ロフトのあるお部屋に憧れる方は、決して少なくありません。
ロフトは秘密基地のようで子供から人気も高いため、新築で家を建てる時に子供部屋にロフトを付けてあげたいと考えるご両親はたくさんいらっしゃるでしょう。
しかし、便利に見えるロフトは意外にデメリットも多いのです。
新築で子供部屋にロフトを付ける場合にはどのような使い方をするべきか、また作る前に考えるべきことも併せてご紹介します。
新築でロフトを作るなら明確な使用目的を決めよう!
新築の家にロフトを作る時には、子供部屋でなくても使用目的をはっきりと決めるようにしましょう。
「なんとなくスペースを増やした」「あっても邪魔ではないから」など、目的なくロフトを作ってしまうと、結局使わなくなって後悔することにもなりかねません。
ロフトというのは新築であれば好きなように作れるのではないかと感じてしまいますが、実は思っている以上に細かい決まりがあります。
・ロフト部分の天井高が140cm未満であること
・ロフトの面積は、その階の床面積に対して1/2未満であること
このように、代表的なものに関しては知っている方も多いことでしょう。
しかし、他にも「ロフト部分の直下の天井高が210cm以上」であることや、「床の仕上げが畳や絨毯でないこと」など、思いがけない決まりがあります。
ロフトはあくまでも「小屋裏物置等」という区分ですので、居住スペースとして使える仕様にはなっていません。
そのため、少し作る場所やサイズなど間違えてしまうと、ロフトではなくお部屋として延べ床面積に含まれてしまう可能性もあるのです。
もちろん、作ってくださるハウスメーカーや工務店の方はプロですから、そのような間違いが起こることは滅多にないと考えて良いでしょう。
しかし、ロフトを作ると考える時には、決まりをしっかりと確認して「どれくらいの高さでどれくらいのものが作れるのか」ということや「それでも使う用途があるのか」ということを考えてみるようにしましょう。
子供部屋のロフトは寝室としては不向き?
それでは、早速子供部屋にロフトを作った時の使い道についてご紹介しましょう。
前述した通り、本来ロフトは居住スペースとしては考えないものですが、新築では居住スペースの一環として考えて作る方もたくさんいらっしゃいます。
その代表的な使い方が、寝室の代わりです。
お部屋が狭くてベッドでスペースを使いたくない場合に、ロフトにベッドやお布団を置いて寝室にしたいと考える方はたくさんいらっしゃるでしょう。
しかし、ロフトは寝室として使用するには向いていません。
ロフトは高い位置にあるため、夏場は特に温度が上がります。
エアコンがついていても、設置場所によってはロフトまで風が届かずに、冷たい空気は下へ落ちてしまうことが多いものです。
1年の内で暑い期間は決して短くありませんので、その期間を寝室として使えないのならあまり意味はないように思えます。
また、ロフトを寝室とする場合にはベッドのマットレスの換気や、お布団を干す時の上げ下ろしが大変になります。
マットレスは立てかけて換気をしますが、スペース的に難しいかもしれませんし、万が一バランスを崩してマットレスが落下してきたらとても危険です。
また、固定階段ならば良いのですが、梯子タイプの場合にはお布団を下ろす時に両手を使うことができずにとても不便に感じることでしょう。
小さな子供では、ロフトで眠ること自体が危険だとも考えられます。
ロフトを寝室として使用するのは、あまり向いているとはいえないでしょう。
子供部屋に大きな収納が欲しい!ロフトは活用できる?
寝室は難しいということであれば、本来の使い方である収納としてはどうなのでしょうか。
結論から先にお伝えしますと、お部屋にある程度のスペースがあるのならばロフトよりもクローゼットを造作したほうが使い勝手は良いです。
新築でロフトを作ると、最初は昇ることそのものが珍しく楽しみに感じる子供はたくさんいることでしょう。
しかし、毎日のこととなるとどうでしょうか。
ちょっとものを取りに行くだけで毎回階段や梯子を昇るのは面倒だと感じるかもしれません。
また、大人なら良いのですが、小さな子供が大きな荷物を持ったまま梯子を昇り降りするのはとても危険ともいえます。
ただし、収納として置くものの内容によってはロフトの設置も非常に便利なものになります。
例えば、子供部屋で使用する扇風機やストーブなどの季節ものに関しては、上げ下ろしの回数が頻繁ではないので大人がすれば問題はありません。
また、子供が幼稚園や小学校で作った制作物、使い終わった教材やおもちゃ、思い出の品など日常的に使うものではないけれど、捨てずに取っておきたいものの置き場としてロフトは広くて便利だといえます。
「クローゼットを作るスペースがないからロフトを作りたい」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、ロフトへ上がる階段や梯子も意外とスペースを取るものです。
ロフトを作ることでかえってお部屋を狭くしてしまうことにもなりかねませんから、お部屋の大きさと梯子の位置などをしっかりと決めてシミュレーションしてみると良いでしょう。
趣味の場所として使うならロフトはおすすめ!
