イギリスは「カーペット王国」として有名です。
玄関から廊下、階段、各部屋と、とにかく家中にカーペットがびっしり敷き詰められている家を多く見かけます。
時にはキッチンや浴室、トイレといった水回りまでカーペットという家もあるほどです。
これだけカーペットを多用すると掃除が大変そうですが、上手にケアし素敵なカーペットライフを実践している方は多くいらっしゃいます。
ここでは、イギリスのカーペット掃除テクニックの数々をご紹介します。
イギリスで普及率の高いカーペット!カーペットを使用する利点
掃除が面倒そうなカーペットですが、イギリスの住宅に多く使われるのは温かく柔らかな肌触りが好まれるからだと考えられます。
では、具体的にカーペットにはどんなメリットがあるのかを見ていきましょう。
●保温性・吸湿性・断熱性に優れ、冬温かく夏は爽やか
どこでも気軽に寝転べることができますし、床に肌が触れた時の優しい温かさが何と言っても魅力でしょう。
冬は保温性が確保でき、断熱性が高いので床暖房の効果もアップし省エネにも貢献します。
吸湿性が良く調湿作用があるので、素足で過ごす夏はサラッとした心地良さが味わえ、結露やカビ防止効果も期待できます。
●安全性が高い
クッション性があり、子供やお年寄りが転んでも柔らかく受け止めるので安全です。
滑りにくい点は妊娠中の方にとっても安心材料となるでしょう。
●ダニなどハウスダストの飛散を防ぐ
埃やダニを固着させ、空気中に舞い上がりにくくするので、フローリングよりかえって衛生的です。
●優秀な防音性
音を吸収するので、寝室など部屋を静かに保てます。
近隣への生活騒音を軽くするので、特にマンションなど集合住宅では気兼ねなく過ごせます。
●デザイン性が豊か
カーペットはデザインや色も豊富なので、部屋をより楽しく演出できます。
イギリス風にカーペットを楽しむ!上手にケアする掃除法
イギリスではカーペットを適切に掃除し、居間を快適に保っている例が多く見られます。
カーペットを掃除するなら、天気の良い日の朝から行うのが理想的でしょう。
まずは上手にケアする基本的なポイントを挙げます。
●日常的なお手入れ
最初に厚手のゴム手袋をはめて目立つゴミをかき集めます。
粘着クリーナー(コロコロ)は、カーペットを傷めるので避けたほうが無難です。
その後掃除機をかけますが、こまめに毎日やるのが基本です。
週に1~2回は吸込み口にブラシが付いた掃除機をかけ、カーペットの裏面もバキューミングします。
●定期的なお手入れ
熱いお絞りなどを使った拭き掃除は月1度やると効果的です。
中性洗剤や食器用洗剤を使いますが、目立たない部分でまず色落ちテストをしてから行います。
カーペットの繊維に薄めた洗剤液を浸み込ませしばらく置いた後、固く絞った雑巾やお絞りで洗剤が取れるまで叩くように拭きます。
その後、乾いたタオルなどで水分を拭い、ドライヤーを当てたり、日陰干しにするなどでしっかり湿気を取ります。
半年に1度、スチームクリーナーをかけるのもおすすめです。
スチームアイロンやスチームモップの蒸気をあて、カーペットのダニ駆除をする方法もあります。
カーペットをクリーンに保つコツは?イギリスに学ぶ応急手入れ法
カーペット多用の国イギリスですが、やはり食べこぼしなどカーペットを汚してしまうことは日常的に多いものです。
まずは素早く拭き取りますが、その後水分を含ませた布などに汚れの成分を移していくのが汚れ落としの基本です。
汚れの裏にも布などを当てるとより効果的でしょう。
汚れ別にいざという時の掃除法をご紹介しておきます。
●水溶性の汚れ(お茶・コーヒー・ジュース・血液・ペットの尿など)
乾いたタオルやティッシュなどでまず拭き取り、ぬるま湯+薄めた食器用中性洗剤を含ませた雑巾を固く絞って上から叩きます。
染みが取れたら水拭きして洗剤を除去し、乾いた雑巾などで十分水気を取ります。
●油性の汚れ(化粧品・油性インク・マヨネーズなどの食品の油)
ベンジンを含ませた布で叩くように汚れを拭き取ります。
その後は水+薄めた中性洗剤を使い、水溶性の汚れと同じ手順で汚れを落とします。
●不溶性の汚れ(泥・埃・墨など)
よく乾かしてから、繊維に入り込んだ汚れの粒をブラシなどで叩き出すように除去します。
イギリスでも活躍!より綺麗にする掃除法
