近年、純和風な住宅は減りつつありますが、和室のよさが見直されて、あえて和室を一室設けているマンションも増えてきています。
畳のある和室を寝室として使用される方も多いと思いますが、「お布団ではなくベッドで眠りたい」、という方もいらっしゃるでしょう。
今回は、畳にベッドを置く際の注意点や和室に合うベッドの選び方、インテリア例についてお伝えしていきます。
畳の部屋を取り入れているマンションも多い?
近年、新築マンションでも、一室に畳の部屋を設けている間取りの物件があります。
その理由の1つに、部屋数が関係していると考えられています。
実際、マンションを購入するにあたって、どこを重視するでしょうか。
金額や立地、間取りのほか、重視するものの1つに、部屋数が挙げられます。
マンションを購入する際、やはり部屋数が多いほうが購入条件としては好まれる傾向にあります。
ただ、マンションはもともとの広さが決められている以上、どうしても1つの部屋の広さに限度があります。
しかしながら和室の場合、例えば5畳くらいの狭い空間でも、狭さを感じにくいといいます。
その理由に、ドアではなく襖で区切られていることが関係しています。
和室にある襖を全て開けることでリビングとつながって、1つの広い部屋として見せることができるのです。
また、襖を閉めることで1つの空間としても独立させることができるため、使い勝手がよいこともメリットとして挙げられます。
最近のマンションでは、昔ながらの畳ではなく琉球畳のように、見た目もおしゃれなものを採用しているところが増えてきています。
このようなことから、近年のマンションでも積極的に畳が取り入れられているのだと考えられます。
次項では、「マンションの和室にベッドを置くこと」について考えてみましょう。
マンションの和室にベッドを置きたい!畳のへこみに注意
前述したように、近年、マンションでも積極的に和室が取り入れられていることも多いです。
マンションの和室にベッドを置きたい、と考えている方もいるかもしれません。
しかし、畳の上にベッドを置くにはいくつか注意点があります。
大切に扱わないと、畳を交換しなければならない事態になる可能性もありますので、しっかりと理解しておきましょう。
●畳のへこみ
フローリングと比べ、畳は柔らかいですよね。
その柔らかい畳の上に、重いベッドを置くとどうなるでしょうか。
ベッドの重みで畳はへこみ、跡がついてしまう可能性があります。
特に、脚付きのベッドの場合、脚の部分に重量が集中してしまうため、へこみが深くなりやすいです。
それだけでなく、ベッドの上で特定の方向に体重をかけるクセがあったりすると、そこだけ畳のへこみが深くなり、ベッドが傾いてしまう可能性も考えられます。
ベッドを移動させる時やベッド下にも注意が必要!
畳の上にベッドを置く際に注意する点は、他にもあります。
●ベッドの移動
マンションの和室にベッドを置きたいと考えている方は、ベッドの配置を変える時にも注意が必要です。
ベッドは大変重量があるものも多く、1人で持ち上げて移動することは難しいこともあるでしょう。
しかし、畳の上でベッドを移動させる際は、くれぐれも引きずらないように注意してください。
もしベッドを引きずりながら移動させてしまうと、畳のイ草を傷つけ、ボロボロの状態にしてしまうことも考えられます。
●ベッド下の湿気やホコリ
さらに、ベッドの下は湿気やホコリが溜まりやすい部分です。
湿気やホコリは、ダニやカビの発生に繋がる可能性も高くなりますので、こまめに換気することやお掃除を行う必要性があります。
また、ヘコミ対策としてカーペットなどを敷く方もいらっしゃるかもしれませんが、余計に湿気がこもりやすくなりますので注意しましょう。
和室にベッドを置く時のポイント!
