アンティークな家具や雑貨は、使い込まれた風合いがオシャレですよね。
しかし、アンティークとは、ただ古いというだけでなく、骨とう品や古美術品という意味もあり、実際に手に入れるとなると、とても高価なものになります。
そこで、今回は「アンティーク風」にリメイクする方法をご紹介しましょう。
既製品のスツールも、ちょっとした工夫でアンティーク風にできますよ。
スツールの座面を換えるだけでオシャレなアンティーク風に!
スチールの脚にプラスチックの座面というよく見かけるスツールも、座面を換えるだけでオシャレなアンティーク風スツールにすることができます。
【スツールの座面を換える】
①スツールの座面の裏側の構造を確認し、ネジを外し、座面を取ります。
②座面を台紙に写し取り、ネジの場所も入れておきます。
③台紙を座面にする木に貼り、台紙に合わせて切っていきます。
④ネジ穴の位置は、目打ちを刺し込み印をつけておきます。
⑤座面を紙やすりで磨き、滑らかにします。
⑥座面に「ステイン」を塗って、よく乾かします。
⑦完全に乾いたら、目打ちでつけた印を元にネジで座面を固定して完成です。
座面は元の座面とのバランスを見て、丸でも四角でも、好みに合わせたものにしても良いでしょう。
座面に塗る「ステイン」は、木目を際立たせる塗料のことですが、後ほど詳しくご説明します。
スツールの座面に向く木材は、やわらかくて軽い「SPF材」、強度が高くやわらかで加工性に優れた「パイン」、木目がきれいで加工しやすい「スギ」などがおすすめです。
SPF材とは、Spruce(スプルース=ベイトウヒ)、Pine(パイン=松)、Fir(ファー=もみ)の3種の針葉樹を混ぜて作った木材のことです。
スツールをオシャレなアンティーク風に仕上げるには?
それでは、スツールをオシャレなアンティーク風にするためのポイントをご紹介しましょう。
【塗料でアンティーク風に仕上げる】
木材の仕上げ剤と言えば、「ニス」を思い浮かべる方が多いと思います。
しかし、木材をアンティーク風にするには、前述した「ステイン」の方が向いています。
ニスは「膜を作って色持ちや耐久性を高める」ことが目的なので、木目の良さが活きません。
一方、ステインは「自然な木目を活かす」ことが目的なので、木材に浸透し、より木の良さを引き出すことができます。
深く美しい木目を際立たせることで、使い込まれた風合いを出すことができるのです。
ステインには、水性と油性があり、水性のステインは水で薄められるので、扱いも後処理も楽ですが、アンティーク風に仕上げるには、油性の「オイルステイン」がおすすめです。
古来より日本で防腐剤として使われてきた「柿渋(かきしぶ)」も、時間が経つことで風合いが増していきますが、こちらもステインと同じように浸透型の塗料です。
【キズをつけてアンティーク風に仕上げる】
アンティーク風に仕上げるポイントとして、あえてキズをつけるという方法もあります。
金づちややすりなどで表面にキズをつけることで、使い込まれた風合いを出すのです。
キズをつけたあと、ステインを塗ると、オイルの染み込みに差が出てオシャレな仕上がりになります。
既製品の木材スツールをオシャレなアンティーク風に
既製品の木製のスツールをステインを塗るだけで、オシャレなアンティーク風に仕上げてみましょう。
【木製スツールをアンティーク風に仕上げる】
①スツール全体を紙やすりで磨きます。
既製品には、木の表面に接着剤や油分がついている場合があるので、それらを取り除きます。
表面を研磨することで、ステインの染み込みが変わってくるので、しっかり丁寧に行いましょう。
②木材についた木くずを乾いた布できれいに拭き取ります。
③ビニール手袋をして、ステインをよく混ぜます。
よく混ざっていないと、塗ったときにムラができてしまうので注意してください。
④筆や細いブラシを使って、スツールの裏側の継ぎ目など、細かい部分を最初に塗っていきます。
⑤面積が広い座面や脚の部分は刷毛などを使って、一気に塗りましょう。
⑥乾いた布を使って、ステインを刷り込みながら、余分なステインを取り除きます。
色が薄い場合には、2度、3度と塗り、好みに合った色にしてください。
⑦耐久性や色持ちを良くするために、仕上げ剤を塗って乾燥させれば完成です。
