高齢者や障害のある人と一緒に暮らしていると、「ユニットバスに手すりを設置したい」と思うようになるかもしれません。
手すりがあれば、滑りやすい浴室内での転倒防止などに繋がるため、より安全に、より安心して入浴を楽しむことができるようになるでしょう。
また、浴槽内に入る際などにも、立ち上がりの負担を軽減することができます。
賃貸では取り付けが難しい場合もあるので、マイホームをお持ちの方を対象に適切な位置をご紹介していきます。
ユニットバスの浴槽の深さで手すりの位置は違う!
手すりは、ユニットバスの浴槽の深さによって、適切な取り付け位置が異なってきます。
手すりを設置したときに、最も使いやすく、体への負担が少ない位置に取り付けていきましょう。
ユニットバスの浴槽の深さは、各家庭で異なっていることが多いため、様々な深さを想定して適切な手すりの位置をご紹介していきます。
手すりの設置を考えている人は、まずは、自分の家のユニットバスの浴槽がどれくらいの深さなのかをしっかりと確認しておきましょう。
その後、自分の家のユニットバスの浴槽の深さにあった手すりの位置を知っていきましょう。
また、ユニットバスの構造の違いによっても、手すりの適切な位置は微妙に異なってくるので、実際に使う人の意見を取り入れてみることもおすすめします。
では、様々な浴槽の深さで適切な手すりの位置をご紹介していきます。
ユニットバスが標準的な深さの浴槽だと手すりの位置はどれくらいがいい?
まずは、ユニットバスが標準的な深さの浴槽だった場合の、適切な手すりの位置についてご紹介していきます。
標準的な深さとしては、深さ50cm~55cmくらいの浴槽の場合が一般的に標準であることが多いため、このくらいの深さの浴槽を標準としてお伝えしていきます。
もちろん、標準かどうかは人それぞれかも知れませんから、深さ50cm~55cmくらいの浴槽が自分の家と当てはまる人が参考にしてください。
浴槽の近くに設置するのは、L型の手すりがいいでしょう。
L型の手すりを使えば、2ステップで立ち上がることができるので、負担も少なく立ち上がりやすいはずです。
まず、浴槽に寄りかかった状態から、背中を起こし重心を前の方に移していきます。
その後、膝を曲げてお尻の下に折り曲げるように足を引いていきます。
この動作はL型手すりの横部分を掴んで行なうと楽です。
そして、縦部分の手すりを掴んで立ち上がります。
このときの、手すりの位置ですが、L型手すりの下部分は、浴槽の縁から10cm~15cm上になるように設置するといいでしょう。
L型手すりの上部分が、立ち上がったときの姿勢で体の少し前方になる位置です。
使う人の身長や姿勢によって異なるので、使う人に実際に確認しながら取り付けていくといいでしょう。
このとき、お風呂のふたなどが手すりとぶつからないか確認しましょう。
浴槽が深いユニットバスの場合の適切な手すりの位置は?
次に、ユニットバスの浴槽が深い場合の適切な手すりの位置についてご紹介していきます。
この場合の深さは、先ほどよりもさらに深い、60cmくらいの浴槽の場合でお伝えしていきます。
浴槽が深い場合は、上記で取り上げたL型手すりではなく、I型の縦の手すりを設置するのがいいでしょう。
もちろん縦にも横にも設置して使える真っ直ぐな形状のため、わかりやすいようにI型としています。
それでは、どのような位置に設置していくのがいいのでしょうか。
浴槽が深くて狭い場合は、体の真横で浴槽の縁近くに横の状態で手すりを設置しても、立ち上がりづらいことが多いです。
そのため、体の少し前方にくるよう、縦の状態で手すりを設置しましょう。
もしくは、体の正面の壁に横の状態で手すりを取り付けると、体を引き上げるように立ち上がることができます。
高さは、前にかがんで手を伸ばして掴める程度の高さがいいでしょう。
また、取り付ける際には、立ち上がるときに手すりに体がぶつからないか、なども確認してください。
浴槽が浅いユニットバスの場合はこの位置に手すりがあると楽!
