「一生に一度の買い物」と言われるマイホームには、さまざまなこだわりが詰まっていることでしょう。
もちろん、家そのものの顔になる外観もオシャレにしたいですね。
好みやこだわりを重視しつつ、周囲の環境との調和や、メンテナンスのことなども考える必要があります。
そこでこの記事では、外観を決める際の注意点と、オシャレな建材をご紹介します。
家の印象を決める!外観の「色」を選ぶ際の注意点
家の外観を考えていく上で、外壁の色と建材選びはとても重要なものです。
ここでは、外壁で人気の色の特徴と、色を選ぶ際の注意点を見てみましょう。
■爽やかな白・ベージュ系
色を反射させる効果があるため、家を明るく演出してくれます。
しかし、汚れが目立つデメリットがあります。
白やベージュ系の外壁の場合は、定期的なメンテナンスが欠かせません。
■高級感のある黒
汚れが目立ちにくく、高級感のある落ち着いた雰囲気を演出してくれます。
しかし、紫外線を吸収してしまうため室内の温度が上がりがちです。
また、周囲の環境と馴染まないケースもありますので注意が必要です。
■屋根とのバランス
屋根は下から見える面積が少ないですが、屋根の色と外壁の色とのバランスで外観の印象が変わります。
外壁とともに屋根の色も検討し、配色を決めましょう。
■付帯部とのバランス
外壁を決める際には、サッシや玄関、ベランダ、雨どいなどの色味も必ずチェックしましょう。
全体的なバランスが保てていることが重要になります。
次項からは、オシャレな外壁に使われることの多い建材をご紹介していきます。
普及率NO.1!「窯業系サイディング」が選ばれる理由
ここからは、オシャレな家の外観でよく見かける建材の特徴を見ていきましょう。
選ぶ建材によってかかる初期費用も、将来的にかかるメンテナンスも大きく異なるので、しっかり比較をして検討することが大切です。
まずは「好み」かどうか、そして「費用」と「将来的なメンテナンス」といった点に注目してみましょう。
それでは、オシャレな外観で使われていることが多い5種類の外壁をご紹介します。
まずは、【窯業系サイディング】です。
窯業系サイディングは、セメント質と繊維質を原料とし、板状に形成した外壁材です。
費用・機能性・デザイン性に優れているため、現在の住宅の7~8割に使われています。
シンプルなものから、まるで本物のようなタイル調や石目調など、カラーとデザインが豊富にあります。
窯業系サイディング自体の耐用年数は10年前後とされていますが、継ぎ目に使用するコーキングは5~7年経つと劣化が見られはじめます。
コーキングが劣化すると目地から水が染みたり、隙間ができたりする恐れもあるので、早めのメンテナンスが必要になります。
建築家も好む!「金属系サイディング(ガルバリウム鋼板)」でオシャレな外観
続いてご紹介するのは、【金属系サイディング(ガルバリウム鋼板)】です。
金属系サイディング(ガルバリウム鋼板)は、金属板と発砲プラスチック系の断熱材によって構成された外壁材です。
意匠にこだわりのある建築家が好んで使うことも多く、独自のデザイン性でオシャレな外観を演出することができます。
特に、シンプルでスタイリッシュな外観が好みの方におすすめです。
表面は水分を吸収しない特徴があり、耐水性・耐凍害性に優れています。
また、金属を使用しているにもかかわらず軽く、錆に強いため、長い間(10~20年程度)メンテナンスの必要がありません。
デメリットとしては、ほかの外壁材と比べて初期費用が若干高めなことが挙げられます。
また、表面が薄い金属でできた素材ということもあり、傷がつきやすく、少しの衝撃で凹みやすいデリケートな建材です。
傷や凹みは容易には直すことができないので、注意して扱う必要があります。
「モルタル」で個性を出した家づくり!味わい深いオシャレな外観を実現
次に、【モルタル】を塗り付けた外壁をご紹介します。
サイディングが普及する以前は、モルタルの家が主流でした。
「セメント」と「砂」と「水」を混ぜ合わせたもので、その原料はすべて不燃性であるため、万一の火災の際もモルタルから有毒ガスが発生する心配がありません。
モルタルは、塗り方次第で波模様を付けたり、穴をあけたり、ビー玉を埋め込んだりと、味わい深い個性を出したオシャレな外観にすることができます。
また、繋ぎ目がないため、窯業系サイディングのようにコーキングが劣化する心配がありません。
しかし、モルタルの場合「クラック」と呼ばれるひび割れは付き物です。
小さなクラックは問題ありませんが、大きなクラックが起きた場合、雨水の侵入率が高まるため修繕が必要になります。
また、月日が経つにつれ防水性能が低下したり、汚れが目立ちやすいなどのデメリットが挙げられます。
モルタルの初期費用は比較的安価ではあるものの、定期的なメンテナンスが必要であり、長期的に見ると修繕費用がかさむこともあると覚えておきましょう。
高性能な「ALC」は高価!?デザインパネルでオシャレな外観
続いて、【ALC】パネルが使われた外壁をご紹介します。
ALCとは、内部に気泡を入れて軽量化したコンクリートで、耐火・強度・遮音・断熱などの性能が優れているため、一般的な家はもちろんのこと、高層ビルやショッピングセンターなどの外壁にも用いられています。
大手ハウスメーカーでは、ストライプやタイルやレンガなどのデザイン加工を施したデザインパネルがあり、意匠性が高くオシャレな外観を演出できるものも多くあります。
工場成形のパネルであり品質レベルが保たれてはいるものの、繋ぎ目のシーリングが重要になります。
また、ALCパネル自体に防水性がないため、現場での塗装によって防水機能を持たせることになります。
ALCの耐久性は50年前後と言われていますが、優れた機能を長年にわたって維持するには、シーリングや塗装のメンテナンスを繰り返し行うことをおすすめします。
また、ほかの建材に比べて平米当たりの単価が高額であるので、その点も十分に検討する必要があります。
高級感と存在感のある「タイル」でオシャレな外観を演出!
最後にご紹介するのは、【タイル】張りの外観です。
高級感と存在感のあるオシャレな外観の家にしたい方は、候補に挙がる建材でしょう。
デザインが豊富なため、組み合わせを変えたりすることで、理想とする外観のイメージに近づけることができます。
また、高温で焼き固められているため、物をぶつけても傷がつきにくく破損しにくい強度があり、将来的なメンテンナスもほとんど必要ないというメリットがあります。
しかし、デメリットとして初期費用が高額であることが挙げられます。
窯業系サイディングと比べると2倍近い初期費用が掛かります。
また、日当たりが悪い部分では苔が発生してしまうこともあるので、定期的な洗浄を行うなど、メンテナンスする必要があります。
さらには、施工する職人さんの腕によって仕上がりの見栄えや耐久性が変わってくるので、施工を依頼する際は、業者選びには特に注意するようにしましょう。
外観選びは「好み」「費用」「メンテナンス」が重要
オシャレな外観で人気の建材を5種類ご紹介しました。
それぞれの特徴はお分かりいただけたでしょうか。
外観は、家のイメージを決める大切な要素なので見た目も重要ですが、将来的に必要になるメンテナンスや費用のことまで考えることが大切です。
また、外観を決める際には、屋根や付帯部とのバランス、そして周辺の環境との調和も重要になります。
どのような外観の家に住みたいのか、全体的なイメージを持って検討してみてください。