近年では高齢者の片付けが社会問題になっています。
皆さんのご実家はしっかり掃除がされて、片付いている状態ですか。
中には、モノが溢れかえり「どうにかしなくては!」と思っている方もいらっしゃるでしょう。
しかし、実家ともなるとなかなか思うようにできないものです。
この記事では、実家の片付け・掃除をトラブルなくスムーズに行うためのコツをまとめました。
実家が汚い!片付け・掃除ができていない理由
高齢者の片付けは今や社会問題となっていて、生前整理や遺品整理といった話題も尽きません。
実家へ帰ると明らかに掃除がされておらず、モノが溢れかえり片付けがされていない状態に悩まされている方も多いでしょう。
なぜそのような状態に陥ってしまうのか、まずはその理由を突き止めてみましょう。
《理由1:モノが多すぎる》
何十年も同じ家に住み続けていると、押し入れ・タンス・天袋といった収納にモノが詰め込まれ続けてしまう傾向があります。
また、モノを捨てることに「もったいない」という意識が強くある高齢の方も多くいらっしゃいます。
さらに、モノが多すぎるとおのずと掃除はしづらくなり悪循環に陥ります。
《理由2:思い出の品が捨てられない》
あなたが小さい頃につくった作品や学校のノート、卒業アルバム、服などを大切にとっておいてくれている場合があります。
なかなか処分しづらいものですが、年齢を重ねた分思い出の品は大量にあるはずです。
《理由3:高齢で身動きがとりづらくなる》
高齢になると体力が落ち、だんだんと思うように動くことが難しくなってきます。
そのため、掃除が後回しになったり、モノを片付けるという作業も困難になってきます。
《理由4:実家は自分の家ではない》
結婚をして嫁いだり、巣立って家を出れば自分の家ではなくなるため、思いのまま掃除をしたり片付けをすることはできなくなります。
そのため、実家の掃除や片付けができていない状態であっても客観的に見ているしかできないケースもあります。
強行突破はNG!ご両親の理解を得ることが肝心
実家の掃除や片付けがされていない状態になってしまうには、さまざまな理由があることが分かりました。
しかし、そのような状態のままでは衛生的に良くないのはもちろんのこと、モノにつまづいて転倒する危険もあります。
どうにかしてそのような状態を改善したいものですね。
とは言っても、実家である以上勝手に掃除や片付けをしてしまっては、ご両親も良い気持ちがしないかもしれません。
まずは、ご両親に「一緒に少しモノを捨てよう!」と提案してみることをおすすめします。
しかし、ただ単にモノを捨てることを提案しても納得してもらえない可能性があります。
モノが少ないことはラクであること、転倒すると危険なこと、断捨離が流行っていることなど、納得してもらえそうな理由をいくつか伝えてみましょう。
高齢の方は人生経験が豊富で自分の生き方がしっかりとあるため、片付け・掃除をすることでその生き方や暮らしがより豊かになることを伝えるのも良いですね。
決して、「どうにかして!」「汚い!」「捨てるよ!」などと否定するような一方的な言い方はしないようにしましょう。
片付け・掃除のスタートは実家に置いている自分の荷物から!