シャビーシックでオシャレなアンティーク風スツールを作る
次は、塗料を使って、シャビーシックでオシャレなアンティーク風のスツールを作りましょう。
シャビーシックとは、「古さのなかの上品さや洗練された感覚のこと」を言います。
もともとシャビーとは、「みすぼらしい」「卑しい」という意味がありますが、「熟練」「技術」を表すシックをつけることで、プラスの意味に転じた言葉です。
それでは、やり方を見ていきましょう。
今回ご紹介するのは、くすんだグリーンを基調にした、シャビーシックなアンティーク風スツールです。
【シャビーシックなアンティーク風に仕上げる】
使う塗料はイメージによって変わってきます。
基本的には、ターコイズ、チャコール、ミントなどが良いでしょう。
ホワイトを入れると古びた感じが出しやすいので、ホワイトもプラスします。
いずれも半ツヤなど、光沢をおさえたものを選んでください。
それでは、ビニール手袋をして刷毛を使い塗料を塗っていきましょう。
順番はどの色からでも構いません。
1色目を塗ったら、乾かないうちに2色、3色と塗り重ねていきます。
このとき、「完全に重ねない」ということと、「ベタ塗りにしない」ことを心掛けてください。
バランスを見ながら、ざっくりランダムに塗っていきましょう。
刷毛がないときは、キッチン用のスポンジを切って使ってください。
塗り終わったら、しっかり乾燥するまで1日置きましょう。
シャビーシックでオシャレなアンティーク風スツールを仕上げる
スツールに塗った塗料が完全に乾いたら、仕上げをしていきましょう。
今はまだ、グリーン系とホワイトの塗料がまだらに塗られただけのスツールなので、オシャレ感もアンティーク感もゼロだと思います。
ここから、長年使い込んだような風合いを出すために、サンディング作業を行います。
サンディング作業とは、やすりをかけて表面を削ることです。
紙やすりで削るという方法もありますが、電動ヤスリを使うと作業が早く行えます。
乾いた塗料をやすりで削っていくのですが、このとき、ランダムに塗った塗料が色ムラとして顔を出し、使い込んだ風合いを出してくれます。
また、より強くサンディングをするとアンティーク感が増す仕上がりになります。
全体にアンティーク感が出たら、最後にミディアムブラウンのステインを塗りましょう。
乾いた布にステインを含ませ、色が浸み込み過ぎないようにしながら、拭き取るようなイメージで仕上げていきます。
サビ感を出したいときは、キッチン用のスポンジにステインを含ませ、何箇所かポンポンとつけておくと、古びた質感が出せます。
しっかり乾かしたら完成です。
家にあるものでスツールをオシャレなアンティーク風に
最後に、家にあるもので既製品のスツールをオシャレなアンティーク風にしてみましょう。
【酢+スチールたわし】
これまで何度か登場してきたステインですが、自分で作ることができます。
容器に酢を入れ、スチールたわしを浸し、一晩そのままにしておくと、たわしがサビて酢が変色します。
この赤サビによって変色した酢がステインです。
ここでのポイントは、「金属100%のものであること」と「繊維が細かいもの」を選ぶということです。
そうすることで、早く良質なステインが作れます。
あとは、通常のステインと同じように使ってください。
【酢+水+重曹】
家にある掃除用の重曹を使って、アンティーク風のオシャレなスツールを作りましょう。
水と重曹を3:7の割合で混ぜます。
ドロッとするくらいの濃さに調整して、スツールに塗っていきます。
霧吹きに酢を入れて、全体に吹きかけ、5~10分ほど置いたら、ワイヤーブラシでゴシゴシと全体を擦り、表面を削ります。
擦り終わったら、水で洗い流して乾燥させて完成です。
仕上げにステインや仕上げ剤を塗ると、耐久性も良くなり、見た目も美しくなります。
まとめスツール オシャレ アンティーク
今回は、既製品のスツールをオシャレなアンティーク風に仕上げる方法をご紹介しました。
買うと高いアンティークですが、アンティーク風に仕上げることは、簡単なDIYでできます。
ステインを塗るだけでも、簡単にアンティーク風に仕上げることができるので、ぜひ試してみてください。
また、そのステインも自分で作ることができるので、こちらも合わせて試してみてください。