フローリングなどの床面に敷いたカーペットが滑り、ずれてしまって困ったことはないでしょうか。
カーペットと床面の間の摩擦が小さいことが、滑る原因と言われ、たくさんの滑り止めアイテムが販売されています。
一般的なカーペット専用の滑り止めの特徴や、使用されている素材をもとに、滑り止めの代用となるものを考えてみます。
すぐに実践できる身近なものを使った方法もありますので、是非参考にしてみてください。
カーペットが滑るのは何故?
フローリングなどの床面に敷いたカーペットが滑ってずれてしまうのは、カーペットと床面の摩擦が小さいからです。
例えば、お部屋全体に敷き込んだカーペットは床面との摩擦が大きいうえ、上に乗せたソファやテーブルなどの家具の重量も相まって、ほとんどずれることがありませんよね。
逆に、小さいサイズのラグなどは床面との摩擦が小さいために動きやすく、滑ってずれてしまいます。
また、カーペットの裏素材と床面との相性も関係していると言われています。
カーペットの裏素材として代表的な不織布は、床面を傷つけないという利点はありますが、フローリングとの相性が悪くツルツルと滑ってしまいます。
このことを踏まえて、特に、フローリングの上にカーペットやラグなどをお部屋で使用する際は、滑り止めを使用することをおすすめします。
カーペット専用の滑り止めは、カーペット専門店やホームセンター、100均や通販でもたくさんの種類が販売されています。
今回は、応急処置的な意味合いも含めて、カーペット専用の滑り止めの代用になるものについて考えてみましょう。
一般的なカーペット用滑り止めの種類
まずは、一般的なカーペット専用の滑り止めの種類をまとめておきます。
●両面テープ・・・専用の両面テープでカーペットと床面を固定します。
・テープの裏と表で粘着力の強さが異なるものが一般的
・剥がす際に床面を傷つけにくく、カーペット自体にはしっかりと張り付く
●吸着テープ・・・裏面がアクリル樹脂などを主材とした吸着素材です。
・床面にべったりとくっつかず剥がしやすい
・カーペットに貼り付けたまま洗濯が可能
●滑り止めシート・・・床面とカーペットの間に挟み込んで使用します。
・メッシュタイプのものが一般的
・カーペットのサイズに合わせてカットして使用
各メーカー毎にたくさんの種類の滑り止めが販売されてますが、フローリングなどの床面を傷つけないように工夫され、カーペット自体にはしっかり張り付いてずれないというのが共通の特徴です。
そのまま洗濯が可能なものもありますが、乾燥機の使用は不可であったり、直射日光で劣化してしまうものもありますので、きちんと取り扱い説明書に目を通して使用しましょう。
これらのカーペット専用の滑り止めの特徴をしっかり把握したうえで、代用になるものを考えていきます。
100均の万能ボンドがカーペットの滑り止めに大変身!
前章で挙げたカーペットの滑り止め用両面テープの代用として、ごく一般的な両面テープを使うことは可能ですが、シール剥がしなどが必要なほどしっかりと貼り付いてしまいます。
フローリングなどの床面を傷めないためにも、カーペット専用の滑り止め両面テープの使用をおすすめします。
ここでは、吸着テープの代用品について考えてみましょう。
吸着テープの裏面は、アクリル樹脂を主成分とした吸着素材でしたね。
このアクリル樹脂は、接着剤などに使用される成分でもあります。
実は、カーペットを敷き込む際に、プロはラテックス系のボンドを使用して固定します。
もちろんこのボンドをそのまま利用しても構いませんが、代用品として100均の万能ボンドも利用できると言われています。
万能ボンドにはクロロプレンゴムという成分が含まれていて、この成分が天然ゴムのラテックス系ボンドに類似した効果をもたらします。
カーペットの裏面に万能ボンドを塗布し、しっかり乾かせば滑り止めの代わりになりますが、あくまで代用品です。
一度ボンドを塗ってしまうと剥がすことができないことを、しっかり念頭に入れておきましょう。
そのため、賃貸の場合は、くれぐれもボンドでくっ付けることはしないようにしてください。
退去の際のトラブルに発展してしまいます。
滑り止めシートの素材に着目!ラミネート生地で代用できる!
