「最近隙間風が気になる」「窓がガタガタ揺れる」といった場合は、もしかしたら窓のゴムパッキンの劣化が原因かもしれません。
今回は、劣化したゴムパッキンの役割や、劣化の目安・交換方法の他にも、網戸の隙間対策についてまとめました。
賃貸物件の場合の交換費用や、日々のお手入れ方法もご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
窓のゴムパッキンの役割とは?
窓は「窓ガラス」「ゴムパッキン」「サッシ」という、3つの部品の組み合わせから作られています。
窓ガラスは、太陽の光を取り入れるためのものです。
「サッシ」とは、窓枠に用いられる建具のことで、アルミ製の場合が多いのですが、最近は樹脂製も人気のようです。
そして、「ゴムパッキン」は、ゴム製のチューブのような形状で、窓ガラスとサッシを密着させる大事な役割を担っています。
窓ガラスとサッシをそのまま組み合わせるだけでは隙間が空いてしまいますが、ゴムパッキンを組み込むことでお互いが密着し、固定することができます。
もし、このゴムパッキンがないと、わずかな隙間からも風や雨水が入り込んでしまうことになり、お部屋の室温や湿度など快適な環境が保たれにくくなってしまいます。
更に、害虫が外から家の中に侵入してくるというおそれもあります。
また、密着性がないために、窓ガラスがサッシから外れて落ちてしまうという可能性も高くなるでしょう。
その他に、窓ガラスのサッシが直接当たるとひび割れや破損の可能性がありますが、ゴムパッキンがあることで衝撃が吸収され、ひび割れや破損を防ぐという働きもあります。
知っておきたい!窓のゴムパッキンの交換の目安
とても重要な役割を持つ窓のゴムパッキンですが、年数経過や使用状況により、どうしても劣化してしまいます。
窓は日光・風・雨水、冷気や暖気にさらされる部分であり、毎日の開閉や、窓の重みなどでゴムパッキンは少しずつ劣化していきます。
日々のお手入れも重要ですが、平均寿命は約10年といわれています。
放置しておくと隙間ができて、部屋の気密性や窓の安定性に影響が出てくる可能性があるため、以下のような劣化のサインが出てきたら早めに交換しましょう。
●カビが生えている
●ゴムパッキンにひび割れができている
●窓の四隅のゴムパッキンが浮いてきている
●ゴムパッキンの弾力性がなくなり、硬くなっている
カビは見た目だけでなく、衛生上の理由からも交換した方が良いでしょう。
また、ゴムは新しいものは弾力性があるために衝撃を吸収してくれるのですが、劣化により硬くなるため、少しの衝撃が加わるとひび割れてしまいます。
もし、四隅のゴムパッキンが浮いている場合は、裂ける前兆ですので、早めの交換をオススメします。
窓の隙間がひどくなる前になんとかしたい!ゴムパッキンの交換方法
窓のゴムパッキンが劣化した場合には、ゴムパッキンの交換をすることになります。
劣化して隙間がひどくなる前に、早めに対処をすることが大事です。
それでは、ゴムパッキンを交換する際の大まかな流れを確認してみましょう。
●ゴムパッキンを採寸する
まず「サッシの溝幅」と「窓ガラスの厚み」を、ミリ単位で測定しましょう。
窓ガラス周囲の長さも測定し、サッシに合った長さのゴムパッキンを購入します。
●窓をフレームから取り外し、サッシを外す
窓によっては外れ止めが設置されている場合がありますので、ドライバーを使って解除をする必要があります。
また、サッシもドライバーを使い、固定ビスを外して分解していきます。
●ゴムパッキンを巻く
ゴムパッキンをガラスに巻き、また逆の手順で組み立てていき完成です。
ゴムパッキンの交換ですが、自分で行った場合にかかる費用がゴムパッキンの購入代金のみですので、大体2千円~3千円ほどです。
一方、業者に依頼した場合は、1万円~2万円ほどが相場です。
費用面を考えると、自分で作業しようと考える方も多いかもしれません。
しかし、ガラスを取り扱うため、技術や知識がない方が作業するのは危険が伴いますし、ガラスを割ってしまった場合は、ガラスの交換費用もかかってしまいます。
また、サッシの分解・組み立てなど細かい作業もあるため、業者に頼んだ方が無難でしょう。
賃貸の疑問!ゴムパッキンの交換費用は誰の負担?
