お部屋にホットカーペットを敷くのと、床暖房対応にした場合の違いはどこにあるでしょうか。
どちらも床を暖める暖房器具というイメージが強い方が多いかもしれません。
今回は、お部屋にホットカーペットを敷く場合と床暖房を取り入れる場合の違いを、さまざまな項目で比較します。
ホットカーペットと床暖房の暖め方による違いは?
ホットカーペットと床暖房は、どちらも床を暖めることを目的とした暖房器具というイメージが強いですが、暖め方による違いはどこにあるでしょうか。
まず、ホットカーペットは床に敷いて使用します。
カーペットの表面だけが暖かくなるのが特徴で、伝導式の暖房器具になります。
直接触れたり座ったりすることで、はじめて暖かさを得ることができます。
一方、床暖房対応にすると、床だけが暖まるイメージがある方もいるかもしれませんが、実は部屋全体を暖める効果があります。
床暖房の種類は大きく分けて、電気式と温水式があります。
電気式は発電体を床下に設置し、通電することで床を暖める仕組みになっています。
そして、温水式は、温水を循環させることで暖める仕組みになっており、ふく射熱が部屋の天井や壁に反射することで全体を暖めることができます。
住宅自体の断熱性にもよりますが、床面積の7割以上を床暖房にすることで、ストーブやエアコンといった暖房を使用しなくても部屋全体が暖まると言われています。
その点、ホットカーペットは局所的に暖める形になるため、この違いが大きな違いと言えるでしょう。
床暖房対応にするとコストはどれくらいかかる?
この章では、ホットカーペットを敷く場合と床暖房対応にする場合の初期費用やランニングコストによる違いについて解説します。
まず、ホットカーペットと床暖房を比較したとき、ホットカーペットの方が圧倒的に初期費用が安いです。
安価なものでは3,000円台からあります。
一方、床暖房は設置面積や施工業者によって、費用に大きな差が出ます。
また、床暖房は電気式と温水式の違いによっても費用に違いがあります。
8畳分の床暖房を設置する場合の費用の一例を挙げると、電気式が約50万円で温水式が約80万円となります。
では、ホットカーペットと床暖房を比較したとき、ランニングコストではどれくらい違いがあるでしょうか。
まず、ホットカーペットは、3畳用で消費電力が700Wとした場合、1日8時間使用したとすると約150円かかります。
これを、1ヶ月使用した場合の電気代は約4,500円となります。
一方、床暖房の電気代は、電気式を1日に10時間使用した場合、月に約13,000円かかります。
温水式は電気式よりも大幅に安く、1日10時間使用した場合の月の電気代は、約8,000円となります。
ホットカーペットは暖まるのが早い!暖まる速度の違い
ホットカーペットを敷く場合と床暖房対応にする場合では、暖まる速度による違いはあるでしょうか。
まず、ホットカーペットは、通電式になっており、内蔵されている電線に電気を通すことで暖まります。
電源を入れてから完全に暖まるまでには、数分程度と言われており、ホットカーペット自体が暖まるのは早いです。
一方、床暖房は電源を入れてからお部屋全体が暖まるまでに、約1時間かかると言います。
このようなことから、床暖房は長時間の使用する場合にはよいでしょう。
また、時間がかかる点をカバーするには、タイマー機能の利用でカバーできます。
朝の起きる約1時間前に床暖房をタイマーしておけば、起きたときにはちょうどよい温度になっているはずです。
2つの特徴を見て分かるとおり、カーペットはすぐに暖まる点がメリットと言えますが、お部屋全体は暖まらないため、寒さが厳しい時期には継続して他の暖房器具と併用する必要があります。
その点、床暖房は暖まるまでに時間がかかりますが、部屋全体が暖まります。
したがって、両方を使用することで部屋全体が暖まるまではカーペットを使用し、完全に暖まったら床暖房のみ使用するといった方法を取ることでそれぞれの長所を活かすことも可能です。
ホットカーペットと床暖房の安全性による違いは?
