最近はフローリングが人気なこともあり、畳のある和室が少なくなってきました。
しかし、少し築年数の古い賃貸物件ですと、まだまだ和室のある物件が多いようです。
賃貸物件で畳の交換が必要な場合、誰が費用を負担するべきか疑問に思うことも多いでしょう。
そこで今回は、畳の交換方法や費用の負担は誰がするのかについてご紹介していきます。
他にも、畳を長持ちさせるお手入れ方法についてもご紹介していきますので、最後まで目を通してくださいね。
賃貸物件における原状回復とは?畳の交換費用は誰が負担をする?
賃貸物件を退去する際は、原状回復が原則とされています。
原状回復とは、賃貸物件を退去する際に、入居時のきれいな状態にして貸主に返すことです。
畳の交換のトラブルは多いため、後々面倒なことにならないように、「どのような場合は費用を負担しなければいけないのか」をきちんと把握しておきましょう。
国土交通省発行の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によると、通常使用で生じた汚れや傷み、年数経過による劣化は貸主の負担となります。
一方、借主側の負担となるのは、掃除を怠ったために付いてしまった汚れやカビ、過失のよる損傷があった場合です。
このような考え方ですと、通常使用をして退去をする場合に、畳の交換は貸主側の負担になると考えられます。
ただ、賃貸契約書に借主側負担とあらかじめ記載がされている場合は、どのような状況でも借主が負担することになる可能性が高いので、賃貸契約書もよく確認してみてください。
また、以下のようなケースは借主の故意・過失と見なされ、借主に原状回復義務が発生し、費用を負担することが考えられます。
●タバコの火を落としてしまい、畳が焦げてしまった
●飲み物をこぼし、掃除をしなかったためカビが生えてしまった
しかし、国土交通省のガイドラインによると、全ての畳の交換を負担しなければいけないということではなく、原則は1畳単位での負担となるようです。
知っておきたい!畳のよくあるトラブルと解決方法
畳のトラブルは放置しておくと、どんどん状態が悪化してしまいます。
賃貸物件の場合は、交換費用を負担する可能性もあるので、早めに解決しておきましょう。
●カビが生えてしまった
カビが生えた畳は、絶対に水拭きはしないでください。
まず、薬局でも売っている消毒用エタノールをスプレーなどで直接吹き付けます。
エタノールは揮発性が高いため、直接吹きかけても安心です。
その後、歯ブラシやたわしなどでカビをかき出し、畳の目に沿ってゆっくり丁寧に掃除機で吸い取ってください。
最後に、エタノールで拭き取って完成です。
まだまだある畳のトラブル!解決しよう
畳のトラブルは他にもまだあります。
賃貸物件の畳の交換することにならないためにも、事前にトラブルの元を知って、対処しましょう。
●家具を置いていたら畳がへこんでしまった
へこんでいる場所にスチームアイロンをあてると、圧縮されてへこんでいた部分が徐々に蘇ってきて、元の状態に近づけることができます。
もし、スチームアイロンがなければ、「濡れ雑巾+アイロン」で代用しましょう。
●ダニが発生した場合
ダニの駆除に効果的と言われているのが、スチームアイロンです。
高温設定したスチームアイロンをあてることで、ダニは死滅しますが、その後は必ず掃除機で死骸を吸い取るようにしてください。
その後、日干しをして乾燥させると良いですね。
その他に、ダニ対策として、防ダニシートを貼るのも有効です。
畳を交換する前に!日々のお手入れで畳を長持ちさせよう
い草という多年性の植物から作られている畳は、フローリングよりお手入れに気を使う必要があります。
基本的に、新しい畳にはダニやカビといったトラブルがありません。
使用していく中での温度や湿度、衛生状態といった原因が揃うことによって、様々な問題が発生していきます。
あまりにも畳のダメージがひどい場合は、畳の交換をすることになりますが、常日頃からきちんとお手入れをすると、畳は長持ちします。
ここでは、畳を長持ちさせるための掃除方法をご紹介していきます。
畳掃除は、掃除機やほうきなどを使って行いますが、畳の目に沿ってかけましょう。
畳は細かい目の中にゴミやほこりが入り込むため、かき出す力の強いほうき掃除がオススメです。
しかし、ほうきをお持ちでなくても、もちろん掃除機で問題なく畳掃除ができます。
隙間のほこりやゴミをしっかり取るために、畳1枚に付き30~40秒ほど時間を使い、ゆっくり掃除機をかけてください。
また、ダニやカビを防止するには、畳を乾燥させることが大事です。
天気の良い日は日干しをしたり、畳の中の湿気を逃しましょう。
ただし、日干しはあまり頻繁に行うと、日焼けの可能性があるため、半年に1回くらいのペースが理想です。
もし、狭い賃貸物件のため日干しできるスペースがなければ、窓を開けて風通しをするだけでも効果があります。
畳の構造はどうなっている?