子供部屋では寝室でも収納でも使用が難しいロフトですが、実は趣味の場所として使用する場合にはとても便利です。
趣味の場所といっても、ダンスなど身体を動かすことや、映画鑑賞やテレビゲームなどの場合にはロフトは不向きです。
十分な天井高がなく、高い場所で運動などをすることは危険ですし、ロフトは新築時にコンセントやテレビ用のジャックを付けることは禁止されているからです。
しかし、趣味が読書だったり、フィギュアやプラモデルなど、置くスペースが大きく必要なものの場合には、ロフトが非常に使い勝手が良いでしょう。
本というのは、好きな方はどんどんお部屋に増やしていって、減っていくということは少ないものです。
そこで、ロフトを書庫にしてしまえば、好きなように本を増やすことができます。
ただし、重量や置く場所などの危険性は考えるようにしましょう。
また、フィギュアやプラモデルのように作った後にそのまま飾るようなものの場合、お部屋だとあっという間にスペースがなくなってしまいます。
そこで、ロフトに陳列棚を置いて作業場兼飾る場所として使用してみてはいかがでしょうか。
お部屋で趣味のものを広げると、際限なくどんどんと広がってお部屋が片付かなくなることもあります。
しかし、ロフトを趣味の場所と決めてしまえば、その中でできる範囲できちんと片付けなどもできるようになるかもしれません。
新築で子供部屋にロフトを作る前に押さえておきたいこと
ここでは、新築で子供部屋にロフトを作る場合、事前に押さえておくべきことをご紹介します。
まず、ロフトはお部屋ではないのですが、だからといって工事費が安いというわけではありません。
およそ50~100万円くらいは掛かりますし、固定階段を設置すればその分費用は上がることになります。
それだけの費用を掛けても設置するべきかを考える必要があります。
固定階段はロフトの設置可能面積の中に含まれるものですので、広さは梯子のロフトよりも狭くなってしまいます。
使い方によって、固定階段か梯子かを決めておいたほうが良いでしょう。
また、前述した通りコンセントを設けることができないので、お掃除などの方法も事前に考えておくようにしましょう。
どうしても寝室として使いたいという場合や趣味の場所として使用する場合ですが、暑くてもエアコンは設置できないので他の方法で温度調節をする必要があります。
温度調節と、ホコリや湿気を逃すために換気口を設けたいところですが、窓などの開口部もサイズの規定がありますので、注意が必要となります。
さらに、ロフトを作る時には、子供の年齢も考えて落ちないような工夫が必要になります。
例えば小学生高学年の子供と低学年の子供では、危険に対する認識も運動能力も格段に違うからです。
子供が小さくて不安がある間は、ロフトのある子供部屋に子供一人で過ごさせるのは控えた方が良いかもしれません。
新築でロフトに置きたい便利なグッズとは
最後に、新築でロフトを作った時に使える、便利なグッズについてご紹介しましょう。
●充電式や乾電池使用のライト
ロフトは天気や時間帯によっては暗くなりやすい場所です。
子供部屋だと特に、目が悪くなるのではないかと心配になることもあるでしょう。
コンセントがないので、充電式や乾電池使用のライトがひとつあると便利です。
●サーキュレーター
暑い空気の溜まってしまうロフトの熱気を逃すために使用します。
できればお部屋とロフトで2台使うと、より空気が循環しやすくなります。
●ハンディクリーナー
ロフトへ掃除機を上げるのは大変なので、コードレスのハンディクリーナーがあれば重宝します。
子供が自分でも簡単にお掃除できるのでとても便利です。
●収納ケースや棚など
ロフトには造作棚を作ることができません。
そのため、何もない空間にあれこれと無造作にものを置くと、どこに何があるのか分からなくなることもありそうです。
必要に応じて棚や収納ケースを活用し、整理整頓をしてみましょう。
ここに挙げた以外にも、ロフトならではというグッズがあるかもしれません。
自分にとって便利なグッズを探して、快適にロフトを使いましょう。
ロフトを作るのなら思いきり活用しよう!
子供部屋にロフトを作ることは、メリットだけではありません。
しかし、それでもスペースを広げられることには、やはり大きな魅力があるものです。
安くはない工事費を掛けてロフトを作るのに、使われないスペースにしてしまうのはもったいないですよね。
ロフトを作ることを考える際は、思いきり活用できるように考えて作ってみましょう。