新築で16畳のLDKは狭い?家族が快適に過ごすための方法とは

最終更新日:2019/06/02

新築を建てる時、LDK(リビングダイニングキッチン)を採用する方もいることでしょう。

そして、LDKは家の主役ともいえますから、個室や水回りを狭くしてもLDKだけは広くしたいと考えるのではないでしょうか。

ここでは、一般的に選ばれやすい16畳のLDKは狭いのか広いのか、家族が快適に過ごすための方法と併せてご紹介します。

16畳のLDKは狭い?広い?丁度良い?

新築を建てる場合、平均的なLDKの広さはどれくらいなのでしょうか。

もちろん個人の好みがありますし、家族の人数や家の立地など条件によっても大きく変わります。

例えば、都内に夫婦で住んでいる場合は12畳くらい、地方で大勢の家族と住んでいる場合には続き間で30畳くらいあるということもあるでしょう。

しかし、一般的には家族3~4人くらいで住む住宅を建てる時に、16~20畳くらいのLDKが多いと考えられています。

ただし、広くて十分だといえる理想的なLDKのサイズは22畳以上とも考えられているため、16畳は平均的な広さとはいえ、狭いと感じている方も多いということになります。

しかし、16畳という数字だけでは本当に狭いのかということはあまりよく分からない方も多いでしょう。

そこで、キッチン、ダイニング、リビングで分けて考えてみると、全体像をつかみやすくなります。

一般的なキッチンが4~5畳とすると、残りは11~12畳です。

ダイニングとリビングでさらに半分にすると、それぞれが5.5~6畳になります。

この広さになれば、大体の大きさの感覚は掴むことができそうです。

6畳程度の広さにダイニングテーブルを置いたら、また残りの6畳に応接セットを置いたらどれくらいのスペースが残るのかと考えると、少し手狭な印象ではないでしょうか。

これが、ダイニングセットと応接セットのどちらか一方ならば、決して狭いとは感じないことでしょう。

さらに、LDKの形が長方形なのかL字なのかで受ける印象はかなり変わります。

16畳は、形と家具の配置など使い方次第で、広くも狭くもなるサイズだということになります。

16畳のLDKではキッチンの形が重要!

16畳のLDKでは広く使うも狭く使うも自分次第だということになりますが、具体的にどこをどのようにしたら広く快適に使うことができるのでしょうか。

そこで、まずはキッチンの形を考えてみましょう。

前項で一般的なキッチンは4~5畳くらいだと述べましたが、キッチンの形によってサイズは異なりますので、LDKに使える広さも変わってきます。

例えば、壁付けキッチンの規格は奥行きが65cmというのが一般的です。

キッチンボードはどの家でも必要になると考えますが、それでも置く場所によってお部屋を広く使えるようなレイアウトを自分で考えることができます。

近年主流になっている対面式キッチンの場合、キッチンの作業スペースや引き出しなどの開閉スペース、通路などの幅を取る上に、造作壁の分が5cm程度プラスされるので、壁付けキッチンよりも明確にリビングダイニングが狭いと感じられます。

造作壁だけではなくカウンターも付ける場合には、奥行きが75~100cm程度になることもあるので、ますますリビングダイニングを圧迫することになります。

さらに、人気の高いアイランドキッチンの場合には、水はねや油はねを考慮することで、さらに奥行きが増えることや、キッチンの両サイドが通路になっていることを考えると、最も大きく場所を取ることになります。

このように考えると、16畳のLDKを最も広く使えるのは壁付けキッチンとなり、アイランドキッチンはあまり向いていないと考えられます。

広さだけを考えると壁付けキッチンがおすすめですが、収納スペースもきちんと取りたい場合や、すっきりとまとめたい場合には、対面式キッチンがおすすめと考えられます。

16畳のLDKにはどんな家具を置くことができる?