次は、カーペット専用の滑り止めシートの素材をヒントに、代用になるものを考えてみましょう。
一般的に、メッシュタイプの滑り止めシートの素材にはPVC(ポリ塩化ビニール)が使われています。
このPVCは、私たちの身の回りのあらゆる製品に利用されている素材です。
カーペットの滑り止めとして使うのなら、薄手のものでないとカーペットがごわつき、座った時や足で踏んだ際に違和感が生じて使い心地に影響が出てしまいます。
ここでは、代用品としてビニールコーティングされたラミネート生地をおすすめします。
ラミネート生地はテーブルクロスやランチョンマットなどに使われている生地で、サイズも豊富なうえ安価で手に入れることができます。
小さいサイズのラグなら裏面全体に、大きいサイズのカーペットなら裏面の4隅に、市販の接着剤や両面テープでラミネート生地を貼り付けます。
これだけで床面との摩擦が大きくなり、滑りにくくなると言われています。
カーペットの滑り止め!食品ラップで手早く代用!
ご家庭の身近なものを利用して、今すぐにでもカーペットに滑り止めを付けるというのでしたら、食品用ラップで代用ができます。
手軽にできるうえ、滑り止めとしての効果も期待できるため、是非1度試していただきたい方法です。
しかし、カーペットの裏素材によってはほとんど効果がない場合があるということは、はじめにご理解ください。
食品用ラップの原材料であるポリ塩化ビニリデンは、非常に粘着性が強く、カーペットの下に敷くことで床面との摩擦が大きくなり滑りにくくなります。
手順としては、40~50cmほどラップを出して2重に折ったものを、カーペットの下に敷くだけで完了です。
ラップを敷く位置や枚数は、カーペットのサイズに合わせて決めていきましょう。
お部屋の入り口付近などの人の出入りが多い場所には、多めに敷くとさらに滑りにくくなり、ずれ対策になります。
このように、カーペットの滑り止めの代用として食品ラップを使用する際は、ポリエチレン製のものは粘着力が弱く不向きです。
代用品として使用する前に、食品ラップの原材料の確認をしっかりしておきましょう。
アルミシートで代用!カーペットに断熱と滑り止め2つの効果!
最後にご紹介するのが、初めから滑り止め加工のされたものを、カーペットと併用する方法です。
これまで取り上げてきた代用品とは少し異なり、元よりフローリングなどの床面に敷いてもずれないように作られているため、その効果はより期待できます。
ここでは、断熱シートとして販売されているアルミシートを、カーペット用滑り止めの代用としておすすめします。
この断熱シートも、各メーカーからたくさんの種類が販売されています。
一般的に、カーペット専門店やホームセンターなどで見つけることができる断熱シートの裏面には、滑り止め加工が施されています。
100均などでも断熱シートの購入は可能なのですが、安価な分薄くて、滑り止め加工がされていないものがありますので注意しましょう。
また、表面のアルミ素材面にも特殊な滑り止め加工がされているものもあります。
しっかりと滑り止め加工がされているものは、フローリングなどの床面ともカーペット自体とも滑ることがなく、ずれる心配が少ないです。
そのうえ、もちろん断熱効果もあるため、まさに1石2鳥ですね。
あくまで代用!効果がなければカーペット専用滑り止めの購入を!
カーペットの滑り止めの代用品として、ラップや断熱アルミシートなどを挙げてみました。
また、カーペット専用滑り止めの素材をヒントに、代用品として万能ボンドやラミネート生地なども提示しています。
しかし、カーペットの裏素材や床面との相性によってその効果は変わってきます。
応急処置や試してみるというスタンスでこれらを使用し、効果が得られない場合は、カーペット専用滑り止めの購入をおすすめします。