先ほどご紹介した注意点を踏まえながら、マンションの和室にベッドを置く際のポイントについて考えてみましょう。
●脚付きタイプよりフロアタイプ
畳の上にベッドを置く場合、脚付きのタイプですと重量が集中し、へこみが深くなりやすいです。
そのため、ベッドを選ぶ時はフロアタイプのものがおすすめです。
フロアタイプのベッドは床とベッドの接地面が全て触れる形になるので、ベッドの重量を分散し、畳のへこみにくいといえます。
ただし、まったく跡が付かないわけではありませんので、コルクマットなどをフレームの大きさにカットして下に敷く、という方法を取るとよいでしょう。
●ベッドの配置を考えておく
畳の上にベッドを配置したら、なるべく動かさないようにするのが畳を傷めないポイントです。
ベッドの移動は、どうしても畳を傷つけてしまうリスクが高くなりますので、はじめによく配置場所を考えておくといいでしょう。
●除湿剤やダニ取り剤の使用
先ほどは、「ベッド下の湿気やホコリに注意するべき」とお伝えしましたね。
しかし、傷つきやすい畳の上でベッドを動かすことは少ないと思いますので、掃除や換気を忘れてしまうことも多いでしょう。
その場合は、除湿機能付きマットをベッドの下に置いたり、ダニ取り剤などを使用して、うまく対策していきいましょう。
マンションの和室に合わせるベッド選び!
ではここから、和室に合うベッドについて考えてみましょう。
和室に合うベッドはやはり、和の雰囲気を損なわないもの、そして、圧迫感や狭さを感じにくいものを選ぶことをおすすめします。
素材としては、やはり木製がマストです。
カラーに関しては、茶系のものを選ぶと失敗が少ないでしょう。
ベッドの素材では、スチールやアイアンなどもありますが、無機質な素材のフレームは和室の雰囲気には不釣り合いになると考えられます。
木製フレームを選ぶ時は、マンションの和室に使われている木材や壁の色合いに合ったものを選ぶといいでしょう。
ダークブラウンならダークブラウンを、ナチュラルブラウンならナチュラルブラウンというように、同じような色調のベッドフレームを選ぶことをおすすめします。
こうした方法により、和室にベッドを置いてもうまく馴染ませることができます。
また、基本的に和室に置くベッドは背の高いものよりも、背の低いローベッドが合うといわれています。
ベッドの中でも、床に近い高さのフロアベッドを選べば、和室との相性もいいですし、畳のへこみを軽減させることもできます。
さらに、マットレス部分が畳でできた畳ベッドもおすすめです。
畳が素材でできている畳ベッドは、当然ながら和室によく合うため、和の雰囲気を損なうことなくベッドを設置することができるでしょう。
和室にベッドを置いたインテリアコーディネート
マンションの和室の雰囲気を損ねずにインテリアコーディネートするには、やはりベッド選びが重要になります。
ただし、単純に和室にベッドを置いただけでは、素敵なお部屋にはなりません。
和室にぴったりなベッドを配置することができたら、さらに素敵な空間に仕上げてみましょう。
ここでは、畳を活かしたインテリアコーディネートをお伝えしていきます。
●照明に一工夫を!
和室にベッドを置いて寝室にするのなら、ぜひとも照明に一工夫加えてみましょう。
寝室に配置する照明はろうそくや、灯火などの温かみのある優しい光を連想させるものがおすすめです。
照明の中には、和紙でできているものや竹で作られているものがあります。
和テイストに合う照明を取り入れれば、さらに落ち着ける素敵な空間を作り出すことができます。
●格子柄のアイテム
格子柄のアイテムは、和を思わせるインテリアとしてぴったりです。
格子柄のウッドパネルや収納ボックスなどを、寝室である和室に取り入れてみてはいかがでしょうか。
カラーはもちろん、ナチュラルなブラウン系を選ぶといいでしょう。
和室にベッドを置いてモダンな空間を作ろう
和室にベッドを置く時の注意点や、和室に合うベッドなどについてご紹介しました。
近年、マンションでは和室を設けている物件も増えてきています。
どうしても和室にベッドを置きたいのであれば、畳への配慮を忘れないこと、そして和室の雰囲気を損なわないように工夫して、インテリアコーディネートするようにしましょう。
和室とベッドを組み合わせて、おしゃれでモダンな空間にまとめてみてください。