木製テーブルの仕上げである塗装には様々な方法があります。
パイン材のもつ魅力やテーブルに加工した際の特徴などを踏まえて、特におすすめの手法としてオイル塗装が挙げられます。
オイル塗装がどんなものであるかをご紹介しつつ、なぜパイン材のテーブルにおすすめの塗装方法であるかをご紹介します。
オイル塗装のパイン材のテーブルにつきやすい汚れ対策や、メンテナンス時の注意点なども参考にしてください。
まずはパイン材について知っておこう!
パイン材のテーブルの塗装について考えるにあたり、基本知識として、まずはパイン材がどのようなものであるかをご紹介しておきましょう
パイン材はマツ科の針葉樹の総称で、実際にその種類は50種類以上と言われています。
家具に使用されるパイン材は、ホワイトパイン、イエローパイン、ロッジポールパインが主流です。
比較的安価で木肌が柔らかく加工しやすいという利点を持ちながらも、独特の木目と節があることから癖の強い木材とされ、家具に加工した際に好みが分かれやすいという特徴があります。
しかし、このような癖の強さは自然のままの木の温かみを感じることができる要素と捉えることもできますよね。
パイン材を加工した家具はシンプルでナチュラルな雰囲気に仕上がることから、近年、北欧テイストやカントリーテイストのインテリアとして人気を集めています。
また、パイン材には年月を重ねるごとに白っぽい色味から艶を帯びた飴色に変化する性質もあります。
このように、パイン材は自然の風合いや木の温もりを感じながら、その経年変化を楽しみつつ長く使い続けることができるという魅力溢れる木材であることが分かりますね。
パイン材のテーブルに適した塗装方法を考えてみよう!
木製家具において、塗装はとても重要だと言われています。
まずは、家具表面の保護的な役割といった、機能的な意味合いでの塗装の重要性が考えられます。
また、塗装することにより、艶を出したりなめらかな質感に仕上げたりというような、見た目や手触りといった外観的な印象が随分と変わってくることも塗装が重要視される理由として考えられます。
特に、使用頻度の高いテーブルは汚れやすいうえ、作業時や食事の際に重いものを載せることが多いため天板部分に傷がつきやすいことからも、保護的な役割として塗装を施すことがとても大切です。
もちろん、お部屋のインテリアのテイストを考えるにあたっても、テーブルにどのような塗装が施されたものを選ぶかということはとても大切ですよね。
前項でご説明しましたが、家具に使用した際に、木目や節を活かした木の温かみを感じられ、ナチュラルな雰囲気に仕上げることができるというのがパイン材の大きな魅力です。
つまり、パイン材のテーブルの塗装を考える場合、テーブル天板の保護に加えて上記で示したパイン材の自然の風合いを活かせる塗装方法を選ぶことがとても大切なのです。
パイン材のテーブルに多い塗装方法は?
一般的にパイン材のテーブルに多いとされる塗装方法を3つご紹介します。
●ウレタン塗装
一般的な木製家具に多く採用される、プラスチック樹脂系のウレタン樹脂を使用した塗装方法です。
テーブルの表面がしっかりとコーティングされ傷がつきにくく、割れや反りを抑制する効果も期待できます。
光沢がありしっとりとした仕上がりが特徴です。
●水性ステイン+ワックス塗装
水性の染料である水性ステインを木の繊維内に染み込ませて色をつけ、油性のワックスを上塗りする塗装方法です。
水性ステインは表面に塗膜をつくらないため、木の呼吸を妨げることなく自然に近い状態でテーブルを塗装できるのが大きな特徴です。
水性ステインだけではコーティング効果が弱いため、ワックスで油分を補給して仕上げます。
ワックスを重ねることで、艶を出し撥水効果も期待できます。
●オイル塗装
油性ステインとも呼ばれる、天然植物由来のオイルを主原料としています。
表面に塗布するのではなく、木に染み込ませてテーブル表面を仕上げるのが特徴です。
塗膜をつくらないことから、木の自然の風合いを保つことができます。
使い込むことで自然な艶が生じ、撥水効果も期待できます。
パイン材のテーブルにはオイル塗装がおすすめ!
