ホテルや病院のベッドには、清潔なシーツが美しく敷いてあり、綺麗に見えますね。
看護や介護の現場でも、ベッドメイキングには褥瘡(じょくそう)予防の効果があると言われています。
ご自宅のベッドでも同じようにきちんとベッドメイキングしてみたい方のために、ベッドメイキングの方法をご紹介します。
4隅を三角に折る、基本的なベッドメイキングの仕方を覚えてみてください。
シーツにシワができにくい!ベッドメイキングのメリット
きちんとベッドメイキングすることで、見た目が美しいだけではなく、寝心地がよくなることや褥瘡を予防するなどのメリットがあります。
褥瘡とは、長時間同じ部分を下にして寝ていることを指します。
皮膚や皮下組織などが壊死してしまう状態で、一般的には「床ずれ」と呼ばれています。
看護や介護の仕事を志した方なら、ベッドメイキングの練習をしたことがあるでしょう。
正しいベッドメイキングによってシーツにシワが寄りにくくなり、寝返りを助けると同時に、局所的圧迫によるリスクをある程度回避することができます。
ただシーツを伸ばして適当にマットレスの下にしまいこむだけのベッドメイキングは、シーツが乱れやすくなります。
一方、シーツの4隅を三角に折りこむ方法でベッドメイキングをすると、シーツがずれにくくシワができにくくなるのです。
在宅で介護されている場合、正しいベッドメイキングの仕方を覚えることは役に立つでしょう。
寝相が悪くて、朝目が覚めるとシーツがクシャクシャになってしまう方も、しっかりしたベッドメイキングを行えば改善することがあります。
また、几帳面な性格の方は、美しくベッドを整えることで気分が晴れやかになるかもしれません。
それでは次項から、看護や介護の現場でも採用されているベッドメイキングの方法をご説明してきます。
シーツの畳み方
シーツの端を三角に折るベッドメイキングの方法をお伝えする前に、シーツの畳み方からご説明していきましょう。
というのも、きれいに畳んでシワのない状態になっているシーツがないと、ベッドメイキングは始められないからです。
介護の実習では2人で行いますが、きれいな床の上やベッドの上で行うことも可能です。
<シーツの畳み方>
1.上を表にしてシーツを広げ、中表になるように縦に二つ折りにします。
2.同じ折り方で、もう一度縦に二つ折りにします。
(シーツはとても細長い状態になります)
3.シーツの長さを半分に折ります。
後で開いた時にシーツの表が上に来るようにするために、表が内側になるように半分に折ってください。
(今までは細長く折っていましたが、ここでは長さを半分にすることになります)
4.長方形に折ったシーツの両端を、それぞれ中央に折ります。
一度中央で折り、その折れ目を目指して折ると分かりやすいでしょう。
両端というと分かりにくいかもしれませんが、ここでは細長く折るのではなく、長さを縮めるように折るということになります。
5.最後にもう一度、長方形の長さを縮めるように半分に折りましょう。
「3」で述べたように、シーツの表を内側に内側に折っていく流れになります。
シワができないように、端と端をしっかりと合わせつつ折り畳んでいきましょう。
ベッドメイキングの手順!三角に折りこむ基本の方法
では、ベッドメイキングの手順をご説明します。
1.ベッドの上の毛布や枕をどかし、シーツを取り外します。
シーツを取るときには、上に持ち上げるようにするのではなく、マットレスの下から抜いたら、コロコロとまるめるようにまとめていきましょう。
ホコリがたちにくく、次に敷くシーツをより清潔な状態にすることができます。
もしマットレスパッドも使っている場合には、ここで清潔なマットレスパッドを敷いておきます。
2.ベッドの上に、畳んであるシーツを置きます。
置く場所はベッド中央です。
正しい方法で畳んであれば、そのまま広げていくだけでシーツの表が上に来るはずです。
枕元に、マットレスの下に折りこめるくらいの分を残し、後は足元に伸ばしてください。
