引っ越しや模様替えなどで、カーペットを固定していた両面テープがべったりくっついていて、困ってしまうことがありますよね。
特にカーペットとフローリングを固定している場合、下手に剥がすと両方を傷めてしまう危険性もあります。
両面テープの構造や基本的な剥がし方を根底に、カーペットの両面テープの剥がし方について考えます。
身近なものを使った剥がし方も取り上げていますので、是非参考にしてみて下さい。
カーペットの両面テープを剥がす前に!まずは構造を知っておこう!
カーペットがずれないように、フローリングなどに両面テープを使って固定されている方も多いと思います。
しかし、しっかりした粘着力のある両面テープほど、剥がす時には苦労するものですよね。
ここでは、フローリングに貼り付けたカーペット固定のための、両面テープの剥がし方について考えてみましょう。
まず、より的確な剥がし方を考えるうえで、両面テープの構造を理解しておきましょう。
一般的な両面テープは、紙や布、不繊維、プラスチック、ゴムなどの様々な支持体を粘着剤で上下から挟み込み、表面に剥離ライナーがついた4層構造になっています。
剥離ライナーというのは両面テープの粘着剤を守っている、剥離剤代わりのツルツルの紙のことです。
この構造からも分かるように、両面テープは裏表をくっつけるために粘着剤が2層になっているので、剥がす時にはカーペットとフローリングの両方に気を配らなければなりません。
また、剥がしたテープの跡が、カーペットの裏側とフローリングの両方に残ることも考慮しなければいけません。
カーペットの両面テープを剥がす前に!基本的なテープの剥がし方を知っておこう!
基本的なテープの剥がし方をご存知でしょうか。
もちろん、貼られている場所や、貼られていた時間によっては、簡単に剥がれないこともあります。
テープを剥がす時は、「剥がす速度」と「剥がす角度」の2点に注意しましょう。
まず、「剥がす速度」ですが、こちらはとにかく、端からゆっくりと剥がすことが重要です。
間違っても、ベリベリッと勢いよく剥がさないようにしましょう。
カーペットを固定している両面テープを剥がす場合、フローリングが傷つく可能性があります。
次に、「剥がす角度」ですが、剥がす方向側の角度が30°ぐらいの鋭角になるようにするのがポイントです。
カーペットでしたら、フローリングに対して約30°の角度で引っ張ることになります。
鈍角や直角方向に引っ張ると、フローリングの表面まで一緒に剥がれてしまうこともケースもあるため、気をつけましょう。
この2点に注意することで、カーペットとフローリングを接着した両面テープを綺麗に剥がせる確率が、格段にアップするといわれています。
カーペット裏側についた両面テープの剥がし方
カーペットとフローリングを固定してしまうと、そう頻繁にテープを剥がしたり、貼り直したりすることはないでしょう。
何年もずっと貼り付けたままでいると、両面テープを剥がす際に、しっかりくっついた粘着剤に手を焼くことになります。
ここでは、カーペットの裏側にべったりとついてしまった、両面テープの粘着剤残りの剥がし方についてまとめてみましょう。
テープの粘着剤残りを剥がすといいますと、市販のシール剥がしなどが頭に浮かびますが、このような溶剤といわれる薬液を使った方法は、カーペットの裏側に使用することはあまりおすすめできません。
シール剥がしをはじめとする溶剤は、溶けてカーペット内部にまで染み込み、毛足などを傷めてしまうともいわれています。
剥がし方の手順ですが、まずはじめに、氷でカーペット裏側の粘着剤が残っている部分を冷やします。
少し時間をおいてから、冷えて固まった粘着剤の糊の大きなかたまりを金属櫛などを使って取り除きます。
次に、ドライヤーを使ってしっかりと残っている粘着剤の部分を温めます。
その後、当て布をした上からドライヤーの冷風で冷やし、固まった糊を剥がすという作業を繰り返します。
こちらが、カーペットに残った粘着剤の大部分を剥がす、一般的な方法といわれています。
フローリングに残った両面テープの剥がし方