賃貸物件に住んでいる方は、窓のゴムパッキンの交換の必要性があった場合、誰が費用を負担するべきなのか気になるところですね。
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によると、通常損耗や経年劣化が原因の場合は、貸主側の負担とされています。
一方、消耗品や、手入れを怠ったり、故意や過失が原因の場合は、借主側の負担になるようです。
このような考え方によると、ゴムパッキンは消耗品に該当しますので、借主側が費用を負担するのが一般的です。
また、入居した後に不具合に気付いてトラブルになるケースも多いので、入居前の内覧時によく確認しておきましょう。
ゴムパッキンにカビは発生していないか、劣化していないかきちんとチェックすることが大事です。
賃貸物件の場合、費用や手間の面から、窓のゴムパッキンの交換をしない入居者も少なくありません。
しかし、放置をしておくと隙間からどんどん雨水が入り込み浸水のリスクがありますし、カビの原因にもなってしまいます。
賃貸物件は原状回復が義務ですので、退去の際にもっと費用が掛かってしまうこともあるため、窓のゴムパッキンが劣化した場合は、早めに交換しておきましょう。
窓に隙間ができてからでは遅い!普段からゴムパッキンの掃除をしよう
先ほどもご紹介したように、窓のゴムパッキンの寿命は約10年といわれています。
しかし、ゴムパッキンや汚れやすい環境にあるため、日々の掃除を怠ってしまうと劣化が早まり、窓の隙間が生じてしまうので、寿命が短くなってしまいます。
それでは、ゴムパッキンの掃除はどのようにすれば良いのでしょうか。
まず最初に、歯ブラシや綿棒を使って、ほこりや泥などの汚れを取り除きましょう。
それから、食器用洗剤や住宅用洗剤を水で薄めたものをスプレーし、数分おいてから、雑巾で水拭きをします。
日々のお手入れはこの程度で十分ですが、きちんと水気をふき取らないと、逆にカビの原因になりますので注意してください。
もし、カビが気になってきたのであれば、カビキラーなどのカビ取りスプレーを使います。
液だれした時に備えて、床に新聞紙やビニールをあらかじめ敷いておくと良いでしょう。
そして、薬剤を染み込ませたキッチンペーパーを気になる部分に貼り、更にその上からもスプレーをします。
1時間ほどおいてから、雑巾でふき取ります。
1度でカビが取りきれなかった場合には、何度かこの作業を繰り返すことできれいになるでしょう。
網戸の隙間対策!虫の侵入を防ごう!
窓のゴムパッキンの劣化の他にも、網戸の隙間対策をご紹介します。
気温が高くなると、窓を開けて外からの風を取り入れる機会がよくあります。
しかし、網戸をちゃんと閉めているのに、何故か室内に虫が入ってきて困ることはありませんか。
まず、網戸の正しい位置を確認しておきましょう。
引き違い戸の場合、網戸の正しい位置は右側です。
もし左側にしてしまうと、構造上、どうしても隙間ができてしまいます。
また、網戸に隙間ができてしまう原因の1つに、戸車の高さのバランスがあります。
長年使っていると、左右の戸車の高さ調節のネジがずれてしまい、網戸が傾くことによって隙間が生じてしまいます。
このような場合は、網戸の下の側面にある戸車についているネジを回して高さを調節しましょう。
網戸を外さずに、ドライバー1本で簡単に直すことができます。
ネジは上下に2つ並んでいて、上は戸車の固定用ネジのため触ってはいけません。
下の調整用ネジを時計回りに回すと戸車が上がり、反対に回すと戸車が下がります。
窓の隙間ができないように、微調整をしていきましょう。
更に、網戸とサッシの間に隙間テープやモヘアテープを付けてみると、隙間対策は万全です。
ホームセンターや100均で手に入れることができて、自分で簡単に貼ることが可能です。
網戸の隙間を塞ぐという効果以外に、防音効果も期待できます。
窓のゴムパッキンは重要!網戸の隙間対策も忘れずにしよう
窓のゴムパッキンは窓を固定し、衝撃を吸収する大事な役割を担っているため、カビや、硬くなってひび割れているなどの劣化のサインに気づいた時には、早めに交換しましょう。
しかし、初心者の作業は難しいので、業者に頼んだ方が無難です。
賃貸の場合には借主側で費用を負担するケースが多いため、普段から掃除をして劣化を抑えましょう。
また、網戸の隙間も虫が侵入する原因にもなるので、しっかりと対策してください。