小さいお子さんがいるご家庭では、暖房器具を選ぶ際に安全性が気になるかと思います。
そこで、ホットカーペットを敷く場合と床暖房対応にする場合の安全性による違いについて見ていきましょう。
まず、ホットカーペットは火を使用しない暖房器具であり、最近は電源のつけっぱなしを防止する機能がついているものもあるため、安全性は高いと言えます。
しかし、体が触れている部分は熱を放出できないために、長時間直接座っていると低温やけどを負ってしまう可能性は少なからずあります。
また、ペットが電気コードを噛んでしまったり、古くなったホットカーペットをずっと使用したりしていると火災の危険にも繋がりかねません。
一方、床暖房は室内で燃焼させない上、電気ストーブなどのように温風が発生しないため、ほこりが舞い上がらず比較的安全な暖房器具であることが言えます。
また、先ほどお伝えしたように床暖房には2つの種類が存在しますが、この2つの種類によって安全面は異なります。
床暖房の1つに電気式床暖房がありますが、こちらのタイプですとホットカーペットと同様に長時間触れていると低温火傷の恐れがあります。
一方、床暖房の温水式のものは、ほとんど火傷の心配はありません。
あるデータによると、電気式は約44~46度まで上昇するのに対し、温水式は約39度程度でとどまるとされています。
このようなことから、小さいお子さんがいるご家庭などでは、温水式の床暖房を選択する方も多いです。
安全面で考えた場合、温水式の床暖房が勝っていると考えられるでしょう。
ホットカーペットは暖房効率が悪い?床暖房対応では?
ホットカーペットを敷く場合と床暖房対応にする場合を比較したとき、暖房効率による違いは大きいです。
繰り返しになりますが、ホットカーペットは伝導式で触れている部分しか暖まりません。
お部屋全体を暖めるには、他の暖房器具も使用する必要があり、暖房効率が良いとは言えません。
つまりホットカーペットは、電気代も安くはなく節電のためには、長時間の使用は控えるといった工夫が必要となるでしょう。
一方、床暖房は床下へも熱が放出されてしまう点では暖房効率にロスがあると言えますが、他の暖房器具と比べたときに、低い設定温度でも十分に部屋が暖かくなります。
また、床暖房は床下への設置で部屋全体を暖めるため、その点では非常に暖房効率が良いと言えます。
繰り返しになりますが、部屋全体が暖まれば、他の暖房器具と併用する必要もありません。
床暖房対応にすると快適性が上がる!乾燥も少ない
最後に、部屋にホットカーペットを敷く場合と床暖房対応にする場合の快適性による違いについて見ていきましょう。
まず、ホットカーペットは、単体で使用する場合には空気の乾燥はあまり気になりません。
しかし、寒い冬にはホットカーペットだけで暖を取ることは難しく、他の暖房器具と併用する場合が多いです。
そのため、どうしても空気が乾燥してしまいます。
また、ホットカーペットの上に長時間座っていると蒸れるような感覚があったり、うっかり寝てしまうと低温やけどをする恐れもあります。
一方、床暖房は快適性がとても高いと言えます。
温風が出ないため、ほこりが舞い上がることも空気が乾燥することもありません。
また、一度部屋が暖まってしまえば、他の暖房器具を使用する必要がないため、乾燥も少なくお部屋の快適性が失われる心配も少ないとされています。
ただ、前述のように温度が上がるには時間がかかるため、タイマー機能を上手に使用するなどして対策すると良いでしょう。
このような点から快適性においては、ホットカーペットよりも床暖房の方が優れていると言えます。
ホットカーペットと床暖房対応では快適性の違いが大きい
ホットカーペットを敷く場合と床暖房対応にする場合について、さまざまな項目で比較してきました。
ホットカーペットは初期費用が安く、手軽に取り入れることができる暖房器具です。
触れている範囲のみ暖かくなるため、他の暖房器具と併用する必要があります。
一方、床暖房はコストがかかりますが、部屋全体が暖まるため快適性が非常に高いです。
空気も乾燥せず、他の暖房器具と併用する必要がない点は床暖房の大きな魅力です。