黒や白で揃えたモノトーンのお部屋は、スッキリと洗練されたイメージを与えます。
しかし、ただ黒で統一しただけのお部屋は、暗くて重い印象を与えることもあるでしょう。
ここでは、黒を基調としたお部屋をかっこ良くおしゃれにコーディネートする方法をご紹介します。
ポイントをしっかりと押さえて、素敵なお部屋作りを始めてみましょう。
お部屋に黒を使うのはどれくらいの割合が良い?
黒を基調としたお部屋をおしゃれに作るには、黒の割合を考えることが必要となります。
やみくもに全ての家具を黒にしてしまうと、重厚感はあるかもしれませんが、暗くて閉鎖的な雰囲気になってしまう可能性があります。
特に、小さいお部屋の場合にはより狭く感じさせてしまうこともありますので、大きめの家具やラグを白にするなどの工夫が必要となります。
一般的にお部屋を彩るカラーコーディネートは、天井や床、壁などのベースカラーが70%でメインカラーは25%程度だと考えられています。
天井と壁は白くて床はナチュラルベージュなど、ベースカラーが明るいお部屋ならばメインカラーの黒は基本的な割合の25%程度でも問題はないでしょう。
しかし、天井や壁に黒を採用しているお部屋だと、メインカラーである黒の配分は抑えた方が無難です。
カーテンやベッド、ソファなどお部屋の中でも大きな面積を占める家具を明るい色味にしたり、壁に掛ける絵画や時計を白系で統一するなどして、お部屋のトーンを下げすぎないようにしましょう。
どうしても家具に黒を多く使いたい場合には、シアタールームのように黒であることが前提のお部屋にして、間接照明などを上手に使うことでおしゃれに見せることもできます。
また、窓の大きなお部屋だと開放感も出せるので、黒を基調としたお部屋作りには向いているでしょう。
同じ黒でも素材や高さで雰囲気は変えられる!
お部屋をコーディネートする時にまず考えるのは、ベッドやソファなどの大きい家具を選ぶことでしょう。
家具の全てを黒にすることは閉鎖的になると述べましたが、選ぶ素材や家具の高さによっては明るめの雰囲気を出すことも可能です。
例えば、黒のベッドを選ぶ時にパイプのロフトベッドにすると、その高さと無機質なパイプが合わさってクールである一方、お部屋が暗く感じてしまうこともあるでしょう。
しかし、黒の木製フロアベッドを選ぶと、高さが低いことに木のあたたかみが加わり、やわらかい印象にすることができます。
ただし、ベッドの場合には寝具の色味で明るくすることもできるので、比較的どのようなベッドでも扱いやすいといえます。
一方で、ソファに関しては単体で使用するものなので、素材の違いで雰囲気は大きく異なります。
黒いレザーの光沢あるソファは、重厚感がある代わりに寒々しい印象を与えるかもしれませんが、ファブリック素材のリクライニングソファはふわふわとした形も相まって可愛らしい印象に見えます。
木製フレームに黒いクッションを敷いたソファならば、シックなのに寒々しさは感じないバランスの良さがあります。
黒い家具で統一する時には、このような素材の違いを考えてみてください。
お部屋全体を低い家具でまとめることで、圧迫感の少ないおしゃれなお部屋にすることができます。
黒のトーンを変えて明るめのコーディネートに
冒頭で述べたモノトーンというのは、一般的に黒と白を使ったコーディネートのことですよね。
しかし、黒と白だけのお部屋では明暗がはっきりしすぎて硬い雰囲気に感じられることもあるので、黒と白の中ほどにあるトーンのグレーを上手に使って明るい雰囲気のお部屋を作ってみましょう。
トーンは主に彩度や明度を表していますが、黒には彩度がない分モノトーンのお部屋では純粋に明るさを左右するものといえます。
黒の明度を高くすると、薄墨色や灰色とも呼ばれるグレーを経て白になります。
そのため、モノトーンのお部屋ではどの明るさのグレーを同じ空間で使っても違和感を感じることはなく、使い方次第では非常におしゃれに見せてくれるのです。
グレーと一言でいっても、ダークグレーやライトグレー、杢グレーなど様々な種類があります。
大きな家具をダークグレーで揃えると、黒ほどに暗くはならないけれど重厚感のある雰囲気は作ることができます。
一方で、黒よりも白寄りのライトグレーを使うと、さわやかで開放的な雰囲気のお部屋を作ることができるでしょう。
例えば、黒い天井に白いフローリングのような組み合わせの時には、ラグはライトグレーでソファを中間くらいのグレーにするなどのグラデーションを楽しむこともできます。
「黒を基調としたお部屋を作りたいけれど、暗くなりすぎないか心配だ」と思われる場合には、グレーの面積を広げて明るさのバランスをとってみてはいかがでしょうか。
黒に天然色を合わせた落ち着いたコーディネート
黒と白、さらにグレーを組み合わせると、モノトーンでもおしゃれなお部屋を作りやすいということは分かりました。
