RC造の住宅というものをよく目にすることがありますが、「RC造とは何なのか、はっきりわからない」という人も多いのではないでしょうか。
今回は、RC造とは何か、RC造の構造の特徴、メリットやデメリットなどをご紹介しつつ、多くの人が気になる「住宅の遮音性」についてお伝えしていきます。
遮音性は、RC造の壁厚が深く関係していることが多いので、RC造の壁厚についてもご紹介していきます。
RC造住宅とはどんな造り?
そもそも、「RC造の住宅がどのような構造になっているのか」ということについてご紹介していきます。
rcは「Reinforced Concrete」の略で、鉄筋コンクリート造のことを指します。
鉄筋とコンクリートを使っているのが特徴です。
住宅を建築する際に、まず鉄筋で骨組みしていきます。
その後、鉄筋を型枠で覆っておきます。
この型枠が建物の柱などのサイズです。
また、この型枠組みは壁厚にも関係してくる作業工程となっています。
そして、その型枠にコンクリートを打設し、組み上げていきます。
RC造の特徴の1つとしては、鉄筋とコンクリートがお互いの弱点を補い合って、より強度を高めているところにあります。
鉄筋の特徴としては、引っ張る力に強く、錆などの腐食に弱いということが挙げられます。
それに対しコンクリートは、圧縮に強く、鉄筋骨組みを取り込むことで、鉄筋を空気に触れさせず錆の発生を防ぐことができます。
これにより、非常に高い強度を実現しています。
実際に、過去の震災でも住宅の倒壊などの被害が最も少なかったものの1つに、RC造の住宅が挙げられています。
さらに、現在ではRC造の住宅の建設も多くなっていて、目にする機会も多くなりました。
最近では多くの住宅がRC造!そのメリットとは?
RC造の住宅のメリットについてご紹介していきます。
上記でも記載しましたが、現在では多くの住宅の建築がRC造を採用しています。
それだけ多く採用されるということは、得られるメリットも大きいということです。
まずは、今回のテーマでもある遮音性の高さです。
壁厚の程度にもよりますが、基本的にRC造の住宅は遮音性の高いものが多くなっています。
そして、耐震性の高さが挙げられます。
こちらも上記で触れましたが、過去の震災での実績があるので、安心感も非常に高くなっています。
最近では、震度7の地震が発生しても、建物が倒壊しないほどの強度を誇るものまで造られています。
また、RC造は耐震性の他にも、耐火性も高くなっています。
コンクリート自体の耐火性が高いこともあり、RC造の住宅は火災にも強いということが挙げられます。
このように、RC造の住宅には、多くのメリットがあります。
特に安全性については非常に高くなっていて、人間が生活していく上では、非常に心強い造りであることがわかります。
RC造住宅のデメリットについて考える
次に、デメリットについて考えてみましょう。
ものごとには、良いところと悪いところがあります。
RC造の住宅のデメリットには、どんなものが挙げられるのでしょうか。
まず挙げられるデメリットは、鉄筋とコンクリートという重量物を使った建築方法なので、建物自体の重くなります。
そのため、建物を建てる際に、地盤が弱いところでは建築することが難しくなります。
そこで、「地盤改良」という工事が別途必要になることがあるでしょう。
これは、地面を掘り返し、掘り返したことで出た土などにセメント材などを加えて、地盤を固めていく作業になります。
この作業を行なうことにより、RC造の重みに耐えられる地盤を作ることができます。
デメリットとしては、この工事を行なうために建築のコストがより高くなる、ということです。
また、木造などの建築方法と比べると、工期も長くなります。
そのため、新築の場合は「ある程度の期間が必要になる」というデメリットも挙げられています。
その他、「RC造は遮音性が高い」という思い込みもデメリットと言えます。
必ずしも遮音性が高いわけではないことを、今回壁厚などとの関係性でお伝えしていきます。
しかし、RC造は、それらのデメリットを遥かに上回るメリットがあり、現在多く採用されています。
「RC造の住宅に住みたい」と考えている人も多くいるのではないでしょうか。
壁厚と遮音性の関係は?
一般的には、壁厚が厚いほど遮音性は高くなります。
RC造の住宅には、様々な壁厚があるので、遮音性を気にするのであれば、厚い壁の住宅を選ぶ必要があります。
壁のコンクリートの厚さが、180mm以上であれば、基本的に遮音性は高いと言えます。
しかし、その住宅によっては、耐久性を上げるために、「構造スリット」と呼ばれる狭い隙間を設けている場合もあります。
その場合は壁の厚さが180mm以上であっても、その隙間から音が漏れていってしまうことがあります。
また、壁の仕上げ方によっても、音が伝わりやすくなってしまうこともあります。
石膏ボードとコンクリートの間に、空間を残すように造られる二重壁という工法があります。
この工法の住宅の場合は、石膏ボードとコンクリートの間を音が反響し共鳴して、「太鼓現象」という現象が起こることがあります。
その場合は、完全に遮音性が高いとは言えなくなります。
このように、RC造であっても壁の作り方などによって遮音性は大きく変わります。
RC造の壁厚はどのようになっている?
RC造住宅の壁厚は、基本的に「下地なしで100mm以上であれば良い」というように建築基準法で定められています。
相場よりも低い賃貸マンションなどの場合には、この最低限の壁厚で建築されている住宅もあったりするので、その場合だと必然的に遮音性も低くなってしまいます。
逆に、相場よりも高い賃貸マンションなどの場合には、壁厚が厚いものを採用している場合があるので、遮音性についても高くなっていることがあります。
つまり、RC造であっても、その建築方法や、施工時の壁の厚みは様々であるということになります。
安いマンションでは、最低限の建築基準で作られていることで、遮音性の低いRC造住宅があることも珍しくありません。
このことから、家賃なども確認して部屋を選びをしていくことが重要になります。
RC造=遮音性が高いと一概には言えないので注意しましょう。
遮音性を気にするなら壁厚に注目しよう!
上記でも触れましたが、RC造の住宅であっても壁厚が薄い場合には、RC造でも遮音性が期待できないということになります。
一般的に住宅の壁厚は、150mm~200mmとなっていて大きな差があります。
また、壁の材質などによっても遮音性は大きく変わります。
遮音性を気にして住宅を選ぶのであれば、RC造であるかどうかということと、その住宅の壁厚はどれくらいなのか、ということも確認するといいでしょう。
RC造と表記されている物件の中には、壁はコンクリートではなく、石膏ボードと木材で作られている場合もあります。
これは、基準を満たしていればRC造であると表記してもいいことになっているからです。
壁がコンクリートではない住宅は、もちろん高い遮音性は期待できません。
遮音性を気にする場合には、住宅の壁厚に加えて、材質も確認するようにするといいでしょう。
遮音性は壁厚や材質で確認しよう!
快適な生活を送る上では、生活音などがあまり響かない、聞こえない住宅のほうが、もちろん住みやすいです。
RC造なのか木造なのかで住宅を選ぶことも大切ですが、遮音性を気にするのであれば、住宅の壁厚であったり、壁の材質に注目してみてください。
RC造は遮音性が高いとは一概に言えないということを意識して、条件に合う住宅を選んでみてはいかがでしょうか。