近年の日本家屋では、ダイニングテーブルはフローリング張りのダイニングキッチンなどに配置するのが一般的です。
しかし、本来ダイニングテーブルとは食事時に使用するテーブルの総称で、和室に配置することも可能なのです。
和室に配置するメリットやデメリットを挙げつつ、和室に合うダイニングテーブルの選び方について考えてみました。
気になる畳の保護対策などもご紹介していますので、是非参考にしてみましょう。
ダイニングの定義から考える!和室にもダイニングテーブルは配置可能
ダイニングテーブルというと、洋風スタイルのフローリングのダイニングキッチン、リビングダイニングなどに配置されたテーブルを思い浮かべる方は少なくはないでしょう。
しかし本来ダイニングテーブルとは、ダイニングルームに配置された食事の際に使用するテーブルを示します。
ここで気になるのがダイニングルームの定義ですが、もともとは富裕層の邸宅にて食事をするための専用のお部屋を示す言葉として使用されていました。
近年の一般的な日本の家屋において、このような食事をとるためだけの専用の個室というものはあまり見掛けることがありませんよね。
ダイニングキッチンやリビングダイニングという言葉が和製英語であることからも、日本ではダイニングというものが非常に曖昧に定義されていることが分かります。
つまり、家族が食事の際に囲むテーブルがダイニングテーブルというものであって、配置する場所にはそれほど形式がないということになりますね。
そこで、和室に置くダイニングテーブルの選び方について考えてみましょう。
和室にダイニングテーブルを置くメリットは?
和室にダイニングテーブルを置くメリットを考えてみましょう。
まず和室は襖で仕切られた個室であることから、ゆっくりと食事を楽しむことができます。
食事が済んだ後も、部屋をわざわざ移動することなくすぐに畳で寛ぐことができるのも利点ですよね。
また、家族だけでなく、来客と食事を楽しむ際にも重宝します。
キッチンやリビングと離れた空間であることが多いため、お客様に生活感を感じさせることもありません。
まるで旅館や料亭で食事をいただいているような、特別な雰囲気を演出できるという魅力があります。
さらに、足腰が不自由な方にとっては、和室の畳で正座して食事をするというのはなかなかつらいものです。
椅子とセットになったダイニングテーブルを配置することで、座りやすく使い勝手も良くなるというメリットも考えられますね。
和室にダイニングテーブルを置くデメリットも知っておこう!
前項で挙げたメリットの多さから、ご家庭の和室にダイニングテーブルを配置してみよう考えられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
参考までにメリットだけでなくデメリット面もご紹介しておきます。
まずは、キッチンから出来上がった料理を、わざわざ和室まで配膳するという作業が必要になることが挙げられます。
キッチンと和室が離れていたり、家族の人数が多いご家庭だと、少し不便に感じることもあるでしょう。
また、和室の特徴である畳に注意が必要です。
食事の際には、食べ物や飲み物をこぼしてしまうこともありますよね。
フローリングではさっと拭き取ることができますが、畳は汚れや水分が染み込んでしまうため掃除がしにくいというデメリットが考えられます。
さらに、椅子を引く動作で畳が傷ついたり、テーブルの脚の跡が畳についてしまうなどという心配もありますよね。
和室にダイニングテーブルを配置する際には、このようなデメリットもしっかりと念頭に入れておきましょう。
迷ったら?座敷用ダイニングテーブルがおすすめ
実際にご家庭で和室にダイニングテーブルを配置しようと思っても、どのようなダイニングテーブルが使いやすいのか、どのようなデザインのものを配置すればいいのかと迷ってしまうものですよね。
そのような方にまずおすすめしたいのが、座敷用に作られたダイニングテーブルです。
ホテルや旅館、和食料理店でこのようなテーブルをご利用になったことがある方もいるでしょう。
一般的には座敷テーブルと呼ばれていて、通常のダイニングテーブルより天板の高さが少し低くなっているのが特徴です。
このような座敷テーブルに合わせて、座面高さを低めに設定した椅子とセットになったものも販売されています。
また、和室の畳を保護するために、テーブルと椅子の脚部分に工夫がみられるのも特徴の1つです。
スキーの板のようなソリ脚と呼ばれる形状で、一般的なダイニングテーブルにみられる4本脚タイプより重心が分散される構造になっています。
このソリ脚を導入することで、畳に跡がつきにくいことはもちろんのことながら、椅子を引いた時に畳に傷がつきにくくなります。
サイズやデザイン、カラーバリエーションなども豊富に取り揃えられていますので、このような座敷テーブルを上手く取り入れてみましょう。
和モダンスタイルでおしゃれに!合わせやすいダイニングテーブルは?
和室だからといって、純和風のインテリアを配置しなければならないというわけではありません。
近年、和室の良さが改めて評価されていることもあり、和室のインテリアコーディネートを楽しむご家庭も増えていますよね。
和室にダイニングテーブルを置く場合にも、北欧テイストやモダンテイストなどといった、和風の雰囲気に馴染みやすいデザインのものを置くのも素敵です。
例えば、和モダンな雰囲気を演出しやすいアイテムとして、天然の無垢材を使用したダイニングテーブルと椅子のセットなどを配置してもいいですね。
和モダンテイストを意識したデザインのダイニングテーブルセットは、多くのメーカーから販売されています。
これらには、和室で使用することを前提に、足腰への負担を考慮した回転椅子や、畳をいたわったソリ脚タイプなど機能面も十分考慮したものが多いという特徴もあります。
また、和室に配置するダイニングテーブルを選ぶ際には、使用している木の素材や色味にこだわってみましょう。
落ち着いた黒っぽい色味で重厚感のある独特の艶が特徴の、ウォールナット材を使用したダイニングテーブルなどもおすすめです。
和室にぴったりのダイニングテーブルを上手に選びつつ、照明器具などの周りに配置するインテリアにもこだわって、おしゃれな空間を演出してみましょう。
畳を保護することも念頭に入れておこう!
和室にダイニングテーブルを置く際に、どうしても気になってしまうのが畳につく傷や凹み跡ですよね。
テーブルの脚や椅子の脚にソリ脚のものを取り入れることでこれらのデメリットが軽減されるとはいえ、さらにしっかりとした対策を考えておきたいものです。
最後になりましたが、和室にダイニングテーブルを配置するということを前提に、畳の傷や凹み跡対策の便利アイテムをご紹介しておきましょう。
まずは、フローリングなどに使用する床の傷防止テープです。
こちらのテープを、テーブルや椅子の脚の裏部分に合わせてカットして貼っておくだけで、畳への傷防止効果が期待できます。
脚カバーもおすすめです。
ゴム製のキャップタイプや、床に触れる部分がフェルト生地になっているものなど様々なタイプがあります。
また、畳にダイニングテーブルの脚の凹み跡がつくのが気になる場合には、畳床用保護マットがおすすめです。
滑りにくいエンボス加工が施されたものや、水に強い合成樹脂を素材に使用したものなどが販売されていますよ。
このようなアイテムを上手く取り入れて、畳をいたわりながら和室にダイニングテーブルを配置してみましょう。
畳をいたわりながら和室におしゃれなダイニングテーブルを置いてみよう!
和室で食事をする際には、畳に正座したり座卓を使用するのが一般的ですよね。
しかし、フローリングの洋室に配置するようなダイニングテーブルを配置してみるのもおすすめです。
椅子を使用するため足腰への負担を減らせますし、高級旅館や料亭で過ごす特別な雰囲気の中で日々の食事をとることができます。
畳に傷や凹み跡がつきやすいことも考慮しつつ、和室にダイニングテーブルというレイアウトを楽しんでみましょう。