最近、よく眠れていますか?
もしくは、疲れが取れない、首や肩や腰に痛みを感じる、といった体調の変化はありませんか?
もし、そういう症状があって特に思いつく理由がなければ、それはベッドのマットレスのせいかもしれません。
ベッドマットレスにもやはり寿命があります。
それを超えて利用すれば、睡眠の質がどんどん落ちてしまいます。
ここでは、なかなか気がつきにくいベッドマットレスの寿命、スプリングや詰め物の寿命についてご紹介しましょう。
ベッドマットレスの寿命は長くて10年程度!
ベッドマットレスの基本的な寿命を決めているのは、スプリングに使われているワイヤで、硬鋼線(こうこうせん)と呼ばれる線材です。
マンガンや炭素の含有量などによって硬さや耐久性が変わり、「SWRH82B硬鋼線A種」というような書き方で、ベッドマットレスのタグに表示されていました。
これを見れば、ベッドマットレスのだいたいの寿命が判断できるようになっています。
・SWRH82A硬鋼線~SWRH87B硬鋼線:8年から10年
・SWRH72A硬鋼線~SWRH77B硬鋼線:4年から9年
・SWRH62A硬鋼線~SWRH67B硬鋼線:1年から4年
しかし、残念なことに平成30年4月1日からベッドマットレスの品質表示方法が変わり、線材の種類が掲載されなくなりました。
つまり、平成30年4月以降は、ベッドマットレスの感触や寝心地で寿命を判断するしかなくなったということになります。
あとは、買う時に店員さんに確認するか、値段で判断するしかありません。
線材の品質は値段に影響します。
数万円程度のベッドマットレスで1年から4年、7万円前後で4年から9年、それ以上の高級品で10年程度というのが、おおよその目安になるのではないでしょうか。
そもそも「ベッドの寿命がきた」とはどういう状態を指すの?
ベッドマットレスは、なかなか買い替えようと思わないものの1つかもしれません。
何となく使えますし、捨てるために動かすのもなかなか大変です。
案外、いつ買ったかも覚えていないものではないでしょうか。
確かにベッドマットレスの寿命は、スプリングの材質のランクで決まります。
だいたいの年数の目安もありますので、できれば買った年を覚えておいてほしいものです。
しかし、使う人の体重や使い方、部屋の環境などでも寿命は変わりますので、年数と同時に寝心地にも注意を払う必要があります。
では、寿命がきたとは、どんな状態になった時のことなのでしょう?
簡単にいうと、「ベッドマットレスがへたった時」です。
へたるとは、寝具として機能しなくなってきたということ。
具体的には、
・マットレスの中央部分が明らかにへこんで見える
・横たわると身体が沈み込む
ということです。
他にも、スプリングがギシギシ音を立てるとか、スプリングが背中に当たって痛いとか、色々な兆候があります。
少しずつ、ご紹介していきましょう。
ベッドマットレス(スプリングと詰め物)の寿命と体調の関係は?
スプリングタイプのベッドマットレスは、スプリングで眠っている人の体重を支え、ウレタンや綿などの詰め物で寝心地を調整します。
そんなベッドマットレスの中央部分が目に見えてへこんでいるとすれば、明らかに詰め物に寿命がきているということです。
つまり、へたってきた、ベッドとしての機能が落ちてきたという意味です。
ベッドマットレスがへこんでいると身体が沈み込んでしまいますので、寝返りが打ちにくくなります。
寝返りは無意識のストレッチだといわれ、適度な寝返りは快眠の条件です。
もし寝ている間に身体が動かしにくければ、寝返りを打とうと無意識に頑張ってしまい、眠りが浅くなったり夜中に目が覚めたりしがちです。
しかも、寝返りの回数が必要以上に増えてしまいますから、これも睡眠を邪魔してしまいます。
一方、見た目は大丈夫でも、横たわると不自然に身体が沈み込む場合も同じです。
ベッドマットレスの寿命は、普通は中央部分、つまり腰の位置から始まります。
詰め物のへたりと共に、スプリングもへたってきた可能性があります。
毎晩腰が落ち込み、背骨が不自然に曲がった状態で寝続けていると、腰痛や肩こり・首のこり・頭痛その他の原因になります。
もちろん、寝返りも打ちにくいのでぐっすり眠ることが難しくなります。
スプリングのきしみは「寿命がきた」のお知らせ音!