実家の片付け・掃除に対してご両親の理解を得られたら、まずはあなたの荷物から手を付けましょう。
断捨離の仕方や片付け方、そして掃除をしたお部屋の快適さをご両親に目で見て納得してもらうチャンスです。
一人暮らしをしているときに不用品を実家に送ったことがある方は、そのまま置きっぱなしになっている可能性もあります。
ダンボールひとつでもなくなり一か所でも片付くと、お部屋の印象がすっきりと変わってくるはずです。
また、冒頭でも触れた「思い出の品」の物量はどうでしょうか。
思い出の品はあなたのモノでもありますが、ご両親の大切なモノでもあります。
そのため全てを捨てる必要はありませんが、取捨の選択をし、もう二度と使わないであろう学用品や洋服などは思い切って処分しても良いでしょう。
完璧を目指さない!断捨離のポイントは「1年の間に使ったかどうか」
さて、この項では、断捨離についてお話しします。
実家の片付け・掃除を本格的に始めていく前に、モノが溢れかえっている場合には断捨離をする必要があります。
しかし、高齢の方の多くはモノを大切にする心があるため「捨てること」に積極的ではないことが多いです。
その理由に、戦後のモノがない時代を経験されてきたというのもあるかもしれません。
そのため、必要なもの以外全てを処分するというのはご両親にとって酷なことの可能性があるのです。
完璧を目指すのは、あなたにとってもご両親にとっても心苦しいものになるため、肩の力を抜いてお互いの考えの丁度良いところあたりを目指すようにしましょう。
そして、断捨離のポイントは、「この1年に使った」または「この1年間使っていない」です。
この2パターンのどちらであるかが明確になると、必要なものであるかどうかが判断しやすくなります。
また、この1年間使っていないものの捨てることに躊躇してしまうようなものがあったら、30日間の猶予を決めて、無理に今すぐ処分しなくても良いでしょう。
実家に再びモノが溢れかえらないように!片付けのポイント
前項では、実家のモノを減らす断捨離のポイントについてお話ししました。
まずは、ごちゃつきがちなサイドボードの上やテーブルの上など小さな場所からスタートしてみるのもいいでしょう。
小さな場所から、ご両親にすっきり感と達成感を味わってもらいながら少しずつ進めていきましょう。
断捨離ができたら、再びモノで溢れかえらないような「片付け方」をする必要があります。
片付けのポイントを3つご紹介します。
《モノの定位置を決める》
文房具は引き出しの一番上、リモコン類はテレビボードの上、薬はテーブルの上のカゴなどと、モノの定位置を決めましょう。
定位置が決まっていると片付けがしやすくなり、その場にほかのモノが追加されることも減ります。
《モノを分散させない》
例えば「本」は、全てひとつの場所に収納しましょう。
料理本をキッチン、雑誌をリビング、小説を寝室などと別々に置くとあちこちに本がある状態になってしまう上に、物量も把握しづらくなります。
分類が同じものは、なるべく同じ場所に片付けるようにしましょう。
《しまいやすさを意識する》
高いところなど取り出しにくい場所には年に数回しか使わないものを収納し、毎日使うようなものは手の届きやすい場所へ片付けましょう。
そうすることで、使ったら片付けるという習慣も付きやすくなります。
このようなポイントを意識して片付けをすると、掃除もしやすくなりますよ。
手軽にラクに掃除を!こまめに行うことが大切
それでは、最後に片付いた状態を維持する掃除のポイントをお伝えします。
長年モノが溢れかえっていた実家であれば、ホコリや汚れがたくさん溜まっている可能性もありますので、この機会にキレイにしておきましょう。
まずは普段なかなかできない、カーテンや玄関マットなど、日頃あまり洗わないものを取り外し、洗濯機にかけましょう。
その間に、台所・浴室・トイレを念入りに掃除します。
各部屋は、「高いところから低いところへ」という掃除の基本どおり、上にあるものから埃を落とし、雑巾で水拭きをしていきます。
ひと通り掃除が終わったら、最後に頑固な汚れに対処しましょう。
普段の床掃除に関しては、ご両親が行うことになるので、クイックルワイパーでウェットタイプのシートを使った床拭きがおすすめです。
ホコリやある程度の汚れを取り除くことができますよ。
また、掃除道具本体が軽く、腰を曲げずに床掃除ができるので、高齢の方でも気軽に行うことができます。
断捨離や片付けをしたこの機会に、普段の実家の掃除方法についても話し合っておけると良いですね。
実家の片付け・掃除は一筋縄でいかないことも!?
実家の片付けとなると、一筋縄でいかないことも多いかもしれません。
どうしても上手くいかないというときには、片付けのプロに頼るのも良いかもしれないですね。
片付けや掃除を行ってくれるサービスや、整理収納のアドバイスをもらえるサービスなどさまざまなものがあります。
ご両親が安心して暮らしていける環境を整えられるよう、ご両親の気持ちや考えを尊重しながら、無理なく行うことが大切です。