重い家具を移動させる時、無理して腰を痛めたり、床を傷付けたりすることがあるかもしれません。
「キャスターが付いていれば楽なのに……。」そう思ってため息をついている方はいらっしゃいませんか?
実は、キャスターは家具に後付けすることもできます。
この記事では、簡単に取り付けられる底板キャスターのご紹介と、重い家具の移動方法をお伝えします。
家具の移動を簡単に!底板キャスターの選び方
テレビ台や棚などにキャスターが付いていると、模様替えや掃除の時にも楽に移動させることができます。
キャスター付きの家具は多く販売されていますし、もともとは付いていない家具にキャスターを後付けすることも可能です。
それは「底板キャスター」と呼ばれるもので、取り付け方は決して難しくありません。
では最初に、キャスターの取り付け方についてご紹介します。
キャスターを選ぶ時に重要なのは下記の点です。
・耐荷重
・ストッパーが付いている
・床に当たる部分が比較的やわらかい素材で、傷付ける心配がない
・平板プレート
耐荷重はもちろんのこと、地震対策になるストッパーがあるか、取り付けやすい平板プレートタイプか、といったことも大切です。
そして当然のことですが、すべて同じサイズにする必要があります。
サイズが違うと台が斜めになってしまいますので、一つの家具に使うキャスターは同じものを購入しましょう。
また、家具にもともと脚が付いている場合には、その脚の高さと同じくらいの高さになるようにキャスターを選ぶことをおすすめします。
家具に底板キャスターを取り付ける方法
キャスターの種類によって値段は若干異なりますが、耐荷重50kgくらいのキャスターでも、一つ700円程度で販売されているものがあります。
その他に、キャスターを取り付けるためのビスや、ビスを差し込む穴をあけるためのキリかドリル、そしてドライバーが必要です。
では、取り付け方法のご説明をしていきましょう。
1.家具を横倒しにして、脚などが付いていたら取り外しましょう。
マイナスドライバーをねじこむようにして、取り外せる可能性があります。
もし外せないタイプであれば、脚を付けた状態で、それよりも少し大きめサイズのキャスターを取り付けることもできます。
2.ビスを留めるために下穴をあけます。
底板キャスターは平板プレートの4隅に小さな穴があいていて、そこにビスを留めて固定するタイプが多いです。
きれいな状態に仕上げたいなら、キャスターを取り付ける位置をきちんと測り、すべてのキャスターの角度をそろえることをおすすめします。
キリであける穴も平板プレートの穴と合わせて、ぴったり合う場所にあけていきましょう。
3.穴があいたら、その穴に合わせて底板キャスターを取り付けていきます。
ビスをドライバーでねじこみ、しっかりと固定させましょう。
底板キャスター取り付けの手順は上記の通りです。
最後に家具を起こして移動させてみて、正常に動くかご確認ください。
底板キャスター取り付け時の注意点と対処法
チェストやカラーボックス、ストックケースなどの移動をスムーズにしてくれる底板キャスター。
取り付け方は簡単なのですが、注意点があります。
まず、取り付けたい板が薄すぎる場合です。
穴をあけて底板キャスターを取り付け、そこに家具の重さが集中してしまうと、板に亀裂が入ってしまうことがあります。
そのため、当て木を施して重さを分散させる工夫が必要です。
当て木は大きなものでなくても、底板キャスターの平板プレートがしっかり収まって、端に少し余裕があるような大きさなら大丈夫です。
その当て木を、底板キャスターを付けたい部分に貼ります。
木工用ボンドで貼り、少し時間を置いてしっかりと接着させてから、さきほどの手順と同様にキリなどで穴をあけていきましょう。
その他には、家具が重すぎて「底板の真ん中がたわむ」ということも考えられますので、次項で対処法をご紹介します。
家具が重すぎた!?キャスター追加・分厚い当て木で解決!
キッチンカウンターなどの重さのある家具に底板キャスターを取り付けた場合に、底板がゆがんでしまうことがあります。
真ん中だけがたわんでいると、「穴があいてしまうのではないか」と不安になるかもしれません。
こうした時には、移動させるための底板キャスターを増やすことをおすすめします。
底板の中央部分にいくつか底板キャスターを追加することで解決するでしょう。
左右対称、均等な間隔にすることが重要です。
また、先ほどご紹介した「当て木」を購入する際に、十分な厚さと硬さがあるものを選ぶこともポイントです。
DIYに慣れない方は、底板キャスターの取り付け方を紹介した動画が動画サイトにありますので、参考にしてみてください。
また、取り付けたい家具の写真を撮り、それを見せながらDIYにくわしい方に聞いてみることもできます。
大型ホームセンターには専門的な知識がある店員さんがいることがあるので、取り付け方のコツについて話を聞いてみてもいいかもしれません。
家具を移動させるための便利アイテム
底板キャスターの取り付け方と注意点についてご説明しましたが、重い家具を移動させる手段はキャスターだけではありません。
ここからは、家具を移動させるために役立つグッズと裏技についてご紹介します。
●ジャッキ
リフターと呼ばれることもあるジャッキは、ホームセンターやネット通販などで手に入れることができます。
力が弱い方でも、ジャッキを「てこの原理」で底板に差込み、簡単に持ち上げることが可能になります。
持ち上げたところからキャスター付きの台車を入れて移動させます。
●ムービングマット
家具の下に置いて、移動させたい時にはマットごと動かすことのできる「ムービングマット」というグッズもあります。
●キャリーベルト
背の低い家具、重すぎない家具であれば、キャリーベルトで移動させることができるでしょう。
キャリーベルトは、家具にベルトを回して肩か腰にも巻いて、腕の力だけに頼らずに荷物を運ぶことができるアイテムです。
家具を移動させるための裏技と準備
次に、ご家庭にあるもので家具を移動させる裏技をご紹介します。
●毛布・ダンボール
毛布かダンボールの上に家具を倒し、それを引きずることで移動させることができます。
一人で端を持って移動させると、持っていない方の端から家具がずり落ちてしまうことが考えられますので、2人くらいで行うほうがいいでしょう。
また、乱暴に移動させたり、あまりにも重い家具だったりすると床に傷が付いてしまうことがありますので、注意してください。
【家具を移動させる前の準備】
■手を保護するために軍手を付けましょう。
軍手には、汗で手が滑らないようにする効果もあります。
底板キャスターを取り付けるDIYの前にも、軍手をはめておくと安心ですね。
■移動するルートを決めておく
移動させるルート上にあるものは全て片付けておきましょう。
また、棚などの場合には、中に入れているものを全部取り出してから行ってください。
DIYは計画的に!
家具を移動させるための底板キャスターの取り付け方法や、便利なグッズをご紹介しました。
底板キャスターを取り付ける際には、底板の強度を確かめ、家具の重さも考慮して、計画的に行いましょう。
「底板キャスターは何個必要か」「当て木はどのくらいの厚さにするか」などを考えて、失敗のないように行ってください。
もし割れやすい家具や高級な家具などの場合には、家具の移動に慣れた業者にお願いしましょう。