カラーセラピーという心理療法があるように、無意識に見ている色は、人の心身に少なからず影響を及ぼします。
そこで、毎日目にするカーペットの色を選ぶ時には、その部屋をどんなイメージにしたいのか考えることをおすすめします。
それぞれの色の効果を知って、目的に合ったインテリアコーディネートに役立ててください。
白いカーペットで一味違う部屋に!白色の効果とは
清潔感があってお部屋を広く見せてくれる色といえば白です。
白からイメージされるのは何でしょうか。
真っ白なシャツ、ミルク、綿、天使の羽、そして雪。
一面の雪景色には息をのむ迫力があり、わくわくした気分になる方も多いでしょう。
天井や壁も白で、インテリアにも白を多く使うことで、生活感を感じさせない空間にすることができます。
何も描いていない画用紙のイメージも白ですから、「はじまり」「可能性」なども連想させ、男女問わず好感度が高い色です。
一方で「冷たい」「味気ない」「潔癖」などのイメージを持つ方もいるでしょう。
センスが問われる色です。
インテリアをすべて白にしてしまうと殺風景な印象になるため、アクセントとなるアートや家具を効果的に配置する必要があるでしょう。
また、散らかっていたり掃除が行き届いていないと目立ちますので、美しい状態を維持するのが難しい色でもあります。
シミや汚れは強力な漂白剤を使えば白さを取り戻すことができますが、繊維を傷めてしまうリスクがあります。
カーペットに取り入れるなら純白よりもオフホワイトやアイボリーなどのほうが挑戦しやすいかもしれません。
ナチュラルで落ち着くベージュ・ブラウンのカーペット!
次に取り上げる色はベージュです。
インテリアになじみやすく、お部屋を広く明るい雰囲気にすることもできるので、多くの方に選ばれています。
安心感があってリラックスできますし、ベージュ系のカーペットは多いので、いろいろな柄から選ぶことができます。
中でもリーフ柄には上品な落ち着きを感じます。
ご家族でくつろぐリビングをセンスよくコーディネートすることができるでしょう。
また、ブラウンのカーペットも自然な色合いなので、さまざまなインテリアになじみます。
「土」をイメージさせるブラウンには心を落ち着かせる効果があるでしょう。
壁や天井がブラウン系であれば、同系色で合わせてシックなイメージを演出できます。
モダンで高級感あるお部屋づくりにも重宝しますし、男前なインテリアともマッチします。
素材や色の濃さによって与える印象は幅広いので、オリエンタルなインテリアやナチュラルなインテリアなど、テイストに合わせて選びましょう。
グレーや黒色の効果!
次に登場するのはグレーです。
グレーもベージュと同じで、どんなインテリアにもなじみやすい色合いです。
少し地味だと思われるかもしれませんが、インテリアの色や形が映えます。
素材や品質によっては、シックな高級感を演出することができます。
毛足の長いグレーのカーペットは、ロシアンブルーの猫のようなミステリアスな魅力があります。
気高さや慎み深さを感じさせる効果があるでしょう。
しかし、コンクリートや曇り空のイメージもあり地味ではっきりしない色なので、他の家具やファブリックは明るい色合いにしたほうが洗練されるかもしれません。
次は黒です。
黒はクールでモダンなイメージがある色です。
インテリアをモノトーンで統一し、差し色としてビビッドな赤や青を加えることで、映画やドラマに出てくるようなセンスのいいインテリアが実現します。
黒はバランスが難しく、センスが足りないと重苦しいイメージになってしまうこともありますが、ドラマチックなお部屋にしたいなら挑戦したいものです。
観葉植物やアートとも相性がいいでしょう。
間接照明によって生まれる影にもこだわって、特別な空間を演出してみてはいかがでしょうか。
赤系のカーペットの効果!
