家具を購入するときに、お部屋の中でどのようなイメージになるのかを想像することはあっても、搬入するときのイメージは中々想像できないものです。
しかし、ソファなどの大型家具に関しては、まずお部屋に入るかどうかが非常に重要となります。
購入してから「搬入できない!」ということのないよう、ソファを購入する前にいくつかの注意点を確認しておきましょう。
購入する前に確認したいソファの納品間口とは
ソファを問題なくお部屋に搬入するためには、まず事前にソファの大きさをしっかりと把握しておくことが大切です。
ソファは種類がたくさんありますが、折り畳み式や部品の取り外しができるものとそうでないものでは、搬入をスムーズに行えるかが変わってきますので、ここも確認しておきたい部分です。
折り畳み式などは形を変えられるので大体の住宅で入れることが可能ですが、背もたれも脚もある一体型のソファを入れる場合には大きすぎて搬入できないということも考えられます。
そのために、まずはソファの納品間口をしっかりと確認しておきましょう。
ソファのような大型家具には、多くに「納品間口」というものが記載されています。
この納品間口というのは、家具を運び込むときの入り口に必要な広さのことになります。
間口は必ずしも玄関やお部屋の入り口でなくてはいけないということはありません。
運び込むお部屋にソファを運び込めるような掃き出し窓などがあれば、そちらでも大丈夫です。
また、間口の記載がなく寸法のみ記載されている場合もありますが、その際には自分で自宅に入るかどうかを検討する必要があるでしょう。
特に注意したいのが、3人掛けの長いソファや、ハイバックソファのように背もたれの高くなっているソファです。
奥行きだけを考えて搬入しようとすると、向きを変えても入らなくなる可能性がありますので注意が必要となります。
次の項では、実際に搬入するときの経路についてご紹介しましょう。
ソファを搬入するための経路は事前に確認しよう
ソファを搬入するためには、事前にしっかりと経路を確認しておくことが大切です。
先ほど間口を確認すると述べましたが、搬入で必要なのは玄関やお部屋の入り口に入るかどうかということだけではありません。
お部屋にたどり着くまでの全ての道を通すことができるかどうかが重要となります。
実際に、玄関やお部屋の入り口を通ることはできる納品間口は確保されているのに、家の造りによって家具が搬入できないということもあります。
そのため、車から降ろした家具をお部屋の中まで運ぶルートは、全て確認しておくようにしましょう。
戸建ての場合には、玄関ポーチに階段を設けていることがあります。
敷地の関係で階段の幅が狭かったり手すりがついている場合や、玄関ポーチの前に目隠しがある場合には、ソファを持って上がれるのか、90度に曲がるのに通れるのかなどということを確認することをおすすめします。
玄関からお部屋までの曲がり角を全て確認し、2階以上に上がる場合には階段の幅やコーナーにも注意しましょう。
また、メゾネットで2階の場合には、玄関を開けてすぐに階段があることが多く、階段幅も狭く作られているのでより注意が必要になります。
一般的な戸建てだと、直線やコノ字型の階段と比べるとU字型のようにカーブがきつい場合には入りにくい傾向があります。
集合住宅では特に搬入ができない場合もある?
さて、戸建ての搬入と比べて、ソファなどの大型家具は集合住宅だと搬入できないというケースが多くあります。
それは、集合住宅だと大体において一軒一軒の専有面積が狭いこと、エントランスやエレベーターなどの共用部分を通る場合が多いことが関係しています。
例えば、共用部分にも扉がある場合やオートロックの場合など、幅だけではなく高さも考える必要があります。
また、エレベーターを利用する場合には、奥行きと高さによってはソファの向きを変えても搬入できない場合があります。
エレベーターが難しい場合には階段から搬入する方法もありますが、階段の幅や踊り場の広さも気に掛ける必要がありますし、高層階のときには階段を使うこと自体が現実的ではありません。
では、小さなアパートやマンションならば簡単かといえば、小さい建物だとその分階段が狭くできている可能性もありますので、どちらにしても難しいと考えます。
さらには、廊下が狭いと玄関へ入れることも難しい可能性もありますので、集合住宅ではより一層経路とソファのサイズを確認しなくてはなりません。
ソファの搬入が途中で止まってしまうと、自分や業者の方が困ってしまうこともありますが、場合によっては近隣の方の足を止めてしまうことも考えられますので、搬入以外のことにも気を配る必要も出てきます。
自分でソファを搬入するときに気をつけることは?
