新築をするとき、リビングの照明に間接照明を取り入れてみませんか。
新築だからこそできる方法で、天井に間接照明を取り入れて、おしゃれな空間を作りましょう。
また、間接照明のやわらかな明かりは、癒しを与えてくれるので、家族がくつろぐリビングにはぴったりです。
それでは、どのように間接照明を取り入れたら良いかご紹介しましょう。
間接照明とは?
日本では古くから、明かりの強弱や陰影を大事にしてきました。
行灯などのほんのりとしたやわらかい光のグラデーションを生活に取り入れ、その風情を楽しむ習慣があったといわれています。
その後、照明器具が発達したことにより、「より明るく」することに重点が置かれ、広い範囲を明るく照らす照明が主流となります。
その結果、リビングなどで天井からの明かりで細かい作業したり、本を読んだりすることができるようになり、日本人の生活スタイルも変わってきました。
しかし近年、間接照明の良さが見直され、また人気が高まってきています。
それには、照明器具の光源のパワーが上がったことで、間接照明の明かりでも生活に支障がなくなったことが挙げられます。
間接照明を上手に取り入れることで、昔の人が明かりの強弱や陰影を楽しんだように、現代のわたしたちも明かりの演出を楽しめるようになっているのです。
ところで、間接照明とはどんなものを指すのでしょうか。
間接照明は、「照明器具などからの光の90%以上が天井や壁面を照らし、その反射した光によって明るくする照明のこと」をいいます。
したがって、行灯など光源を覆っただけの明かりは、厳密にいうと間接照明ではありません。
行灯を衝立てなどで覆って光源を隠し、明かりを天井や壁に向けると間接照明になるのです。
リビングの天井におすすめの間接照明
間接照明は、大きく3つに分けられます。
天井に照明をあてる「コーブ照明」、壁に照明をあてる「コーニス照明」、天井と壁の両方に照明をあてる「バランス照明」です。
リビングには、このなかの「コーブ照明」がおすすめです。
では、コーブ照明とはどんなものなのでしょうか。
よく見かけるのは、天井の中央を周りの部分よりも高くした「折り上げ天井」の間に照明を置き、天井に照明をあてるタイプのものです。
天井の段差に照明を置いているので、光源を直接見ることはなく、天井にあてることでやわらかくなった明かりがリビング全体を心地良く照らします。
光源が直接見えないので、明かりが強過ぎることや眩し過ぎることがありません。
これまでは、アーチ型の天井に取り付けるのが一般的でしたが、フラットな天井にも使われることが多くなり、どちらもコーブ照明と呼ばれています。
このような天井の段差を利用した間接照明は、後付けすることが難しく、新築だからこそできる間接照明といえます。
リビングの天井におすすめの「コーブ照明」の魅力とは?