続いて、赤系の色の効果についてご紹介していきます。
燃え盛る炎をイメージさせる赤は、情熱、暖かさを感じさせ、食欲を増す効果があります。
アドレナリンが分泌されて興奮状態になることもありますので、寝室のカーペットとしてはおすすめできません。
リビングに使用する場合にも、広く敷き詰めるというよりはアクセントとして部分的に取り入れた方がセンスよく見えるでしょう。
ソファの前に丸みのあるラグを敷いてモードな雰囲気にする方も多いようです。
ただ、同じ赤系でもビビットな赤ではなく、エンジ色に近い暗めの赤や落ち着いた柄のカーペットであれば、広い範囲に敷いても、そこまで派手にはなりません。
また、壁や家具がすべて黒やグレーの個性的な部屋にもマッチします。
「赤は派手だから難しいのかな」と思っている方も、大好きな色であれば、ぜひ取り入れてみてください。
さらに、ガーリーで優しいイメージの部屋にしたい場合はピンクのカーペットもいいでしょう。
女の子のお部屋に人気があります。
同じピンクでも桃の花のような柔らかいピンクにするか、ショッキングピンクにするか、暗めのピンクにするかで雰囲気は全く違う風に見えます。
灰色がかったピンクや白っぽいピンクならガーリーになりすぎず自然になじみますので、男性でも取り入れることができるでしょう。
青・緑色のカーペットの効果
次は、青の効果をご紹介します。
青は心を落ち着かせる効果があり、寝室に使われることも多い色です。
集中力を高める効果も期待できるので、仕事部屋や勉強部屋に取り入れてもいいでしょう。
青空を思わせる明るい色合いで爽やかな雰囲気にしてもいいですし、紫に近い上品な青でエレガントな雰囲気にすることもできます。
青系を基調とした、グラデーションカラーのカーペットも人気があります。
清潔感があって知的な色ですが、明るい青はかなり目立つので、インテリアのイメージを思い描きながら選んでください。
また、食欲をなくす効果があると言われていますので、ダイニングルームなどの食事をする場所に敷くことはおすすめできません。
美味しく食事を楽しむ場所には、赤系かナチュラルカラーがいいでしょう。
次に緑ですが、安定感があってリラックス効果のある色です。
目を休ませ、緊張感を緩和し疲れを癒す効果も期待できます。
明るい緑は芝生を連想させ、お部屋を明るくナチュラルな空間にしてくれます。
一方で落ち着いたクラシックな緑なら上品な空間にすることができますし、模様替えしたくなった時にも使いまわしができるかもしれません。
カーペットの色は部屋とのバランスが重要
「部屋を広く見せる効果をねらうなら、淡くて明るい色合いを選ぶ」とよく言われます。
それも一理ありますが、天井や壁、カーテンとの調和も重要です。
天井や壁と色味が違うと、淡い色を選んでも合わない場合があります。
極端な例ですが、明るいイエローに塗った壁に明るいピンクを合わせるよりは、同系色か、色味が近いカーペットを選んだほうが広く見えるでしょう。
カーペットを選ぶ時には、お部屋の色とのバランスを考えることが大切です。
また、インテリアのイメージに合わないカーペットでは、それ自体の見た目がどんなにオシャレでも、ちぐはぐに見えてしまいます。
北欧系、ナチュラル系、モード系などテイストを統一して選ぶようにしましょう。
模様替えが好きな方なら、シンプルな無地のカーペットを選んだほうが長く愛用できるかもしれません。
そして、お部屋の用途に合ったカーペットの色を選ぶことも大切です。
寝室であれば優しい色、リビングは誰が訪れても落ち着くような色、趣味の部屋は大好きな色にするなど、それぞれのお部屋でどう過ごすのかを考えて選ぶことをおすすめします。
カーペットは大きさのバランスや素材も大切
壁や天井を塗りかえるのは大変です。
しかしカーペットなら、交換するだけで部屋のイメージを一変させることができます。
今回はそれぞれの色の効果をご紹介しましたが、色から感じるイメージは人それぞれで好みもありますので、すべての方に同じ効果があるわけではありません。
また、気分によっては大好きな色をうるさく感じたり、地味な色が心地よく感じたりすることもあると思います。
ですから、色だけではなく大きさのバランスを考えることや、手触りがよく長持ちするカーペットを選ぶことも大切です。