しかし、お部屋の雰囲気を明るくすることはできても、無彩色はどちらかといえば寂し気な印象になりますので、もう少し他の色も足してみたいと思う方は多いでしょう。
あくまでも黒を基調としつつ上手く他の色を足したいという場合には、アースカラーやエコロジーカラーなどの天然色を使用したコーディネートがおすすめです。
その中でも最も合わせやすいのは、やはり一般的な木製の家具に使われている茶系でしょう。
チェストやテーブルなどを木製のものに変えると、黒、白、グレーのどんな色の家具とも調和することができます。
ダークブラウンと黒ならば落ち着いたお部屋になりますし、ベージュや白木のような明るい色味と黒ならばスッキリとしてクールな印象を与えてくれます。
あるいは、ソファ以外の家具を全て黒やグレーで揃えて、あえてソファだけを天然色に変えてみるのも良いでしょう。
海を思わせるようなコバルトブルーのソファを置くと、目を惹く美しさと清潔感があってお部屋が涼し気な印象となります。
また、秋の落ち葉を感じさせるような深い赤やくすんだ黄色などのソファにすれば、無機質なお部屋の雰囲気が薄まって暖かみを感じさせてくれます。
「黒を基調としたお部屋にしたいけれど、少し落ち着かない」と感じる場合には、天然色で合わせると過ごしやすいお部屋となるでしょう。
黒のお部屋にかわいらしさをプラスしたコーディネート
黒を基調としたお部屋はクールでかっこ良いものですが、雰囲気としては男性的なイメージが強いものです。
しかし、女性の中にもモノトーンのお部屋を好む方はたくさんいらっしゃるでしょう。
女性でもシンプルなお部屋を好む方は、ここまでにご紹介した色の合わせ方でも良いのですが、少し女性的でやわらかい雰囲気を出したいという方にはピンクを合わせたコーディネートをおすすめします。
とはいえ、黒とピンクを基調とすると、白黒の組み合わせと同じで明暗がはっきりしすぎてしまい、少々落ち着かない印象もあります。
そのため、家具などは全体的に黒いものよりも、少しトーンを高くしたダークグレーや明るいライトグレーを採用した方がやわらかい印象になります。
グレーとピンクは洋服のコーディネートとしても合わせやすいものですが、華やかながら甘すぎない組み合わせが女性から人気を得ています。
お部屋は華やかすぎても落ち着かないものですし、地味すぎてもつまらないと感じることがあるでしょう。
その中間ならば、明るいピンクよりもスモーキーピンクのような落ち着いた色が使いやすい色となります。
例えば、テレビとテレビ台は黒でソファがグレーだとしたら、差し色としてピンクのクッションを置いてみてはいかがでしょうか。
クッションだけではシンプルなので、カーテンのような広い面積のインテリアアイテムもピンクにしてみることでお部屋の雰囲気は大分明るくなります。
お部屋を見回した時に少し寂しい印象を持たれた方には、ピンクの差し色がとてもおすすめです。
黒を基調としたお部屋に最適なアイテム
ここまでに何度も述べましたが、モノトーンのお部屋はクールでおしゃれに見える反面、無機質で寂しい印象もあります。
その寂しさを、大掛かりな模様替えなどではなく雑貨で埋めることができたら良いですよね。
ここでは、黒を基調としたモノトーンのお部屋におすすめしたいアイテムをご紹介します。
●観葉植物
観葉植物はどんなお部屋でもコーディネートしやすく、お部屋を明るくしてくれるとても優れたアイテムです。
明るい緑は見るものをさわやかな気持ちにしてくれます。
●クッション
クッションはベッドにもソファにも置くことができて、床でも使える万能アイテムです。
カラーバリエーションや形も豊富なので、差し色を入れたい時におすすめです。
●絵画
絵画であれば、お部屋の雰囲気を妨げることなく自由な色使いのものを選ぶことができます。
鮮やかな花の絵画を飾ると、華やかでパッと明るく見えるのではないでしょうか。
●見せる収納を使う
見せる収納として黒のアイアンハンガーやアイアンバスケットを使用してみましょう。
中に明るい色味のタオルを入れたり、アイアンハンガーに帽子やストールを掛けるだけでお部屋が明るくなります。
ただし、小物やファッションもモノトーンの方だと少し不向きかもしれません。
できれば明るい色味のものを使いたいですね。
黒は使い方次第でテイストを変えられる
黒はどのような色にも合わせやすいのですが、お部屋のメインカラーとなるとどうしても暗くなってしまってコーディネートが難しいと感じることもあるでしょう。
しかし、トーンを変えたり、差し色やアイテムを上手に使うことでどんな雰囲気のお部屋にもできます。
黒ばかりのお部屋をもう少しおしゃれにしたい時には、「クールにしたいのか」「可愛らしくしたいのか」で方向性を考えて、何かひとつプラスしてみるようにしましょう。