新築の住宅では和室を作らないという人も増えているそうです。
しかし、旅館に泊まったとき和室があるととても安心感を覚えますよね。
日本人であれば、和室に安らぎを感じる人がほとんどなのではないでしょうか。
安らぎの和室を作るためには、照明がとても大切な存在です。
天井から明るくする照明だけでなく、間接照明を上手に活用しましょう。
スタンダードな和室の天井照明は2種類
近年の日本の住宅は洋風化が進み、和の建築様式で家を建てる人が減っているといわれています。
しかし、畳の部屋には洋室にない魅力があり、家の中に一部屋は和室を作りたいと考えている人も多いでしょう。
和室に入ったときの、独特のい草の香りには癒されます。
床の間があるような伝統的な和室も良いのですが、リビングの一部を小上がりの畳スペースにするのが洋室ともマッチするので人気が高いようです。
また、和室や畳スペースで迷うのが照明です。
天井照明を付けることが多いと思いますが、どのような照明が和室に合うのでしょうか。
天井照明には大きく2種類あります。
●ペンダントライト
天井から吊り下げて照明器具を付けます。
照明器具のデザインによって、部屋全体を明るくしたり、スポットライトのように一部だけを照らしたりすることができます。
スポットタイプのペンダントライトは、部屋の一部しか照らせないため、ほかの間接照明とあわせて使うことが多いタイプです。
●シーリングライト
照明器具を天井に直接取り付けるタイプのものです。
高い位置から部屋を照らすため、部屋全体を均一に明るくしてくれます。
薄い形状で天井に馴染むため、部屋をすっきりと見せてくれます。
天井照明にも和の素材を取り入れよう
天井照明であるペンダントライトやシーリングライトは、洋室やほかのスタイルの部屋にも使われている一般的な照明です。
いろいろなデザインのものがあり、和室に合わせて作られたデザインのものもなかにはあります。
どのようなスタイルにも合わせられる、シンプルなデザインのものでも良いのですが、和室に取り付けるのであれば和の素材を使ったデザインのものを選んでみましょう。
和紙を使ったペンダントライトは、モダンでありながら和室にも合うのでおすすめです。
和紙を通した光がやわらかく室内を照らし、和の雰囲気を壊しません。
ほかにも、竹や木などの自然素材を使った照明は和室と相性が良いです。
もうひとつの提案として、和モダンの照明はいかがでしょう。
畳の部屋にあえてモダンな照明を付けることで、大正ロマン風のインテリアにできます。
このとき間接照明を活用するとさらに雰囲気が出ます。
このように、どのような和室の雰囲気にしたいのか、を考えて照明を選びましょう。
和室をどのように使う?間接照明も取り入れて
和室の照明を選ぶポイントとして、もうひとつ「部屋の用途」があります。
部屋の用途によって取り付ける照明は大きく異なります。
●リビング
一日の中でも過ごす時間が長く、子どもや高齢者が一緒に過ごすこともある場所です。
また、来客をもてなす場として使われることもあるでしょう。
和室をリビングとして使うのであれば、汎用性の高いシーリングライトがおすすめです。
さらに、調光・調色機能が付いているものであれば、場面に合わせて使い分けられます。
●客間
和室を客間として使っている家は多いでしょう。
客間であれば落ち着いた雰囲気にするため、ペンダントライトがおすすめです。
天井に設置するタイプの照明だけでなく、置き型の照明や間接照明を取り入れるのも良いでしょう。
落ち着いた雰囲気を作れば、お客さまにもリラックスしてもらえます。
壁や天井を照らして光を拡散させる間接照明
和室の照明は、基本的にシーリングライトかペンダントライトを取り付ける人が多いと思いますが、和室の雰囲気を出すためには間接照明が欠かせません。
間接照明とは、明かりを壁や天井に当てて、光を拡散させることによって空間を照らす照明の手法のことです。
日本では、昔から行灯(あんどん)や灯篭(とうろう)など、直接明かりを見せない照明が使われてきました。
薄暗さの中に趣を感じていたのかもしれませんね。
間接照明は、明かりがどこから出ているのか直接見えないという点が、空間をおしゃれに演出してくれます。
照明の数によって明るさを調整でき、雰囲気を随時変更することが可能です。
また、明かりが直接見えないため、目に不快なまぶしさを感じることがなく、リラックスして過ごせます。
ただ、ひとつの照明だけで部屋を明るくすることができないため、いくつかの照明を設置しなければならないという欠点もあります。
照明を隠すという工夫が必要になるため、建築費も普通の照明よりも高くなるといわれています。
そのほかにも、しっかりと室内を明るくできないため、勉強や読書には向いていないという点もあります。
フロアライトを置くだけでも間接照明
いくつかの欠点はあるものの、間接照明はくつろぎやおしゃれな空間を作り出す照明として、近年人気が高まっています。
すでにシーリングライトやペンダントライトが取り付けられている和室であっても大丈夫です。
手軽に間接照明が楽しめる方法として、フロアライトやフロアランプを置くという方法があります。
和紙や竹など、和の素材を使ったフロアライトであれば、和室の雰囲気にも合います。
メインのシーリングライトを点灯させず、フロアライトのみの暗めの照明にすると落ち着いた空間に早変わりです。
フロアライトはデザインも豊富で安価なものもあるため、すぐに試せる間接照明としておすすめです。
ほかにも間接照明の効果的なテクニックはあります。
それは壁や天井を照らすという方法です。
壁や天井の一部を照明で照らすことによって、光が当たる部分と当たらない部分のコントラストができます。
このコントラストが空間に立体感を生み、ただの壁や天井をドラマティックに変えてくれます。
この方法は、見えないような位置にスポットライトを設置することで、簡単に和室に取り入れられるでしょう。
和室に似合うデザイン性の高い和の間接照明
それでは、簡単に和室に間接照明を取り入れられるおすすめの照明器具をご紹介します。
●イサムノグチ/AKARI
伝統工芸である岐阜提灯との出会いによって生み出された「AKARI」は、近年でも世界中で愛され続けている名作として知られています。
AKARIにはさまざまな種類がありますので、和室の雰囲気に合わせて選ぶこともできます。
おすすめは、天井からつるすペンダントライト「AKARI 37D」です。
和紙と竹で作られた球状の照明が、和室をやさしく照らしてくれます。
37D(Φ38cm)は日本の住宅でも使いやすい大きさで、人気が高い製品です。
このシリーズにはスタンドタイプもありますので、お好みで使い分けてください。
●HIYOSHIYA/KOTORI
京都で和傘を製造している老舗が、新しい照明を生み出しました。
京和傘の職人が作る、伝統的かつ新しい形の照明です。
和傘の構造を活かし開閉できる仕組みになっていて、収納性も高いです。
日本の伝統色を再現したカラーも豊富で、ビビッドでありながら懐かしい雰囲気を持ちます。
和傘の和紙から透ける明かりは、やわらかに和室を照らしてくれるでしょう。
ペンダントライト、テーブルスタンド、フロアスタンドの商品バリエーションがあります。
間接照明で和室を活かす
一時期、畳の和室は「古い」というイメージから人気があまりありませんでした。
しかし、日本独特の文化である和室に再度魅力を感じている人も徐々に増えているようです。
和室ならではのにおいや安心感は、ほかの居室スタイルでは感じることができません。
なかなかおしゃれな空間にならない、というのであれば今回ご紹介した間接照明を取り入れてみてください。
ただの和室が、和カフェのような空間になるかもしれませんよ。