュアのアクリル台座を作りたい!
すでに市販の台座を使って立っているフィギュアを、アクリル台座に変える場合についてご紹介しましょう。
アクリル円板の台座に変えると、スペースが確保されますし、飾ったときに統一感が出るので、ライトアップしたときもきれいに見えます。
では、作り方を見ていきましょう。
この方法は、フィギュアを台座に留めておく基部を複製する方法です。
今回は、扱いやすい「型取くん」という商品を使うことを前提にお話ししていきます。
この「型取くん」は、熱を加えるとやわらかくなり、冷えると固まる性質があります。
①フィギュアを外し、台座とフィギュアを繋いでいた基部を出します。
②「型取くん」をドライヤーで温め、やわらかくします。
③基部にやわらかくなった「型取くん」を盛り付けていきます。
このとき、「型取くん」の塊を押し付けるのではなく、細かくちぎりながら盛り付けましょう。
④約1時間ほど冷まし、完全に固まったら基部から外します。
⑤できあがった型に透明レジンを流し込んで、基部の複製を作ります。
ドライヤーで温めた「型取くん」は、熱いので手袋をして作業してください。
フィギュアのアクリル台座を仕上げる
基部の複製ができたら、バリを取り、紙やすりなどできれいに整え、真鍮線やアクリル棒で軸打ちします。
アクリル円板に穴を開け、複製した基部を取り付け、フィギュアをアクリル円板の台座に立たせたら、完成です。
アクリル円板に穴を開けるときには、電動ドリルなどを使って開けてください。
ドリルによっては、アクリル専用のビットが販売されている製品もあります。
使いやすいものを選んでみてください。
基部の複製を作らずに、フィギュアに直接軸打ちをしてアクリル円板に立たせる方法もあります。
いずれにしても、台座の直径を数cm小さくできれば、かなりのスペースを確保できるでしょう。
また、地震対策として、台座の下にミュージアムジェルを使うと、より安定してフィギュアを飾れるのでおすすめです。
自作のアクリル台座でフィギュアを飾ると統一感が出る
市販の台座を使ってフィギュアを飾るもの良いですが、アクリルなどを使って、自作の台座を作ると統一感が出てきれいに飾れます。
そして、台座を小さくすることで、スペースの確保ができます。
今回はミュージアムジェルを使った簡単なものと、複製を作る本格的なものをご紹介しました。
持っているフィギュアに合わせて使い分けてみてください。