フローリングに残ってしまった両面テープはどのように剥がせばいいでしょうか。
前章でも触れましたが、カーペットを固定するためにしっかり貼られた両面テープを力任せに引っ張ることは、フローリングに大きな傷をつくる原因にもなります。
長い間くっついていた両面テープを、スルッと綺麗に剥がすことは難しいということを念頭に入れて、丁寧にゆっくりと、根気よく作業を進めていきましょう。
剥がし方の手順ですが、ここでもドライヤーを使います。
まず、ドライヤーの温風で残ったテープ部分を温めます。
古くなって硬化した粘着剤をドライヤーの熱で緩めることで、テープがより剥がしやすくなります。
また、テープを剥がし終えた後の、フローリングに残ってしまった粘着剤には、市販の「テープ糊剥がし専用スプレー」が効果的です。
こちらのスプレーは、粘着剤を瞬間冷却させ、硬化させてもろくすることで剥がしやすくするタイプがおすすめです。
ホームセンターや、通販などで購入することができますので、準備しておくといいですね。
このようなスプレーを使っても残っている、しぶとい粘着剤跡は、ラッカーやシンナーなどの溶剤で拭き取ると綺麗に仕上がります。
身近なものも使える!フローリングに残った両面テープの剥がし方
前章で取り上げた「テープ糊剥がし専用スプレー」や、ラッカーやシンナーといった溶剤がなくても、身近なものを利用して、カーペットを固定している両面テープの剥がし残りを綺麗にすることができます。
ここでは、お手軽にできる、フローリングに残った両面テープの剥がし方についてまとめてみます。
1つ目は、料理用のお酢です。
キッチンペーパーにお酢を染み込ませたものを、両面テープ部分に重ねて、少し時間をおいてからゆっくり剥がしていきます。
キッチンペーパーの上からラップを重ねると効果的といわれていますが、匂いが少々きついので、しっかりお部屋の換気をしておきましょう。
2つ目は、中性洗剤です。
残ってしまった両面テープの粘着剤部分に塗布し、10分ほど放置した後、ヘラなどを使って擦り落とします。
中性洗剤に含まれる界面活性剤に、粘着剤部分を浮き上がらせる効果があるといわれています。
3つ目は、消しゴムです。
両面テープを剥がした後に、残った粘着剤だけを取り除く場合におすすめです。
残った粘着剤の上から擦るだけですので、とても簡単です。
どれもご家庭ですぐに用意できるものですので、使いやすいものから試してみて下さい。
剥がすことを前提にしたテープ選びを!
これまで、カーペットをフローリングに固定していた両面テープの剥がし方について、いくつかの方法を取り上げてきましたが、そもそも剥がしやすい両面テープというものはないのでしょうか。
やはり、両面テープの剥がし残りや、粘着剤跡が気になるという消費者が多く、メーカーでは「貼る時はしっかり、剥がす時は綺麗に」という商品開発は永遠の課題ともいわれています。
そんな中で、水分を与えることで粘着剤がゼリー化して剥がれやすくなるテープが、すでに流通され、高い評価を得ているようです。
また、粘着剤の中に熱で膨らむ物質が含まれ、アイロンやドライヤーを使うことで粘着剤部分が膨らみ、剥がしやすくなるといったテープが、実用化に向けて開発中ともいわれています。
実際に、ホームセンターなどでカーペット用の両面テープを探してみると、剥がしやすくフローリングなどの表面に負担をかけにくいことをウリにしている商品も、多数出回っているようです。
しっかりと固定したい場所にこそ、剥がすことを念頭にした両面テープ選びが大切といえますね。
カーペットの両面テープは根気よく丁寧に剥がそう!
1度貼ると、頻繁に剥がすことがあまりないのが、カーペットとフローリングを固定する両面テープです。
カーペットの裏側にくっついた粘着剤や、フローリングに残った両面テープの剥がし方はいくつかありますが、どれも根気がいるものです。
さらに、カーペット自体やフローリングを傷めない気配りをしつつ、丁寧な作業を心掛けましょう。
また、溶剤などは、小さい範囲内で試してから使用するようにしましょう。