●カーペット掃除には消臭効果のある重曹でスッキリ
重曹が不向きな種類のカーペットもあるので、メーカーに確認したり、目立たない場所で変色しないかどうか確かめます。
重曹をカーペットに振り掛けた後、ゴム手袋ですりこんで1時間~半日ほど放置し、念入りに掃除機をかけます。
または、スプレー容器に水カップ1と重曹小さじ2~3杯を入れて溶かし重曹水を作り、カーペットに薄くスプレーします。
やはりゴム手袋で撫で付けた後、固く水を絞った雑巾で十分に拭き、最後に掃除機で吸い取ります。
●手軽に使えるカーペットクリーナーも人気
イギリスで有名なのはVanishというカーペットクリーナーで、ごく一般的なお馴染みの商品です。
パウダー状の中身をカーペットに振り掛けてなじませ、その後掃除機をかけるだけでOKという簡便さが受けています。
日本でも様々なメーカーから、ダニ除け用などのカーペット用シャンプーが販売されています。
●弱ったカーペットを復元するには
スチームアイロンの蒸気を当てて弱った部分の毛を立たせた後、目の細かい金属製の櫛でほぐすと良いでしょう。
髪の毛をブラッシングする要領で、注意深く優しく行います。
ペット用のノミ取りブラシやタワシも使い勝手が良いようです。
進化するカーペット!掃除面でのデメリットも改善されてきた
最近ではカーペットの短所をカバーした、掃除しやすい商品も増えてきました。
●防汚加工を施したカーペット
イギリスの綺麗好き達を満足させる、仕様もごく一般的になってきたようです。
●使い勝手がよい化学繊維のカーペット
軽量・丈夫で手入れが楽な上、湿気を含みにくいので、夏場も快適です。
たとえばナイロンは耐久性が高く遊び毛を抑えてクリーンですし、アクリルは帯電しにくいのが重宝します。
ポリプロピレンは汚れの付着が軽くて済む点が長所です。
●防ダニ加工がされたカーペット
アレルギー対策にも貢献し衛生的です。
●驚くほど日々進化している「多機能カーペット」
防炎機能付きのもの、抗菌・防臭カーペット、洗濯機で丸洗いできるものまで多種多様です。
置き敷きタイプのタイルカーペットは部分的に取り外して洗えるので、手軽にクリーンな状態を維持できる注目アイテムです。
日本のメーカー品も優れたものが数多く発売されているので、用途に応じた商品を選んで採用すると便利でしょう。
カーペットにはどんな掃除機がいい?
イギリスの文化に習ってカーペットの魅力をお伝えしてきましたが、カーペットを使うとなると掃除機も気になるところです。
優れものの掃除機があれば、カーペット掃除はラクラクこなせます。
最後に日本で人気の代表的な掃除機とアクセサリーをご紹介しましょう。
●ダイソン
少々値段は張りますが、圧倒的な吸引力の高さが頼もしいイギリス発祥のブランドです。
使い勝手のよいコードレスタイプやパワフルなキャニスタータイプがあり、高い評価を博しています。
目的別に非常に豊富にラインナップが揃っているので、じっくり選んでみるとよいでしょう。
●スイトル
シリウスが発売している部分汚れ用のクリーナーヘッドで、手持ちの掃除機に取り付けて使います。
水を噴射させつつ汚れを吸引できる世界初の画期的な商品として注目されています。
ダイソンなど多くの掃除機への取り付けが可能な、水洗い専用掃除機アクセサリーです。
●掃除用ロボット
アイロボット社のルンバは特に有名で、他メーカーからもロボット掃除機は各種発売されています。
サイズが小さいこともあるため、ゴミを溜めるタンクの容量が小さいということで、十分に掃除しきれずカーペット掃除には不向きとの声もあります。
便利に使えるので人気はありますが、スペックをよく確認した上で導入を検討するのが良いでしょう。
イギリスのカーペットの掃除術をマスター!カーペット生活の良さを堪能しよう
カーペット生活の歴史が長いイギリスですが、その掃除テクニックには学ぶところが多いですね。
正しいケアさえ日々積み重ねていけば、カーペット暮らしは長所が多くかなり快適と言えます。
見た目も美しく高級感を出せるのも魅力の1つですし、機能的で豊かな生活をエンジョイできるのは嬉しいものです。
便利なグッズや掃除アイテムを駆使して清潔さを保つ一工夫をぜひ実践してみましょう。
カーペットを今より積極的に部屋に取り入れることで、ワンランク上の居心地良さを味わってみてはいかがでしょうか。