賃貸にお住まいであれば、部屋を汚したりキズつけたりしないように暮らしていることが多いのではないでしょうか。
しかし、壁紙や壁に落ちない汚れがついてしまい、「退去する時に張り替えになったらどうしよう」とお悩みの方もいるでしょう。
ウォールステッカーを長期間貼っていたら、剥がしにくくなってしまったり、剥がし跡がついてしまうこともあります。
壁紙の汚れや壁の穴については、修繕費用がかかる場合と、そうでない場合があります。
汚れ対策とあわせてご説明しますので、参考にしてください。
うっかり壁紙につけてしまった汚れ!修繕費用はかかるの?
筆者の個人的な経験ですが、賃貸の部屋の引き戸の木目が壁紙だということに気が付かずに、テープでポスターを貼り付けたことがあります。
「貼って剥がせる粘着テープ」のようなテープではなく、普通の両面テープです。
その結果、ポスターを剥がそうとしたら引き戸に貼ってある壁紙まで剥がれてしまい、非常にショックをうけました。
また、キッチンの壁紙に調味料が飛んでシミができてしまったり、子供がおもちゃをぶつけて壁に穴が開いてしまったりしたこともあります。
賃貸の壁や壁紙は、あまりにも汚れていたりキズがついていたりすると、退去時に修繕費用を請求されることになります。
契約期間が長かったり、もともと古い物件だったり、貸主との良好な関係性を築けていることなどで、修繕費用がかからないケースもあるようですが、できる限りキレイな状態でお返ししたいものですね。
一般的に、修繕費用を請求されるのは、「常識的な範囲内での掃除やメンテナンスをしていなかった」「わざとキズをつけた」というケースです。
家具を長期間置いていたことによる床のへこみや、冷蔵庫の裏の壁紙に頑固な汚れがついてしまったときなどは、貸主負担になることが多いでしょう。
退去時に修繕費用がかかる!壁紙の引っかきキズやヤニ汚れ
賃貸で退去時に修繕費用を払うように求められる理由としては、下記のことが挙げられます。
・ペットの引っかきキズや染みついた臭い
きちんと管理して飼育していれば防げるとも考えられるキズや臭いについては、借主が負担することが多いでしょう。
猫の爪とぎで壁紙がキズだらけになっていたら、すべて張り替える必要があるかもしれません。
場合によっては、壁紙の下までキズついていることもあり、退去時の費用がかさむ可能性があります。
また、消臭スプレーでも効果がないような、ひどい臭いがついてしまった場合にも、壁紙の張り替えやクリーニング費用がかかることがあるでしょう。
賃貸の壁紙はキレイな状態を保とう!
壁紙が汚れたりキズがついてしまって、賃貸の退去時に高額な修繕費用を請求されることがないように、定期的に掃除したり、汚れがないかチェックする必要があります。
ペットが爪とぎをしても壁紙にキズがつかないように保護シートを貼ったり、キッチンなどの汚れやすいところにも汚れ防止シートを貼っておきましょう。
汚れてしまったら、すぐに掃除することが重要です。
早く掃除すれば落ちる汚れも、長期間放置すると落ちない汚れになってしまうかもしれません。
重曹1、水9の割合で薄めた液体を汚れたところに吹きかけ、雑巾などで拭き取れば、黄ばみが落ちてくれることがあります。
重曹は、コゲ落としや油汚れにも効きますし、消臭効果もありますので便利なアイテムです。
さらに、カビ対策も大切です。
壁紙にカビを発生させないように、部屋の湿度に気を配りましょう。
特に洗面所や脱衣スペースにはカビが発生しやすいので、こまめに換気したり、除菌シートで拭き掃除をしたり、湿気除去剤を置いて対策を行ってください。
賃貸で退去時に悩む!住んでいた期間も関係
賃貸の退去時に、修繕費用が請求されるのか、「経年劣化」とみなされるのか、判断しにくいことがあるかもしれません。
さきほど、経年劣化なら貸主負担だということを書きましたが、この基準はあいまいで、ケースバイケースだと考えられます。
たとえば「画鋲などでできた小さな穴」や、「日焼け跡」、「電気焼け」などの点で、原状回復の義務があるかないか、分かりにくいことがあるでしょう。
基本的には、上記の3つのキズ・汚れは貸主負担と考えられていますが、画鋲などを指すことを禁止している物件もあります。
また、壁紙の一部分しか汚れていないのに、すべて張り替えることになると、どこまで請求されるのか不安に感じることもあるでしょう。
一つの判断基準になるのが、壁紙の耐用年数です。
壁紙の耐用年数が6年である場合、それを超えると修繕費用の請求額は減ると考えられます。
さらに、汚れていない面の壁紙を全体的に統一感を出すために張り替えた場合、全額を請求されることはないでしょう。
壁紙と壁に穴が!退去時の修繕費用の相場
賃貸の壁紙の汚れやキズで、退去時に修繕費用を請求されるケースと、されないケースがあることが分かりました。
では、壁の穴についてはどうでしょうか。
子供が転んでぶつかってしまったり、おもちゃをぶつけたり、模様替えの際に家具をぶつけてしまったりして、穴が開いてしまうこともあります。
画鋲をさした程度の穴や、指先くらいの小さなキズならともかく、遠目から見ても分かるような穴が開いてしまうと不安になるはずです。
一時的にステッカーなどで目隠ししたり家具で隠しても、退去時の費用のことを考えると憂鬱になるでしょう。
壁に穴を開けてしまった場合、どの程度の額を請求されるのでしょうか。
穴のサイズや深さによっても違ってきますので、だいだいの目安をお伝えします。
・太い釘をさしたときのような穴 1万円弱
・こぶし大より小さな穴 2~3万円程度
・壁紙の張り替えや下のボードの取り替えが必要な大きな穴 5万円以上
穴が小さめでも、たくさんある場合には、その分修繕費用は高くなるでしょう。
壁の穴は賃貸の火災保険でカバーできる?
壁紙と壁に大きな穴を開けてしまった場合、退去時の費用もかさみますが、賃貸の火災保険の保険金でまかなうことはできるのでしょうか。
これもケースバイケースで、もし故意に開けたのでなければ保険の対象になる場合がありますが、壁を叩くなどの行為で開いた穴については対象にはならないでしょう。
また、保険の内容によってはカバーできないケースもあります。
自動車保険と同じく、「免責金額」の設定があり、それを超えない金額だと自己負担になってしまいます。
では、貸主にバレないように補修することで、修繕費用を支払わないようにすることはできるのでしょうか。
DIYが得意な方なら、壁紙の破れを補修し、何事もなかったかのように見せることもできるでしょう。
しかし、慣れない作業に挑戦して、もっとひどい状態にしてしまう可能性があります。
壁の穴をそのままにして、同じ壁紙を貼ったり補修グッズでごまかしても、後でバレてしまうかもしれません。
自己判断で修理せずに、正直に管理会社や大家さんに相談したほうがいいでしょう。
壁紙の汚れやキズ、穴にご注意!
壁紙の汚れは、修繕費用を請求されないケースもあります。
筆者の個人的な経験を書きましたが、退去時には「経年劣化の範囲内」だと大目に見ていただきました。
しかし、掃除を怠ったことやペットの放任が原因でついた汚れやキズは、修繕費用を支払わなければいけない場合が多いようです。
退去の際に慌てないように、借りている部屋を大切に扱っていきましょう。