テーブルは、日常生活の中でもよく使う家具です。
そのため、長く使っていれば塗装が剥がれ、所々に傷みが出てくることでしょう。
見た目がよくないテーブルは買い替えを検討する方もいらっしゃるかもしれませんね。
しかし、無垢材で作られているテーブルは、塗り替えをすればまた使うことができます。
今回は水性ウレタンニスを使った、テーブルの塗り替え方法をご紹介します。
塗料やニスが剥がれたテーブルは傷んでいく
無垢材で作られているテーブルの塗装は、大きく分けるとウレタン塗装とオイル仕上げがあります。
ウレタン塗装は一般的な家具に施される方法で、量販店やホームセンターなどで販売されている多くの家具に使われています。
ウレタン塗装の特徴は、塗膜が丈夫なことです。
下塗りをしてからサンディングシーラー、上塗りと層を重ね、塗装の強度を高めていくことができます。
しかし、その強度は時と共に劣化していきます。
テーブルを使って10年ほど経過すると塗装が剥がれはじめ、20年ほどすると剥がれた部分が目立ってくるでしょう。
剥がれた部分も愛着が湧いてきますが、塗装が剥がれたままにしておくと木材にカビが発生したり、腐ってしまう原因になります。
塗料やニスには防水や撥水、防虫効果があるため、剥がれてしまったテーブルはどんどん傷んでいくばかりです。
思い入れのあるテーブルだからこそ塗り替えをして、かつての美しい姿によみがえらせてみてはいかがでしょうか。
美しく塗り替えをするために必要な道具や、塗装工程をご紹介します。
テーブルの塗り替えに用意したい道具
塗り替えに必要な道具を揃えて、塗装が剥がれてしまったテーブルをよみがえらせていきましょう。
◯パテ
テーブルに傷がある場合は、木工修正パテやエポキシパテを使って下地処理していきます。
◯ミニサンダーやベルトサンダー
テーブルを研磨する際に使います。
もし用意できなければ、サンドペーパー(#240~#320)でも構いません。
◯サンドペーパー
重ね塗りをする際に、サンドペーパー(#400)を使います。
◯耐水ペーパー
仕上げに使います。
#1000~#1500のものを用意しましょう。
◯ウエス
拭き取りに使用します。
数枚用意しておきましょう。
◯塗料
今回は、水性ウレタンニスを使って塗り替えていきます。
水性ウレタンニスはニオイが少ないため、室内でも塗装できるのがメリットです。
◯ハケやコテバケ
塗料を塗るときに使用します。
広い面は、コテバケが便利です。
◯コンパウンド
トップコートとして、仕上げで使用します。
これらはホームセンターなどで販売されていますので、塗り替えに必要な物を用意しましょう。
塗り替え作業を塗る前にすること
それでは、テーブルを塗り替える工程を一つ一つ見ていきましょう。
はじめの工程は、テーブルに付いた下地処理です。
▼工程1:下地処理
テーブルに付いた小さな傷や細かい傷の補修は、木工修正パテで処理していきましょう。
傷がある部分にパテを埋めていき、乾燥すれば固まります。
少し盛りあがってしまっても、サンドペーパーで削ることができます。
一方、大きな傷がある場合はエポキシパテを使って補修していきましょう。
2つの成分をよく混ぜて、傷がある部分を埋めていきます。
よく混ざっていないと固まりませんので、しっかりと混ぜ合わせてください。
乾燥するとカチカチに固まるため、サンドペーパーで削るのは少々大変かもしれません。
根気強く削っていきましょう。
▼工程2:ウレタン剥がし
次に、ウレタン塗装を剥がす作業に移ります。
テーブルを研磨せずに塗料やニスを塗ってしまうと、元々の塗料が新しく塗る塗料をはじいてしまうため、綺麗に塗れません。
ますミニサンダーやベルトサンダーを使って、塗装を剥がしていきましょう。
最初は荒め(#100前後)でかけていき、だんだんと目を細かく(#400位)していきます。