次に、ユニットバスの浴槽が浅い場合の適切な手すりの位置についてご紹介していきます。
ここでは、やや浅めな45cmくらいの場合でお伝えしていきます。
浴槽が浅い場合には、L型の手すりが浴槽に入る際にも、浴槽から出る際にも安定した姿勢で出入りを行なうことができるようになるのでおすすめです。
まず、浅い浴槽の場合だと、浴槽に入る際にまたいだとき、頭が下がりがちになります。
このため、視界が狭くなり、バランスも崩しやすいです。
そんなときに、横に手すりがあれば、バランスも崩しにくくなり、体を支えることができるようになります。
また、浅い浴槽の場合だと、入浴中の姿勢は体を後ろに倒した状態での入浴になるかと思います。
もちろん全ての人、家でそのようになるとは限りませんので、ご了承ください。
体を倒した状態から出る場合には、一旦体を起こす動作が必要になります。
そのため、浴槽の縁から10cm~15cmほどの高さにL型手すりの横部分が来るように設置しましょう。
そして、L型手すりの縦部分は体の前方になるように設置しましょう。
立ち上がり方としては、標準の深さの浴槽から立ち上がるときと同じようなイメージでいいでしょう。
このときも、手すりが体にぶつからないかなども確認しておきましょう。
ユニットバスの出入り口にも手すりがあると便利!
ユニットバスの出入り口に手すりを設置することも、ユニットバスを利用する上で便利になります。
このときの手すりの適切な位置についてご紹介していきます。
浴室の出入り口は、一般的に滑りやすかったり、段差があることが多いため、転倒など体のバランスを崩しやすい場所になることが多いです。
もちろん全ての家でそうであるとは限りません。
しかし、このときに手すりを設置していることで、バランスを崩しにくく、安定した状態でドアの開閉を行なえ、出入りも安全に行なうことができようになるでしょう。
ユニットバスの出入り口の手すりの適切な位置は、ドアの横の壁に、床から100cm前後がいいとされています。
もちろん利用者の身長などによっては微妙に異なるので、確認しながら設置していきましょう。
また、脱衣所などもある場合には、ドアまでの通路に横手すりがあると、移動も楽になるでしょう。
このときの高さは、床から75cmほどが適していると言われています。
この高さも利用者に確認して、それぞれで微調整していきましょう。
ユニットバスの洗い場の手すりはこうしよう!
2点ユニットバスの場合、トイレが別になり、洗い場があります。
この洗い場にも手すりがあると、転倒防止や、立ち上がりの際に楽に動作を行なうことができるようになります。
特に、座った状態でシャワーを使ったり、体を洗ったりする場合には、座ったり、立ったりする動作があります。
その際に手すりを設置することで、楽に座り立ちができるようになります。
このときの適した手すりの位置についてご紹介していきます。
取り付ける手すりは、I型の手すりがいいでしょう。
縦の状態で、手すりを設置します。
床から60cmくらいが手すりの下部分になるようにして、上部分が床から120cm以上の高さになるように設置しましょう。
ちょうど手を掴む箇所が、80cm~120cmになるようにすると立ち上がりやすくなります。
このときも利用者と適切な位置を微調整して取り付けていきましょう。
適切な手すりの位置は利用者によって異なる
ここまで、ユニットバスの浴槽の深さによって異なる適切な手すりの位置や、ユニットバスの出入り口の手すり、洗い場の手すりの位置についてご紹介してきました。
しかし、最も重要なことは、実際に手すりを使って入浴する利用者が使いやすいかどうかになります。
今回取り上げた手すりの位置は、あくまで参考になるので、取り付ける際には、必ず実際に利用する人と確認しながら取り付けていきましょう。
そうすることで、今後より安心して入浴を楽しむことができるようになるでしょう。