学校やオフィス、自宅などで椅子を使うことはありますが、中でも油圧式の椅子を使う機会は多いかと思います。
基本的に、椅子は永く使えるものですが、寿命はどれくらいなのか、知らない人がほとんどです。
今回は、油圧式の椅子の寿命や特徴、故障した場合に修理可能なのかという点についてご紹介していきます。
現在使っている椅子が油圧式の場合には、是非参考にしてみてください。
椅子には主に2種類ある!油圧式とガス圧式
学校やオフィス、自宅などで使われている椅子には、主に2種類のタイプがあります。
それは、「油圧式」の椅子と「ガス圧式」の椅子の2種類です。
どちらもレバーを引くことで座面の高さが調節可能になっている椅子で、よく見かけるかと思います。
しかし、寿命や修理方法などに違いがあり、それぞれで長所と短所があります。
油圧式の椅子は、基本的には長寿命であることが多く、ガス圧式の椅子は、油圧式の椅子と比べるとやや寿命が短い印象があります。
この比較については後述していきますから、そちらを参考にしてみてください。
油圧式の椅子は100年以上も前に生まれ、それ以来、永きに渡って人々に愛されてきました。
しかし、ガス圧式の椅子の登場によって、最近では、徐々に製造される数も減ってきているようです。
皆さんの使っている椅子が、油圧式の椅子なのか、ガス圧式の椅子なのか、今一度確認してみましょう。
油圧式の椅子の仕組みを理解しよう!
油圧式の椅子の仕組みについてご紹介していきます。
どのような仕組みによって、椅子の座面が上がったり下がったりするのでしょうか。
普段何気なく使っていると、そのようなことをあまり気にしませんが、この機会に知っておきましょう。
まず「油圧」ですが、これは椅子に限らず、様々なものに使われています。
油圧ジャッキや油圧ポンプなど、聞いたことや目にしたことがあるかと思います。
油圧とは、油を密閉された中に閉じ込めて、そこに生じる「圧力」を利用して物体に力を伝えることを言います。
油圧式の椅子も、シリンダー内に油が閉じ込められていて、レバーを引くことにより、中の油の圧力を利用して座面を持ち上げる仕組みになっています。
この油圧の力が強いため、レバーを引くという簡単な操作だけで、椅子の座面を上下できるようになっているのです。
座面を持ち上げる時には圧力がかかり、座面を持ち上げますが、座面を下げる時には圧力が抜けて座面が下がる、といった仕組みになっています。
普段何気なく使っている椅子には、このような仕組みがあるのです。
油圧式の椅子の寿命には、この「油」が大きく関わってきます。
では、油圧式の椅子の寿命について、次項でご紹介していきます。
油圧式の椅子の寿命はどれくらい?寿命の目安は
油圧式の椅子の寿命は、どれくらいなのでしょうか。
多くの人は、寿命を気にせずに使っているはずです。
油圧式の椅子は、椅子に負担をかけすぎたりしない使い方であれば、半永久的な寿命があると言われています。
しかし、日常の生活の中では、中々難しいことかもしれません。
思わずドサッと椅子に座ったり、背もたれに寄りかかって体重を預けてしまったりと、多くの人に当てはまる行動なのではないでしょうか。
こういったことが積み重なると、油圧式の椅子の寿命はどんどん縮んでしまいます。
もし、油漏れしているようであれば、すでに寿命であると言えます。
油圧式の椅子の最短寿命としては、2年~3年ほどと言われています。
普段乱暴な使い方ばかりしていれば、すぐに寿命を迎えてしまうということになりますね。
また、適切な使い方でない場合も、上記のような寿命になってしまうことがあります。
それに対して、長い場合だと、10年~30年ほどにも寿命は延びます。
大切に使うことによって、より長寿命になるのです。
もちろん椅子の品質によっても寿命は前後しますが、上記の期間を目安にしていただくといいでしょう。
油圧式の椅子が故障した場合は修理可能?
油圧式の椅子が油漏れをしていて、寿命を迎えた時には、修理することは可能なのでしょうか。
油漏れの原因としては、内部のゴムパッキンの劣化によるものが多いですが、このゴムパッキンは構造上、交換することが難しいのです。
そのため、油圧式の椅子の場合は、ほとんどが修理不可能であると言えるでしょう。
もし、使っている油圧式の椅子が故障してしまった場合には、新しい椅子に買い替えるということになります。
また、使っている椅子が油漏れをしている場合には、注意しなくてはいけないこともあります。
油圧式の椅子に使われているのは、主に燃えにくい性質の油ですが、そのまま油漏れを放置していると、火災の可能性もあります。
油漏れを発見した場合には、買い替えの検討と共に、油を拭き取っておきましょう。
新聞紙を漏れている箇所に巻きつけておくなど、処置が必要になることを覚えておいてください。
ガス圧式の椅子は修理可能?
油圧式の椅子は、寿命を迎えた場合には、ほとんどが修理不可能であることがわかりました。
それに対して、ガス圧式の椅子はどうなのでしょうか。
ガス圧式の椅子は、修理することができるのかどうかについてご紹介していきます。
ガス圧式の場合は、椅子の支柱の中にガスを充填させたシリンダーが入っています。
このガスシリンダー内のガスの圧力で椅子の座面を上下する仕組みになっているのですが、このガスは経年により、抜けてしまうことがあります。
ガスが抜けてしまうと、椅子の座面を持ち上げることができなくなり、故障、寿命ということになります。
油圧式の椅子の場合は、部品の交換はできないタイプが多いのですが、ガス圧式の椅子の場合は、このガスシリンダーを交換することが可能です。
ガスシリンダーは市販されているので、こちらを交換することで修理可能となっています。
油圧式の椅子とガス圧式の椅子の寿命を比較
ここまで、椅子には2種類あり、油圧式とガス圧式の椅子があるとご紹介しました。
この2種類のタイプでは、寿命も異なります。
油圧式の椅子とガス圧式の椅子では、寿命にどれくらいの違いがあるのか、比較してみましょう。
油圧式の椅子の場合は、短くて2年~3年、長い場合だと10年~30年ほどでした。
それに対して、ガス圧式の椅子の場合は、5年~10年ほどと言われています。
もちろん使用環境によっては、どちらの寿命も前後します。
基本的には、ガス圧式の椅子のほうが寿命は短いことが多いです。
しかし、上記でもご紹介したように、油圧式の椅子との違いは「修理が可能である」ということです。
ガス圧式の場合は、座面の上下の仕組みはシリンダー内のガスの圧力を利用したものになります。
このガスシリンダーは、市販されていることもあり、交換することで修理可能となっています。
そのため、寿命は短いですが、交換することで引き続き使うことが可能なのです。
大切に使うことで油圧式の椅子は半永久的に使える!
今回は、油圧式の椅子の寿命や仕組みについてご紹介してきました。
普段の生活では、椅子を大切に使おうと意識していても、ついつい乱暴な使い方になってしまいがちです。
より永く使いたい場合には、丁寧に扱うことで約30年もの間使うことができます。
一度故障してしまうと、修理も難しいことがほとんどなので、これを機に大切に使うことをより意識してみるのはいかがでしょうか。