「クッションフロア」は、賃貸でも使われることが多い床材です。
クッションフロアは、水に強くて利便性もあるため、扱いやすいことがメリットです。
人気の床材ですが、その他にはどのような特徴があるのでしょうか。
賃貸でのクッションフロアの注意点や張り替え費用と併せてご紹介します。
また、クッションフロアのお手入れ方法もご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
賃貸でよく使われるクッションフロアとは?メリットとデメリットもご紹介!
よく聞くクッションフロアという床材ですが、そもそもどのようなものなのでしょうか。
近年では、賃貸の床にクッションフロアを使用している場合が多くなってきました。
以前はトイレやキッチンといった水回りの床にだけ使用することが多かったのですが、最近はリビングや寝室など、フローリングに見えるところは全てクッションフロアを使用している場合も珍しくありません。
一般的にフローリングといわれるのは、合板に薄い板を張り合わせたタイプのものから、天然の木材を使用したタイプなど、「木」でできているものを指します。
一方、クッションフロアは「塩化ビニール」を使用しています。
合板の上にサイズを合わせたシートを接着剤等で張り付けるだけですので、工事が手軽です。
名前の通り、ふかふかとしたクッション性があるため、足腰に負担が掛かりにくいという特徴もあります。
また、一般的なフローリングに対して、破損した場合は比較的安価に張り替えができるというのも、賃貸においては大きなメリットとなるでしょう。
しかし、注意点としては、重い家具を長期間置いておくとへこんでしまう場合があることです。
その他にも、水に強いクッションフロアですが、油断するとカビが生えてしまうことがあるので注意してください。
賃貸を退去する場合クッションフロアの張り替えは必要?
2~3年ほどのあまり長くない入居期間でも、クッションフロアの張り替えをしなければならない場合がほとんどです。
その理由の1つとして、家具を置いていた場所に生じたクッションフロアのへこみがあげられます。
家具等でのへこみでも、クッションフロアの張り替え費用は負担しなければならないのでしょうか。
賃貸物件を退去する際は、原状回復が原則とされています。
原状回復とは、賃貸物件を退去する際に、入居時のきれいな状態にして貸主に返すことです。
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によると、通常使用で生じた汚れや傷み、年数経過による劣化は貸主の負担となります。
家具は入居すれば誰もが設置をするものですし、床のへこみは想定内とされています。
このようなことから、通常使用・年数経過の劣化の範囲内とされ、張り替え費用は貸主の負担となるケースがほとんどのようです。
しかし、賃貸契約書に借主側負担とあらかじめ記載がされている場合は、借主が負担することになるので、賃貸契約書もよく確認してみてください。
クッションフロアの張り替え費用の相場とは?
もし、クッションフロアにカビが生えてしまっていたり、賃貸契約上張り替え費用が借主負担だった場合は、どのくらい費用がかかるのでしょうか。
クッションフロアの張り替え費用は、1平方メートルあたり3,000円前後が相場となっています。
クッションフロアのロール幅は、1.8メートルが基準です。
そこで、6畳の部屋の場合は大体どのくらい費用がかかるのかみてみましょう。
1畳が180センチ×90センチ、6畳の長い方は3.6メートルとします。
1.8メートル(クッションフロアのロール幅)×3.6メートル=6.48平方メートルになります。
そして、1平方メートルあたり3,000円として、損傷箇所が1.8メートル幅に収まるとしましょう。
そうすると、6.48平方メートル×3,000円=19,440円ほどかかる計算になります。
また、廃材処分費用や施行費用などで10,000円ほど上乗せとなりますので、実際は30,000円くらいになりそうですね。
もし、損傷箇所がクッションフロアの継ぎ目部分でまたがってしまうというときは、全面張り替えとなりますので、更に6.48平方メートル×3,000円=19,440円を加算することになり、諸費用を合わせると50,000円ほどかかる可能性があります。
また、トイレや洗面所のようなあまり広くない小さな空間を張り替える場合でも、20,000円~30,000円くらいになってしまうこともあるようです。
張り替え費用は、下地への傷付き具合によっても大きく変わってきます。
少しでも出費を抑えるためにも、なるべくクッションフロアがへこまないように工夫をしたり、カビが生えないように注意をする必要があるでしょう。
賃貸に多いクッションフロアにカビが生えてしまう理由とは?