塗装が剥がれたら、ウエスで削りかすを拭き取ってください。
水性ウレタンニスを使ってテーブルを塗り替えよう
テーブルにある傷の処理をしてウレタン塗装を剥がしたら、いよいよ水性ウレタンニスを使って塗り替えていきます。
▼工程3:水性ウレタンニスを塗る
テーブルの表面がなめらかになったら、ハケを使って水性ウレタンニスを塗っていきます。
油性のニスと比べると乾燥時間が短く、原液のまま使えるため扱いやすい塗料です。
また、塗り終えたあとのハケは水で洗うことができます。
ラッカーうすめ液を使わないといけない油性ニスと比べると、後始末も簡単ですね。
塗り方のポイントは、なるべく薄く均等に塗っていくことです。
塗料が扱いにくいときは、水で薄めてみましょう。
まずは塗りにくい部分をハケで塗り、広い面はコテバケで一気に塗っていきます。
▼工程4:乾燥させる
テーブル全体に塗れたら、塗料に記載されている時間に従って乾燥させましょう。
早く塗り進めていきたい気持ちは分かりますが、時間を守らないと塗膜が形成されません。
だいたい、20~25℃で約90分ほどかかる計算で計画するといいでしょう。
ニスを塗って乾かし研磨する
水性ウレタンニスが乾いたら、次の工程に移ります。
▼工程5:表面を研磨
サンドペーパー(#400)で表面にニスを軽く平く削っていきます。
目が細かいものであれば、ミニサンダーやベルトサンダーで削っていってもいいですよ。
こちらの工程は仕上がりに影響してくるため、丁寧に行いましょう。
削り終わったら、ウエスで削りかすを拭き取ります。
▼工程6:塗る・乾燥・研磨を繰り返す
研磨まで終えたら、工程3~5までを5~6回繰り返して完成させていきます。
繰り返し塗っていくことで艶が出て、塗り替える前のテーブルとは見違えるようです。
ただし、ニスを塗って乾燥させ、研磨をする工程を繰り返すとなると1日がかりの作業です。
時間にゆとりがあり、スケジュールを見合わせながら計画的に行いましょう。
ここまで終えたら一晩かけて乾燥させてください。
仕上げとおすすめニス
塗り替え作業、最後の工程は仕上げです。
▼工程7:コンパウンドで磨く
ハケやコテバケによる跡が残るため、一晩明けたら耐水ペーパー(#1000~#1500)で水研ぎします。
そして、液体タイプのコンパウンドをウエスに含ませて、テーブルを磨いていきましょう。
ニスが完全に乾いていない状態で磨くと塗膜が傷む可能性がありますので、必ず一晩置いて仕上げていきます。
これにて、テーブルの塗り替えは完了です。
ニスを塗って乾かし、乾燥させてから研磨を繰り返す作業は少々大変かもしれませんが、その出来栄えは見違えるようなテーブルになっていることでしょう。
こちらでご紹介した方法をマスターしてしまえば、テーブル以外の家具を塗り替えることもできますよ。
今回は水性ウレタンニスを使用しましたが、たくさんある商品の中からどれを選べばいいか分からないという方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、初心者でも扱いやすいおすすめのニスをご紹介します。
●和信ペイント株式会社:水性ウレタンニス 屋内木部用
ニオイが少なく、カラーバリエーションも豊富に取り揃えています。
完全に乾けば食品衛生法に適合しているため、箸や食器にも使うことができる優れものです。
ホルムアルデヒド放散等級F、星は4つと、安全性が高いこともおすすめポイントです。
大切な物こそメンテナンスを!
思い入れのある物こそ塗り替えをして、大切に使っていきたいものです。
家具の無理替えは少々工程が多いですが、こうした作業も思い出になるはずです。
これまでの人生を思い出しながらメンテナンスをするのも、素敵な時間になることでしょう。