テーブルを塗装してアンティーク風に仕上げてみよう!

最終更新日:2020/01/27

古きよき時代に誕生したアンティーク家具は、現代においても魅力的な物です。

インテリアにとり入れる方も多いですよね。

しかし、「高価で手が届かない」「なかなかお気に入りの物に出会えない」といったお悩みもあることでしょう。

そこで、今使っているテーブルを塗装して、アンティーク風家具に仕上げてみませんか?

おすすめの塗料や塗装するときの工程をご紹介します。

貴重なアンティーク家具

アンティークとは、フランス語で骨董品や古い美術品のことを意味し、元々はラテン語で古い物という意味の、「アンティクウス(Antiquus)」が語源です。

アンティーク家具というと、100年以上経過している物という認識がありますが、実際はそんなことはありません。

アメリカでは関税法で制作されてから100年以上経過した物をアンティークとしていますが、アンティーク家具がライフスタイルに密着しているヨーロッパでは、明確な定義は存在していないのです。

100年以上経過しているということよりも、大量生産で作られていない時代に生まれた家具に価値を置いているということですね。

古きよき時代に誕生した家具は貴重な物であり、キレイな状態で残っていることだけでも価値があります。

しかし、価値があるがゆえに、とても高価な物でもあります。

本物のアンティーク家具はとても手が届く物ではありませんが、木材を塗装してアンティーク風家具に仕上げることは可能です。

ご自宅のテーブルを塗り替えて、アンティーク風にしてみましょう。

アンティーク風に塗装したいならブライワックス

深みのある風合いと味わいのある木目は、アンティーク家具ならではの雰囲気をだします。

いつの時代も見守ってきたアンティーク家具の存在は、現代でも使う人の心を癒やしてくれる家具になることでしょう。

今の時代に作られたテーブルを、アンティーク風に塗装するためには「塗料選び」がポイントです。

塗り方を解説する前に、おすすめの塗料をご紹介します。

●ブライワックス(Briwax)

主にパイン材やハードウッド材のための木部用ワックスで、塗るだけで深みのある風合いに仕上げられる優れものです。

ブライワックスはヨーロッパを中心にロングセラー商品となっていて、世界的にも有名な塗料といってもいいでしょう。

カラーバリエーションも豊富にあるためほかの家具とも合わせやすく、手軽にアンティーク風に仕上げることができます。

今回は、こちらのブライワックスを使ったテーブルの塗り替え方法をご紹介します。

塗装の前にテーブルを下準備

それでは、ご自宅にあるテーブルをアンティーク風に仕上げていきましょう。

まずは、下準備です。

テーブルに塗料が塗られている場合は、油分やチリなどによってブライワックス染み込まず、均等に塗れません。

そのため、サンディングをしていきましょう。

無塗装のテーブルを購入してアンティーク風に仕上げる場合は、サンディングの工程は省いていただいて結構です。

表面にあるホコリなどはウエスで拭き取っておきましょう。

▼サンディング

粗目(#100)のサンドペーパーでテーブルの表面を研磨していきましょう。

研磨するときは不要な木材にサンドペーパーを巻き付けると扱いやすいですよ。

そして、中目(#200)のサンドペーパー、細目(#400)のサンドペーパーと目を増やしていき、表面をなめらかにしていきます。

表面がなめらかになったら、ウエスなどで削りかすを拭き取りましょう。

▼ダメージ加工

続いて、味のあるアンティーク風に仕上げるため、あえて傷を付けていきます。

マイナスドライバーやバール、ハサミなどを使って、テーブルにダメージ加工していきましょう。

怪我をしないように注意し、角度を変えながら叩いたり、引っ掻き傷を付けていきます。

テーブルの木目に沿ってブライワックスを塗っていく

サンディングとダメージ加工が済んだら、テーブルをアンティーク風に塗装していきます。

▼水性ステインによる着色

こちらの工程は省略しても構いませんが、あらかじめ着色しておくことで、奥行きのある仕上がりになるためおすすめです。

ブライワックス・ウォーターベース・ウッド・ダイを使って着色していきます。

▼シーラー塗装

こちらの工程も省略しても構いませんが、色ムラを抑える効果があります。

ブライワックスシェラック・サンディング・シーラーを使って、なめらかな表面に仕上げていきましょう。

▼塗装

ブライワックスを塗る際は風通しがよく、換気が十分にできる環境で行いましょう。

そして、皮膚や目に付かないようにゴム手袋とゴーグル、マスクをして汚れてもいい服装で作業を開始します。

樹脂によって色の付き方が異なるため、ウエスなどにブライワックスを付けて、目立たない場所に塗って確認してみてください。

着色に問題がなかったら、テーブルの木目に沿って擦りこむように塗っていきましょう。

ブライワックスをとる量に気を付けながら、薄く均一に塗っていくことがポイントです。

通常、ブライワックスはペースト状なのですが、気温が20度以上になると液体化してしまうため、塗りにくいと感じたら20度以下の涼しい場所に置いてから使いましょう。

テーブル全体に塗り込んだら、30分程度乾燥させます。

塗装したら乾燥させてブラッシング

30分乾燥させたら、ブラッシングをしていきます。

乾燥といっても表面が完全に硬化するわけではありません。

洋服が擦れると色移りが起こりますので注意しましょう。

▼ブラッシング

固めのブラシやタワシなどを使って、テーブルを磨くようにブラッシングしていきます。

ここで磨き足りないと色移りしてしまうため、しっかりツヤが出るまで定着させてください。

思ったよりも色が薄いと感じたら、もう一度ブライワックスを塗装、乾燥、ブラッシングを行います。

▼乾拭き

仕上げに、乾いたキレイな布で表面を軽く拭きます。

1日乾燥させればアンティーク風テーブルの完成です。

アンティーク風の塗装と聞くと大掛かりのようなイメージですが、ブライワックスであれば比較的簡単に深みのある家具に塗り替えられますよ。

なお、塗料の付いた布は自然発火を防ぐため、水に浸けてから破棄しましょう。

ブライワックスで仕上げたアンティーク風のテーブルの弱点

アンティーク風のテーブルに仕上げてくれるブライワックスですが、覚えておきたい弱点もあります。

それは、水と熱に弱いということです。

そのため、直接水がかかる場所や、水拭きを頻繁に行うテーブルには向きません。

例えば、ブライワックスが塗装されているテーブルに氷の入ったコップを置いたとします。

するとコップから結露する水分によって光沢が失われてしまったり、輪っかのような染みができてしまうのです。

食事をするテーブルの場合は透明のクロスを敷いたり、コースターなどを使ってテーブルの表面を守りましょう。

また、木材のため多湿になる場所は避けてくださいね。

ブライワックスを塗装したテーブルですが、永久的にワックスが持続するわけではありません。

毎日乾拭きをしたり、2~3ヵ月に1回上塗りすると、磨きがかかってきます。

また、ブライワックスのフタが取りにくい場合は、お湯で濡らした布をフタに被せて温めると取り外しやすくなりますよ。

生活の中心にアンティーク風テーブル

ブライワックスで塗装すると、何十年も使いこまれたようなアンティーク風家具に仕上がります。

薄めのブラウンから濃いブラウンまでカラーバリエーションも豊富のため、インテリアに合わせて塗装してみてください。

ただし、水や熱には弱いため、本物のアンティーク家具のように大切に扱いましょう。

ご自身で塗装したテーブルは、きっと従来の物より愛着が湧いてきます。