ここでは、どのようにすれば問題なくソファを搬入することができるのか、搬入のときに気を付けたいことをご紹介します。
近年、ホームセンターや家具屋で購入したソファを、自分でお店のトラックを使って運ぶことができるサービスがあります。
もちろん配送をしてもらっても良いのですが、店舗によっては配送料を別途取られてしまうこともあるので、節約のためにも自分自身で配送・搬入をするという方もいらっしゃるでしょう。
そのような場合には、使えるものは自分の手だけとなりますので、搬入にも工夫が必要となります。
まず、経路や間口の問題はクリアしたとして、次に考えるのは運び方です。
素人ではうまく運べずに傷を付けてしまうことも考えられますので、大きいソファで心配な場合には壁や柱を養生しておくと安心です。
ただし、養生によって通路が狭くなりソファが入らないというのは本末転倒ですので、サイズを考えて養生をするようにしましょう。
そして、組み立て式など箱に梱包されているソファの場合には、梱包材を外してしまうと良いでしょう。
重さや嵩が少しでも少ないほうが搬入しやすいものですし、大きいダンボールよりも持ちやすいということもあります。
真っ直ぐに搬入できない場合には、ソファを斜めに傾けて搬入しますので、傾けたときの距離もしっかりと取れるかを事前に確認しておくようにしましょう。
もし、自分では難しいと感じた場合には、家のためにもソファのためにも迷わず専門業者に依頼することをおすすめします。
搬入ができない意外な場所もある?
さて、経路も間口も全て完璧に整えたところでソファの搬入を始めたとしましょう。
しかし、完璧に思えたのに途中で搬入できない意外な場所が出てくることもあります。
経路以外に注意する場所はどこなのでしょうか。
●扉の厚みや取っ手
意外に間違えてしまうのが、間口を測るときに入り口の扉枠で測ってしまうことです。
お部屋が引き戸の場合には問題ありませんが、開き戸の場合には扉の厚みやドアノブが邪魔をしてソファが入らないことも考えられます。
●玄関のドアノブ、郵便受けや柱
玄関の間口を測って問題がないとしても、玄関の開き方によってはドアノブが邪魔をしたり、玄関周りの郵便受けや柱が邪魔をすることもあります。
特に、玄関の正面から真っ直ぐ入れない場合には注意が必要です。
●天井の高さ
集合住宅ではカーブしている階段の踊り場など、一部天井が低くなっている場合があります。
また、戸建ての階段でも2階のお部屋が階段側に少しせり出していて一部天井が低いという場合があります。
その場合、ソファを斜めにするといった方法で搬入することになると思いますが、今度は奥行きが足りないということもありますので、注意が必要になります。
●バルコニーの広さや柵の高さ
窓からなら確実に入ると思っていても、バルコニーの幅が狭すぎたり柵が高すぎたりすることでクレーンを使っても入れにくいという場合があるかもしれません。
一般的な規格ならば問題ないことがほとんどですが、念のため確認をしておきましょう。
搬入経路を調べるときには中々気付きづらいことですが、このように思いがけない場所でも搬入に影響を与えることがありますので、一度シミュレーションをしてみると安心ですね。
ソファを搬入できない場合のトラブルを回避するには
最後に、ソファを実際に運び始めてから搬入できないというトラブルを回避するために事前にできることをご紹介します。
どのようにシミュレーションしたとしても、思いがけないことからソファを搬入できなくなってしまうということもあるでしょう。
その場合に慌てなくても済むよう、事前の準備をしっかりとしておきたいものです。
まず、ソファの納品間口や搬入経路がギリギリで不安がある場合には、自宅を測ったうえで納品できるかどうかを直接家具屋で相談してみましょう。
新築の場合には、設計図を持っていくのもひとつの方法です。
また、ソファが搬入できない場合には返品やキャンセルができるのか、そのときの送料などは別途かかるのかも確認しておいたほうが安心です。
賃貸住宅に住んでいる場合には、搬入時にお部屋の扉を外しても良いのかどうか、大家さんや管理会社の方に許可を取っておくことも忘れないようにしましょう。
基本的には現状復帰させれば問題ないのでしょうが、万が一に傷を付けたり扉を戻せないということがないとも限りません。
持ち家でない以上は自己判断は危険なので、避けるようにしましょう。
さらに、ソファを搬入する時間帯も事前に考えておくと良いでしょう。
特に、集合住宅などエレベーターが混む時間帯を避けたり、人通りの少ない時間を選ぶようにすることで他の方への迷惑を避けることができます。
事前の準備をしておくだけで、いざというときにすぐに対応することができます。
ソファの搬入は意外と難しい!
リビングなどで使用される一般的な家具の場合、家に搬入することが難しいというイメージを持っていない方は多いのかもしれません。
しかし、ソファなどあまり分解できないタイプの家具を搬入することは意外に難しいものなのです。
せっかく購入したソファを、搬入できないという理由で諦めることはとても残念なことです。
素敵なソファをお部屋に迎え入れられるように、事前準備をしっかりと行いましょう。