ベッドマットレスの寿命は、スプリングのきしみでも判断できます。
ベッドからギシギシ音が聞こえる時、本体から音がしているのであれば、接続部分のネジを調節して直すことができます。
しかし、音がベッドマットレスの中から聞こえてくるようであれば、スプリングが原因です。
スプリングから音が出るのは、スプリングのワイヤがこすれるからです。
問題なのは、
・スプリングのへたり
・スプリングの錆び
の場合です。
ベッドも使えば消耗しますし、経年劣化もあります。
海辺や湿気の多い地域では、他より早く錆びてしまうこともあります。
この場合、わざわざ表地をはいでスプリングを交換するのは現実的ではありません。
同様に、スプリングにオイルをさすのも難しい話です。
結局、スプリングのきしみ解消には、ベッドマットレスを交換するしかないのです。
もちろん、ベッドマットレスの上で飛び跳ねたり、ベッドの規格に合わない体重の人が寝たりして一時的に音が出るのは、何の問題もありません。
スプリングが背中に当たるのはもう寿命を超えている!?
ベッドマットレスの寿命、というより寿命を超えた状態にあるのが、スプリングが背中に当たる場合です。
目に見えて出っ張っている場合はもちろん、横たわると背中に感じるという場合です。
これは、主に詰め物や外側の布が使っているうちにこすれて薄くなり、抑える力がなくなって起きる現象です。
スプリングが原因の場合は、隣同士つながっているボンネルコイルのベッドマットレスなら、中でワイヤが切れている可能性も考えられます。
スプリングが1つ1つ袋詰めされているポケットコイルタイプなら、包んだ袋が破れているのかもしれません。
また、経年劣化の他に、縫製の甘いベッドマットレスでもたまに起こることがあります。
いずれにしても、スプリングが背中に当たれば眠りを妨げますので、ベッドとしての機能は著しく低下しています。
さらに、これを放っておくと、スプリングが布を突き破って出てくる可能性があることも覚えておくといいでしょう。
普段は「少し触る」程度でも、ベッドの上で飛び跳ねたり、勢いよく倒れ込んだりして1ヶ所に大きな力がかかると、布が一気に破れるかもしれません。
たまに、「飛び出してきたスプリング大怪我をした」という海外のニュースを耳にします。
日本でそこまで使い込む方は少ないかもしれませんが、注意は必要です。
「ベッドマットレスが身体に合わない」と感じるのも寿命なの?
何年か同じベッドで寝ていると、何となくマットレスが合わないと感じる時があるものです。
特にへたりやきしみもなく、「寿命がくるにはまだ早いのに」と思う場合は、逆に使う人の体調変化が原因かもしれません。
ベッドマットレスは、寝ている方の身体を支えるために作られていますので、体重に合わせて硬さを調整してあります。
例えば、硬さ表示のないベッドマットレスは標準体重の方向け、柔らかめ・普通・硬めの3段階で表示があれば、体重が軽め・標準・重めの方を想定しています。
そして、身体の沈み込み方はスプリングの強さと体重に左右されます。
仮に、新人のスポーツ選手が普通の硬さを選ぶと、身体が出来上がるのに従って体重が増え、寝返りが打ちにくくなるかもしれません。
逆に、硬めで調度よかった方が病気などで体重が激減した場合、硬すぎて腰が浮いた状態になりかねません。
また、加齢や運動不足などで身体の柔軟性が低下してくると、スプリングの強さで居心地の悪さを感じるものです。
このような場合、ベッドマットレスの寿命がくるのはまだまだ先です。
もしそれが一時的な変化なのであれば、ベッドパッドやウレタン製のマットレスを1枚加えて様子を見ましょう。
しかし、もし長引くようであれば、これも1種の寿命と考えて処分したほうがいいかもしれませんね。
ベッドマットレスの寿命サインは買い換えのお知らせサイン
ベッドマットレスの寿命は長くて10年ですが、その間、詰め物のへたりやスプリングのきしみなど、色々な「買い替え時」サインを送ってくれています。
そのサインに気が付かず放っておくと、次は自らの身体で肩こりなどのサインを発することになりかねません。
もし、今お使いのベッドマットレスが10年以上経っていたら間違いなく寿命を超えています。
是非健康な毎日のために、早めに買い替えてくださいね。