3.マットレスの頭側にシーツをしまいこみます。
そして、角を三角に折りこみます。
(くわしい折り方は後述します)
4.シーツの頭側の両隅を三角に処理したら、シーツを足元まできれいに張りながら、側面をマットレスの下にしまいこんでいきます。
頭側から少しずつ、折りこんでいってください。
5.足元のシーツも頭側と同様に処理します。
頭側だけ三角に折っても大丈夫?ベッドメイキングの注意点
看護や介護でベッドメイキングを行う場合、下に敷くシーツは1枚だけではなく、横シーツや上シーツ、防水シーツなども使用します。
そうすると、さらに手順が複雑になりますが、ご家庭でシーツをきれいな状態に敷きたいという目的であれば、さきほどの方法で十分でしょう。
ベッドの4隅のうち、頭側の2隅だけを三角に折りこみ、足元は四角に折る方法でもいいかもしれません。
どちらかがしっかりと固定されていれば、シーツがシワクチャになるようなことはないでしょう。
また、他の注意点としては「換気しながら行うこと」「新しいシーツを汚い場所につけないようにすること」などが挙げられます。
それでは次項では、気になる「三角に折る方法」をご紹介します。
シーツを三角に折る方法
ベッドメイキングで「マットレスの隅を三角に折りこむ」ということを、イメージしにくい方もいると思いますが、意外と簡単な方法です。
シーツの頭側をマットレスの下にしまった後、側面に垂れ下がっているシーツを、まずはマットレスと平行になるように足側に引きます。
マットレスの頭側を向いて立った時に、左側の隅を処理する場合には、左手で引きましょう。
そして、右手でマットレスと垂直方向にシーツを持ち上げます。
頭側から30cmくらいはなれた位置で持ち上げるとやりやすいでしょう。
このようにすることで、シーツの脇線がマットレスに対して直角になります。
マットレスを横から見たときに、台形になるように持ち上げている状態です。
この時、右手に持っているシーツをマットレス上に置けば、三角の形ができると思います。
次に、台形の、ベッドの下に垂れているほうを、マットレスの下に折りこんでください。
そして、あいた左手で今度はマットレスのサイドを押さえ、その手に被せるようにして右手のシーツをベッドのサイドに降ろしていき、マットレスの下にしまいこみます。
※左手でマットレスのサイドを押さえないと、コーナーにシワができてしまいます。
ベッドメイキングは慣れれば上達!簡単なメイキング方法で時短
マットレスの4隅を三角に折りこむ時には、シワができないようにシーツを伸ばすことが必要ですが、グイグイ引っ張りすぎても全体的に乱れてしまいます。
どのくらいの力加減で引っ張るのかは難しいですが、何度も練習しているうちにコツをつかんで覚えていけるでしょう。
くり返し行うことで素早くきれいにできるようになります。
簡単なベッドメイキングしかできない場合には、ベッドの頭側と、どちらか片方のサイドに垂れ下がったシーツをまずマットレスの下に折りこみ、次に残りの辺のシーツを折りこむ方法でもいいでしょう。
具体的にご説明すると、まずは頭側、右(もしくは左)サイド、左(もしくは右)サイド、そして足元の順でシーツをしまいこんでいきます。
最後に足元のシーツだけ丁寧に整えて、しっかりとマットレスの下にしまいこむと、これだけでも崩れにくくなります。
向かい合う辺、つまり頭側と足元、そして両サイドという順番で行うよりもシワができにくく、見た目がすっきりします。
美しくベッドメイキングして寝心地のいいベッドに!
看護や介護の現場で行われている基本的なシーツの畳み方や、ベッドメイキングの方法をご紹介しました。
ベッドの隅を三角に折ることで、シーツにシワが寄りにくく、崩れにくくなります。
シーツがクシャクシャにならなければ寝返りしやすいですし、寝心地もよくなります。
また、時間がないときに便利な簡単なベッドメイキングの方法もご紹介しました。
ぜひ試してみてください。