間接照明のなかでも特に人気の高い「コーブ照明」について、もう少し見ていきましょう。
コーブ照明の大きな魅力は、その明かりのやわらかさです。
直接照明と違い、眩しさが抑えられるので、リビング全体がやわらかく優しい雰囲気になります。
また、明かりの強弱や照明の色を工夫することで、高級感漂う素敵な雰囲気を演出することができます。
このことから、コーブ照明はホテルのロビーなどにも使われることが多いです。
自宅では、リビングだけでなく、落ち着いた雰囲気にしたい寝室などにもおすすめです。
そして、コーブ照明のもうひとつの魅力は、広い空間を感じさせることでしょう。
天井全体を照らすことで、天井を高く見せることができます。
また、折り上げ天井に明かりを置くことで、やわらかい明かりが天井の圧迫感を減らし、奥行きを感じさせます。
このように、コーブ照明だからこそできる空間演出が、人気の秘密といえるでしょう。
リビングの天井に間接照明を取り入れるポイント
次に、コーブ照明の選び方や設置のポイントについてお話ししましょう。
リビングに間接照明を取り入れるには、「高さ」「明るさ」「インテリアとのバランス」が重要です。
まず「高さ」ですが、コーブ照明を取り入れるときには、充分な高さの天井が必要です。
コーブ照明は天井全体を照らすので、広ければ広いほど光源と天井の距離を離すことで、より広がりのある空間を作ることができます。
そのため、段差を作るある程度の高さが必要になります。
ただ細長いリビングにすれば、天井の真ん中までの距離が短くなるので、それほど天井が高くなくても、充分な明かりを取ることができます。
次に「明るさ」ですが、リビングの色に合わせて明るさを決めましょう。
天井を照らすコーブ照明は、リビングの色によって明るさの雰囲気が変わります。
例えば、白っぽいリビングの内装ですと、明るく感じるので、照明を少し控えめにすると良いでしょう。
反対に、リビングが濃い色の内装は暗く感じてしまいます。
そんなときは、ひとつ上のワット数を選ぶと良いでしょう。
すでにリビングの色が決まっている場合は、それに合わせて照明の明るさを調節してください。
最後に「インテリアとのバランス」ですが、インテリアとの統一感が出るようにすると、まとまりの良いリビングにすることができます。
コーブ照明は、シャンデリアやスポットライトと組み合わせるとおしゃれな空間を作ることができるでしょう。
リビングが広く天井の面積が大きいときは、シャンデリアやスポットライトを補助照明として使ってみてください。
天井に間接照明を取り入れるときの注意点
おしゃれで人気の高いコーブ照明ですが、注意すべきこともあります。
間接照明は、独特なやわらかい雰囲気を出してくれるので、とても魅力的です。
しかし、だからといって、リビング以外の部屋もすべて間接照明にしてしまうと、住宅全体が暗くなってしまいます。
寝室やリビングのようにくつろぐことが目的の部屋でしたら、天井の間接照明の明かりだけでも充分でしょう。
しかし、キッチンや勉強部屋、書斎などは、作業をしたり本を読んだりするので、間接照明だけでは見えにくく、不便に感じてしまうかもしれません。
住宅全体のバランスを考えて、あらかじめ間接照明にしたい部屋を決めておくことをおすすめします。
また、間接照明を取り入れたリビングや寝室で読書などをする場合には、補助照明を上手く使って手元を明るくるように工夫しましょう。
間接照明を取り入れるときには、エアコンや家具の配置にも注意してください。
せっかくの間接照明に影が入ってしまい、雰囲気を壊してしまう場合があります。
また、背の高い家具ばかりを配置してしまうと、間接照明の良さが半減することもあるので注意しましょう。
リビングの間接照明は色も大切
リビングに間接照明を取り入れるときに注意したいのが、「明かりの色」です。
電球や蛍光灯の色には、暖かみのある「電球色」、自然の光に近い「昼白色」、白っぽく青みがかった「昼光色」があります。
間接照明の電球や蛍光灯を選ぶときには、暖かみのある「電球色」ものにすることをおすすめします。
暖かい色の明かりにすることで、居心地の良いくつろぎの空間が演出できます。
また、リビングの間接照明には、近年広く使われているLED照明がおすすめです。
天井の高い部分に設置されている間接照明は、容易に電球を換えることができません。
その点、電球の寿命が長いことで知られているLEDであれば、電球の交換が少なくて済みます。
また、LEDは赤外線がほとんど含まれていないので、電球自体の熱が上がらず、熱による変形や火事の原因になりにくいので安心安全です。
紫外線もほとんど含まれていないので、光による劣化が少なく、天井や壁、家具、絵画や本なども傷めにくのもうれしいですね。
リビングの天井を間接照明に!
間接照明は、くつろぎの空間を演出してくれる効果があります。
また、シャンデリアやスポットライトを使うことで、よりおしゃれな空間にすることができます。
人気の高いコーブ照明は後付けが難しいので、家族がくつろぐリビングを間接照明にしたい方は、新築のときに導入することをおすすめします。