畳はどのような構造で作られているか、あまりよくわからないという方も多いのではないでしょうか。
畳は、どこの部分を直すかによって料金や交換方法が変わります。
借主の負担となることもあるかもしれませんので、畳の構造を知っていざというときに慌てないで済むように、確認しておきましょう。
まず、畳は「畳床」「畳表」「畳縁」といった、3つのシンプルな構造でできています。
「畳床(たたみどこ)」とは、畳の芯になる部分のことで、本来はわらを重ねて麻糸で締めたもののことです。
しかし、近年は様々な素材の畳床が作られています。
次に「畳表(たたみおもて)」とは、畳の表に付ける、い草で織ったござのことです。
い草を横に、麻糸を縦に織り込まれて作られます。
「国産表」は、国内産のい草が使用されていて、色調や光沢は産地によって異なってきます。
一般的に普及しているものから、高級感のある特選品まで、たくさんの種類があります。
「中国表」は、中国産のい草を使用していて、比較的安価のため、賃貸物件の畳に使われることが多いです。
では最後に「畳縁(たたみべり)」について解説していきます。
これは、畳の長手方向に付けられた布のことです。
畳表の角の摩耗を防ぐ役割があり、昔は身分によって使用する生地や色が決められていました。
しかし、現在の賃貸物件の畳は、化学繊維で作られた畳縁が主流となっています。
賃貸退去時、畳交換でかかるお金は?畳の交換方法と相場の料金を確認しておこう
1口に畳の交換といっても、交換方法や料金は様々です。
もし、賃貸物件を退去する際に畳の交換を自分が行う場合、料金がいくらかかるのか心配な方も多いでしょう。
そこで、畳の交換方法や料金の目安をご紹介します。
●裏返し
多少の日焼けや傷みの場合に行うのが、「裏返し」です。
傷んだ畳表をひっくり返し、新しく畳縁を付け直しします。
畳の交換方法としては、1番安い方法です。
料金の相場は、1枚あたり3,000円~6,000円ほどです。
●表替え
畳表と畳縁だけ交換する「表替え」は、1番人気がある方法です。
畳床はそのままで、目に見える部分を新品に交換するため、費用を抑えつつ、きれいな畳にすることができます。
畳表のグレードによって、かかる費用が大きく異なりますので、料金の相場は5,000円~30,000円ほどと幅広いです。
しかし、賃貸物件で使われている畳はリーズナブルなタイプが多いので、1枚当たり5,000円ほどになると思われます。
●畳替え
「畳替え」とは、畳をまるごと交換する方法です。
もちろん畳を丸ごと交換するとなると、料金も高くなります。
こちらも畳のグレードによって料金は大きく異なり、グレードの低いものでも、1枚あたり15,000円前後が相場になります。
また、古い畳を廃棄する費用が別途かかる場合もありますので、要注意です。
賃貸物件は畳の状態によって交換費用を負担する可能性大!日頃からきちんとお手入れしよう
畳の交換費用は、通常使用ですと貸主負担ですが、汚れや傷みがあると借主負担の可能性が高いです。
畳は日々のお手入れをしっかりすると長持ちします。
普段からほうきや掃除機をかけて、ほこりやゴミがたまらないようにしましょう。
カビやダニ、へこみなどのトラブルは早めに解決することが大事です。
それから、畳は湿気がこもりやすいため、ウッドカーペットを使用する場合は要注意です。
風通しや日干しで、しっかりと湿気対策をするように心がけましょう。