キッチン掃除において、最も面倒な箇所と言えば「換気扇」ですよね。
しつこい油汚れがびっしりとこびり付き、苦労される方は多いでしょう。
また、特に羽の枚数が多い「シロッコファン」は、掃除に時間がかかってしまう印象です。
そこでこの記事では、シロッコファンの簡単な掃除方法をいくつかご紹介していきます。
「地道な作業をできるだけ省きたい!」という方は、ぜひともチェックしてみてくださいね。
どんな換気扇?「シロッコファン」の特徴
近年はシステムキッチンの普及によって、もともと「シロッコファン」が設置されているケースが増えています。
タイヤのような見た目をしており、円形の筒に縦長の羽がいくつも取り付けられている換気扇です。
従来のプロペラファン(壁付け換気扇)よりも、吸い込む力はやや劣ってしまいますが、以下のようなメリットが挙げられます。
<シロッコファンのメリット>
●回していても音が小さい
●設置場所の自由度が高い
●屋外からの影響を受けにくい
こういったことから、マンションやアパートなどの集合住宅にも備え付けられているようです。
次に、シロッコファンの構造を簡単にご説明します。
シロッコファンを回転させると、空気は中央に集まってから外側へ流れていきます。
そこからダクトを通して屋外へと排出されていく仕組みです。
構造上、羽の内側は油で汚れやすくなるので、掃除の際はしっかりと対処していきましょう。
吸い込んだ油が羽に溜まってしまうと、排気量は落ちてしまいます。
その分、電気代が余計にかかってしまいますから注意が必要ですね。
次項からは、シロッコファン掃除で役に立つアイテムをご紹介します。
シロッコファン掃除を簡単にする便利アイテム
ここでは、シロッコファン掃除で活躍する「専用アイテム」をご紹介します。
事前に揃えておくと、掃除がもっと簡単になりますよ。
<シロッコファン専用ブラシ>
・参考商品【アズマ工業:換気扇ファンブラシ】
シロッコファンの形状に合わせてつくられている、専用の掃除ブラシです。
グリップの先には、細くて硬い毛先の付いたブラシが輪っか状に取り付けられています。
一度に羽の表面と裏面をこすることができるので、作業の効率がグンと上がります。
<シロッコファン専用ケレン>
・参考商品【土牛産業:ステン刃シロッコケレン】
掃除用のケレンは、こびり付いた油汚れをこすり取るために使用します。
ブラシだけでは落とし切れないような、しつこい油のかたまりを除去することができるでしょう。
羽の隙間によって対応しているサイズは異なるため、よく確認してから購入してください。
また、なるべくお金をかけたくない場合には、ご自宅にある物でも代用することは可能です。
「シロッコファン専用ブラシ」→「使い古しの歯ブラシ」
「シロッコファン専用ケレン」→「割りばし」
ぜひ参考にしてみてください。
「重曹水」に浸ければシロッコファンの掃除は簡単!
それではここから、シロッコファン掃除の具体的なやり方についてご紹介していきます。
まず最初に取り上げるのは、「重曹」を使った簡単な掃除方法です。
重曹は掃除の万能アイテムとして知られていますが、換気扇の油汚れにも効果を発揮します。
弱アルカリ性の重曹は、酸性の油汚れを中和させることができるからです。
今回はお湯を使って、より重曹の力を引き出したいと思います。
【用意する物】
・重曹(掃除用)
・お湯(40~50℃)
・ゴム手袋
・バケツ(シロッコファンが入る大きさ)
・ビニール袋
・シロッコファン専用ブラシ
・シロッコファン専用ケレン
・タオル
【作業手順】
①ゴム手袋を装着する
②用意したバケツにビニール袋をセットする
※ビニール袋を使用すると、バケツに油汚れが付着することを防げます。
③お湯と重曹を入れる(お湯250ml:重曹大さじ1)
※しっかりと溶かしてください。
④シロッコファンを浸ける
※一時間程度浸けおきしましょう。
⑤ブラシやケレンで汚れを落とす
⑥タオルで水気を拭き取る
これで作業は完了です。
お湯の温度が下がると重曹の効果が落ちてしまうので、なるべく気温の高い夏場に行うのがおすすめです。
「セスキ炭酸ソーダ」は重曹よりも効果大!?