パイン材のテーブルに多い塗装方法を3つ挙げてみましたが、この中でもパイン材のテーブルに特におすすめしたいのがオイル塗装です。
前項の内容を踏まえて、パイン材の魅力を引き出すためにはより自然に近い風合いを保てる塗装方法が向いていることは、すでにご理解していただけていると思います。
オイル塗装の特徴から分かるように、天然植物由来のオイルを使用し木の内部に染み込ませ塗膜をつくらないことから、パイン材特有の木目や節を活かすことや、木の呼吸を妨げることなく自然のままの状態を保つことができるのです。
もちろん、撥水効果や天板の保護といった基本的な塗装によるメリットも兼ね備えています。
また、テーブルのパイン材特有の経年の色味の変化も楽しむことができます。
さらにオイル塗装には、ご家庭のメンテナンスとして重ね塗りできるというメリットもあります。
定期的にオイルを重ね塗りすることで、黒光りしたような独特な艶が現れテーブル自体の美しさが増しますし、木の繊維に油性ステインが染み込むことで、木自体の強度を高める効果も期待できます。
テーブルに使用されたパイン材の割れや反りを防ぎ、テーブル天板につきやすい傷などの保護にも役立つのです。
このようにオイル塗装は、パイン材の魅力を十分に引き出すことが可能で、愛着あるテーブルを長く美しい状態で使用できるおすすめの塗装方法なのです。
オイル塗装を施したパイン材のテーブル!使用時の注意点は?
パイン材のテーブルにおすすめのオイル塗装ですが、使用時に汚れがつきやすいということを把握しておく必要があります。
例えば、食べこぼしなどによる汚れ、醤油やソースのシミ、コップによる輪染みなどが挙げられます。
後から汚れやシミが取れずに困ったということがないように、きちんと対策を考えておきましょう。
対策方法の1つにビニール製のテーブルマットなどの使用が挙げられますが、このようなアイテムを使用する際には、常時敷きっぱなしにしないということが重要なポイントです。
テーブルに使用されたパイン材の木の呼吸を妨げることになり、せっかく塗膜をつくらないオイル塗装をした意味がなくなってしまいますよね。
オイル塗装したテーブルの汚れ対策としてのおすすめは、ランチョンマットやコースターの使用です。
日々のちょっとした気遣いで、オイル塗装したテーブルにつきやすい汚れを防ぐことができますよ。
オイル塗装したパイン材のテーブルはメンテナンスが重要!
オイル塗装を施したテーブルは、メンテナンスとして油性ステインを塗り重ねることで、艶やしっとりとした質感を取り戻すことができます。
これに加えて、小さな傷やひっかき傷程度なら分かりにくくする効果もあると言われています。
パイン材は柔らかい性質から加工しやすい反面、テーブルに使用した際には天板部分にどうしても傷がつきやすくなってしまいます。
このことからも、オイル塗装を施したパイン材のテーブルの場合、定期的な油性ステインの塗り直しというメンテナンスがとても重要になってくることが分かりますね。
テーブルを購入した際に、メンテナンス用品も一緒に用意しておくことをおすすめします。
塗り方や頻度などの詳細を、テーブルの購入店で確認しておくといいですね。
また、メンテナンスを行う際の注意事項として、油性ステインが植物性のオイルを原料としていることから火気厳禁であることを挙げておきます。
塗り直しの際に使用したウエスなどは、一度水に浸けてから処分するなど十分な注意が必要になることを念頭に入れておきましょう。
オイル塗装についての知識を深めパイン材のテーブルを大切に使おう!
パイン材のテーブルにはオイル塗装がおすすめです。
オイル塗装は、パイン材の魅力である自然のままの木目や節、柔らかな質感を十分に活かせる塗装方法です。
また、ご自宅でオイルの塗り直しというメンテナンスをすることで、艶やしっとりとした質感を取り戻し、傷を目立たなくする利点もあります。
輪染みなどの汚れ対策方法もしっかりと把握し、オイル塗装を施したパイン材のテーブルを長く大切に使っていきましょう。