さて、キッチンの形が決まったら次は家具について考えてみましょう。

16畳のLDKにダイニングテーブルと応接セットを両方置くと、かなり手狭な印象になることは述べました。

しかし、応接セットではなく小さめのソファにするなどサイズを考えれば、一緒に置いてもそれほど圧迫感はなくなります。

ただし、ダイニングテーブルとソファを置くのならば、その他の家具は最小限に抑える必要があります。

一般的にテレビとテレビ台は必須とすると、あとはコンパクトなチェストくらいにしたほうが無難です。

一方でダイニングテーブルか応接セットのどちらかに限定するのなら、16畳のLDKでもかなり広く使うことができます。

L字のコーナーソファなど大きめのものを選んだとしても、4畳半~6畳弱くらいの空きスペースを取ることができるでしょう。

空きスペースにはおしゃれな飾り棚を置いたり、デスクを置いて書斎コーナーを作ることもできそうです。

お部屋をスッキリと広く見せるには、作り付けの家具も効果的です。

最初からお部屋のレイアウトを考えておき、壁一面にテレビ台を兼ねた壁面収納を備え付ければ、収納量が増える上にお部屋を広く見せることができます。

窓などの位置関係で壁面収納が難しければ、ローボードを作ってテレビ台の代わりとし、ボードの下へバスケットなどを使った収納をしても良いでしょう。

狭いLDKでは収納の有無で使い勝手が大きく変わりますので、新たに家具を増やすよりも空いている壁を使ってラックを作るなど上手に空間を利用しましょう。

16畳のLDKには床座生活がおすすめ

16畳のLDKでは、コンパクトなダイニングテーブルとソファならば置けるということを述べましたが、狭いLDKを最も広く使う方法としては床座生活がおすすめです。

床座生活は「地べた生活」ともいい、ダイニングテーブルや応接セットを排除して、その名の通り床へ座って生活する昔ながらのスタイルのことです。

床座生活がおすすめの理由は、ダイニングテーブルなどの大きな家具を置かずに済むことと、天井からの距離が遠くなることです。

狭いお部屋を広く見せる方法として、家具を低めに揃えることは実践されている方も多いでしょうが、自分自身も低い位置にいることで頭上の空間が広くなり、よりお部屋を広く感じることができる効果があります。

また、小さな子どもがいるならば、高い家具を置いているとよじ登ってしまう可能性も考えられます。

ときには、転倒してしまう危険性もあるため、このようなリスク回避という意味でも大きなメリットとなるでしょう。

また、こたつを好む方や床暖房を採用している住宅では、より床座生活のメリットが際立ちます。

一般的なエアコンとダイニングセットの組み合わせでは、足元が冷えてしまうことが多いものです。

床暖房の床で直接座布団やクッションを敷いて座ったり、こたつでのんびりするのは日本ならではの冬の楽しみ方ともいえるでしょう。

床に直接座るのは疲れてしまったり、足が痛くなるから苦手だという場合には、脚がないロータイプのソファがおすすめです。

ロータイプのソファはこたつの近くに置いても違和感がありませんし、食事の時だけは床に座り、くつろぐ時はソファで休むという使い方だとのんびりできるでしょう。

狭いLDKを視覚的に広く見せる方法とは

ここまでは、キッチンの形や家具を使って狭いLDKを広く使う方法について述べてきましたが、狭くなるのは承知でアイランドキッチンを採用したり、大きな家具を使いたいということもあるでしょう。

そのような場合でも、できるだけお部屋を広く見せるためには、どのようなことができるでしょうか。

ここでは、狭くなってしまった16畳のLDKを視覚的に広く見せる方法をいくつかご紹介します。

まずおすすめしたいのは、天井に勾配や吹き抜けを作ることです。

前項で述べましたが、天井との距離が遠いとお部屋は広く見えますので、勾配天井や吹き抜けで頭上の空間を大きく取ってLDKを広く見せてみましょう。

また、お部屋に鏡を置くのも効果的です。

例えば、ダイニングテーブルの横などに大きめの鏡を置くと、小さなダイニングテーブルでも横長の大きなテーブルに見せることができます。

家具など全体的に淡い色を使って、アクセントに濃い色味を入れるのも良いですね。

さらに、キッチンを対面式にしているならば吊り戸棚は付けない方が広く見えます。

対面式でも壁はガスコンロやIHの前だけとして、シンクの上がスッキリとしていればそれ程圧迫感がありません。

もし、LDKと隣接するお部屋があるのならば、入り口は2枚引き込み戸などにして視線が抜けるようにしましょう。

そして、扉や戸枠を天井近くまで上げると、照明も届きやすいことからより広く見せることができます。

ちょっとしたコツで実際よりもお部屋を広く見せることは可能なので、床だけではなく天井まで全てのスペースを有効に使うようにしましょう。

16畳のLDK広くする前に!狭いからこそのメリット

新築では、土地の広さや予算を考えてLDKの広さを決めることが多いものです。

自分の家の条件に合うのは16畳LDKだとしても、家族の人数やリビングの形などでやはり狭いと感じてしまうこともあるかもしれません。

そんな時に、間取りや予算を変えてでもLDKを広くしようかと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、その前に一度16畳LDKのメリットを考えてみてはいかがでしょうか。

・冷暖房の効率が良い
・掃除をしやすい
・どの位置からでもテレビが見やすい
・ものを増やさずに済む

狭いお部屋というのは、決してデメリットだけではありません。

お部屋は広ければ広いほど冷暖房が効きにくくなるものですし、機器本体の値段も高くなります。

また、LDKを掃除する時にあまりに広いと毎日ストレスに感じてしまうかもしれません。

さらに、LDKの形にもよりますが、16畳程度ならばダイニングやキッチンにいてもテレビを見ることができるでしょう。

2世帯以上で同居している大家族のような場合ならばLDKを広くすることに意味がありますが、家族がそれほど多くない場合には16畳のLDKの方がメリットを多く感じる場合もあるのです。

ちょっとした工夫と考え方で快適な家は作れる!

16畳のLDKは、一般的な人数の家族ならば工夫次第で広く快適に使えることが分かりました。

新築を建てる時は、どうしても理想通りの家を建てたいと気持ちが大きくなってしまうものです。

しかし、予算や立地など条件によっては思い通りにいかないこともたくさんあります。

「狭いから」と諦めてしまうのではなく良いところを探して、新築での新しい生活を快適なものにしましょう。