続いてご紹介するのは、「セスキ炭酸ソーダ」を使った簡単掃除方法です。
セスキ炭酸ソーダは、重曹と炭酸ナトリウムで構成されています。
重曹よりも高アルカリなので、より油汚れへの効果が見込めるというわけです。
用意する物や作業手順は、前項でご紹介した流れを参考にしてみてください。
セスキ炭酸ソーダの場合、お湯250mlに対して小さじ1の分量で構いません。
重曹のときと同様に、40~50℃のお湯を使って溶かします。
セスキ炭酸ソーダは重曹よりも溶けやすいので、軽く混ぜる程度で十分です。
シロッコファンを一晩浸けておけば、油汚れはかなり落ちやすくなっているでしょう。
また、作業の際は必ずゴム手袋を装着するようにしてください。
セスキ炭酸ソーダ水が皮膚に触れてしまうと、肌荒れを起こす可能性があります。
心配であれば、目を守る作業用ゴーグルやマスクを準備するのもおすすめです。
しっかりと安全性を確保しながら、シロッコファンを掃除していきましょう。
油汚れが簡単に落ちる?「灯油」を使用した掃除方法について
シロッコファンを簡単に掃除する方法としては、「灯油」を使用したやり方もあります。
「油は油で落とす」という言葉があるように、油汚れを灯油で濡らし、柔らかく溶かしていくことで、こすらず簡単にきれいになります。
しかしながら、いくつか注意点があることを把握しておきましょう。
<注意点①火災事故が起こらないようにする>
灯油の扱い方には細心の注意を払ってください。
火気のある場所で作業することも危険です。
<注意点②廃油の処理>
油汚れを含んだ灯油は「廃油」となります。
廃油の処理方法は地域自治体によって異なりますから、事前に確認しておくといいでしょう。
また、廃油を回収してくれる業者に処理をお願いする方法もあります。
このような注意点を念頭に置いて作業することが大事です。
灯油を使うとニオイの心配があるかもしれませんが、「パーツクリーナー」を併用すれば解決します。
また、灯油がなければ「サラダ油」での代用も可能となります。
シロッコファンをきれいに保つポイントとは?
シロッコファンが掃除できたなら、きれいな状態を長く保っていきたいですよね。
そこで最後に、汚れを防止するポイントについてお伝えします。
日頃から予防策をとっていれば、次回の掃除も簡単になることでしょう。
<シロッコファン専用のフィルターを付ける>
レンジフードフィルターを活用している方は多いと思いますが、シロッコファンに直接取り付ける専用フィルターがあるのをご存知ですか?
レンジフードとシロッコファンの二重フィルターで、油汚れを最小限に抑えることができます。
・参考商品【東洋アルミ:シロッコファンフィルター】
こちらの商品はワンタッチでの取り付けが可能です。
きちんと対応サイズを確認してから購入するのがいいでしょう。
<フィルターはこまめに取りかえる>
フィルター類は定期的に交換してください。
取り付けているフィルター表面の色が変わってきたら交換時期です。
前述した「シロッコファンフィルター」であれば、二ヵ月に一度の頻度で取りかえましょう。
<コンロでの揚げ物料理を控える>
油を多く使用する料理を控えることで、空気中に気化する油煙を減らすことができます。
近年は油汚れへの懸念から、卓上の「電気フライヤー」で揚げ物をする人も多いようです。
羽の多いシロッコファンでも簡単に掃除できる!
今回は、円筒形の換気扇「シロッコファン」の簡単な掃除方法についてご紹介してきました。
換気扇の油汚れは、「重曹」や「セスキ炭酸ソーダ」といったアルカリ性の洗浄剤で対処したり、「灯油」などの油を利用することもできます。
また、シロッコファン掃除専用のアイテムを用意しておくと、作業時間が短縮するかもしれませんね。