賃貸に多いクッションフロアですが、油断するとカビが生えてしまうというのがデメリットであると先程お伝えしました。
あまりにもひどいカビの場合は、クッションフロアの張り替えが必要なこともあります。
まず、カビが生えやすい環境を確認しておきましょう。
カビは、65パーセント以上の湿度と25度程度の室温で発生しやすくなります。
湿気の多い日本の梅雨の時期はまさにこのような環境ですので、普通に暮らしているだけでもカビが生える可能性があります。
また、カビが生えやすい原因として、「クッションフロアに直接布団を敷くこと」というのがあります。
人間が睡眠中にかく汗は、一晩でコップ1杯分ともいわれています。
この汗が敷布団やシーツを通してクッションフロアにたどり着き結露になる、というのを何度も繰り返していくと、カビが生えてしまうのです。
そこで、直接布団を敷くのではなく、布団とクッションフロアの間にタオルを挟んでみましょう。
汗はタオルが吸ってくれるため、クッションフロアまで届きにくくなり、カビが生えるのを防げます。
そして、汗を吸ったタオルは毎回取り替えれば衛生上問題ありません。
また、除湿シートなどの便利なアイテムを使用してみるのも、湿気対策にはオススメです。
張り替えとなる前に!クッションフロアにカビが生えたときのお手入れ方法
賃貸では、クッションフロアにカビが生えてしまった場合は、退去の際に張り替え費用を負担しなければいけない場合がほとんどです。
ひどいカビならば、張り替えをしなければいけないかもしれませんが、少しのカビであれば除去することも可能です。
それでは、簡単なカビ取り方法をご紹介します。
①フローリングワイパーなどを使ってカビを拭き取ります。
②掃除機を使ってきれいにしていきます。
拭き取る前に掃除機をかけてしまうと、カビの胞子が部屋中にまき散らされてしまうのでやめましょう。
もし、カビを拭き取れなかった場合は、薄めたエタノールをたっぷりと吹き付けてから、食器用洗剤を含ませた雑巾でカビを集めるように拭いていきましょう。
その後に、水に濡らして固く絞った新しい雑巾で、洗剤を残さないように拭き取ります。
しかし、エタノールはクッションフロアを変色させてしまう可能性があります。
そのため、目立たない場所で試してみてから使ってみるのがオススメです。
また、塩素系漂白剤のカビ取り剤を使う方法もありますが、クッションフロアを傷めてしまうこともあるので、エタノールと同様に目立たない場所で試してから使用してください。
クッションフロアのへこみ対策をしよう!
クッションフロアのへこみは、賃貸の場合は張り替えの対象にならないケースが多いですが、契約によっては張り替え費用を借主が負担する可能性もあります。
クッションフロアのへこみ対策は、引っ越しをして家具の搬入をする前に行いましょう。
クッションフロアのへこみは、家具の脚の部分に全体の重さが集中し負荷が掛かることが原因です。
そのため、有効な対策は家具の脚の下に板やマットを敷くことです。
家具の脚より、少し大きめの板やマットを選ぶと良いでしょう。
そうすることによって、家具の重さが分散されてクッションフロアがへこみにくくなります。
また、クッションフロアがすでにへこんでしまった場合、温めることで元に戻る場合があります。
少し離れたところから、ドライヤーの温風を当てて、1分ほど温めてみましょう。
ただし、あまり長い間当ててしまうと、クッションフロアが溶けてしまうこともあるので要注意です。
クッションフロアは賃貸退去の際に張り替え費用を負担することもある!
賃貸契約によりますが、クッションフロアはカビやへこみなどで張り替え費用を負担しなければならない可能性があります。
そこで、普段の使用方法やお手入れが大事になってきます。
直接布団を敷いたり、水気を放置するのはカビが生えやすくなるため要注意です。
もし、カビが生えてしまったら、ひどくなる前に拭き掃除しましょう。
また、へこみが生じないように、家具の脚の下に板やマットを敷いて予防するのも効果的です。