ヴィンテージ加工されたテーブルは趣があって、かっこいいですよね。
ヴィンテージ加工を専門の業者に依頼するという方法もありますが、コストと時間がかなり掛かってしまいます。
コストや時間を掛けたくない場合は、DIYでもヴィンテージ加工することができますよ。
今回は、簡単なものから自宅でつくれるものまで、DIYの方法をご紹介していきましょう。
ヴィンテージ加工とは?
ヴィンテージ加工とは、長年使い込まれた風合いが出るように加工を施したもので、「エイジング加工」とも言います。
このエイジング加工をすることで、家具をヴィンテージ風でおしゃれに仕上げることができます。
わざと釘やハンマーでキズをつけたり、やすりで削ったり、塗装の方法を変えたりすることで、使い込まれたような風合いを出します。
こういった加工をテーブルに施す場合、業者に依頼すると、天板を持っていって加工することになるので、その間、テーブルを使うことができません。
仕上がりまでの期間は、業者の混み具合にもよりますが、2週間から1か月ほど見ておいたほうが良いでしょう。
また、良い塗料が使われているテーブルですと、その塗料を剥がすことからはじめなくてはならないので、その分、費用が掛かります。
人件費や加工費などを考えると、「ちょっと良いテーブルが買えてしまうのでは?」と思うくらいに、費用が掛かる場合があります。
そこで、DIYでテーブルをヴィンテージ加工してみましょう。
加工の仕方はいくつかあるので、仕上がりなどの好みに合わせて選んでください。
DIYでテーブルのヴィンテージ加工!まずは準備
では、DIYでテーブルのヴィンテージ加工のやり方をご紹介しましょう。
テーブルの場合、天板の表面が塗装されている場合は、電動ヤスリなどで表面の塗装を剥がしてから、ヴィンテージ加工を行うことになります。
塗装を剥がすのは、大変な作業になるので、塗装のされていない無垢材を使うか、テーブルの天板サイズに合わせた無垢材を用意し、ヴィンテージ加工をしてから、接着剤で貼りつけるという方法もあります。
【用意するもの】
・軍手
・サンドペーパー 荒い目のものと細かい目のものを用意してください。
・ハンマー&木ネジ 木材にキズをつけるために使います。
・カッター 木材の角を削るのに使います。
・食器用スポンジ ワックス塗装に使います。
・ブラシ ワックスを定着させるために使います。
・ウエス いらなくなった布、雑巾などで良いでしょう。
・ビニールの手袋 塗装のときに手が汚れるのを防ぐためです。
・ステインなどのワックス 好みに合わせて買いましょう。
以上、事前に用意してから、ヴィンテージ加工を行いましょう。
DIYでテーブルをヴィンテージ加工!「ステイン」って何だ?
ヴィンテージ加工を行うときに、「ステイン」という言葉が出てきます。
「ステイン」とは、DIYのヴィンテージ加工には欠かせない塗料のひとつです。
ステインには、「水性」と「油性」の2種類があります。
【水性ステイン】
・薄めるとき → 水
・洗うとき → 水
・匂い → 弱い
・ツヤ → マットな仕上がり
【油性ステイン】
・薄めるとき → 専用のうすめ液
・洗うとき → ペイントうすめ液か刷毛洗い液
・匂い → 強い
・ツヤ → 濡れツヤが出やすい
このような差があり、水性ステインは扱いやすいのですが、仕上がりは油性のほうがきれいなので、テーブルのヴィンテージ加工をする場合は、油性をおすすめします。
ステインは、一般的な塗料のように表面に膜を張るのではなく、木材に染み込むことで、木目を浮かび上がらせることができ、ヴィンテージ加工には欠かせない塗料になります。
また、ステインは一般的な塗料のように膜を張らないので、木材を保護できません。
そのため、ステインを塗った後は、ニスやオイルフィニッシュを使って仕上げる必要があります。
テーブルのヴィンテージ加工をDIYでトライ
それでは、DIYでヴィンテージ加工をしていきましょう。
【ヴィンテージ加工の下準備】
①仕上がりが良くなるように、サンドペーパーで木目に沿って、きれいに磨いていきます。
はじめは荒い目のサンドペーパーで磨き、その後、細かい目のサンドペーパーで磨くと、よりきれいに仕上がります。
このように表面にサンドペーパーをかけるのは、ステインが木材に染み込みやすくするためです。
②カッターを使って、テーブルの天板や角などを削り、サンドペーパーで磨きます。
③ウエスで細かい木くずなどをしっかり取り除きます。
触ったときに、木くずが手につかなくなるまできれいに取りましょう。
この作業は地味ですが、これをやることによって、仕上がりに差がでます。
天板の大きさや、塗装の仕方によっては、電動ヤスリを使わなくてはならない場合もあります。
まずは、この下準備をしておきましょう。
【ダメージでヴィンテージ加工】
木ネジやハンマーを使って、板にダメージつけます。
ダメージ加工ポイントは、ランダムにキズをつけることと、やり過ぎないことです。
①ハンマーを使い、板全体にキズをつけていきます。
②木ネジを板の上に乗せ、ハンマーで叩きます。
③木ネジの尖ったほうで、板にさらなるダメージをつけます。
④塗装をすると、キズをつけた部分に塗料が入り、濃淡がはっきり出ます。
【ステインを塗る】
下準備をしたら、ブラシや刷毛を使って、ステインを塗っていきます。
①オイルステインをよく混ぜます。
よく混ざっていないと塗ったときにムラができてしまいます。
②木口から塗りはじめ、木目に沿って全体を塗っていきます。
③ウエスで余分なステインを取りながら、塗り込みます。
④しっかり乾かしたら、ニスやオイルフィニッシュを塗って、乾いたら完成です。
DIYでテーブルをリメイク!仕上げ材いらずのヴィンテージ加工
仕上げ材のいらない、DIY用のヴィンテージ加工塗料があるので、ご紹介しましょう。
それは、「ヴィンテージワックス」です。
国産の「えごま」を使用している植物油でつくられており、木の呼吸を妨げず、素材の良さを引き出します。
塗りやすくなめらかで、安心安全なワックスです。
使い方は簡単です。
①ビニール手袋をはめ、ブラシにヴィンテージワックスをつけます。
②ダメージでヴィンテージ加工したテーブルに、細かい部分からブラシでワックスを塗っていきます。
四隅や木が重なっている細かい部分は塗りにくいため、最初に塗ってしまいましょう。
③食器用スポンジや大きめのブラシなどで、天板全体を塗っていきます。
④余分なワックスをウエスで拭き取りながら、塗り込みます。
⑤約24時間乾燥させたら、完成です。
テーブルの色を濃くしたいときは、2度塗り、3度塗りと繰り返し、好みの濃さにしてください。
ヴィンテージワックスは、塗った直後は油が浮いている状態なので、色移りに注意しましょう。
完全に乾いたら、色移りはしません。
1度目の塗りをわざとムラがあるように塗り、2度目に均一に塗ると、ヴィンテージ感が増す仕上がりになります。
DIYでテーブルをヴィンテージ加工!自宅でステインをつくる
自宅にあるものを使ってステインをつくる方法があるので、ステインもDIYしましょう。
用意するのは、スチールたわしと食用の酢です。
このふたつを使って、ステインをつくります。
つくり方は簡単で、適当な容器に酢を入れ、スチールたわしを浸すだけです。
酢にスチールたわしを入れることで、化学反応を起こし、スチールたわしがどんどん錆びていきます。
このときに出る赤錆が、ヴィンテージ加工にぴったりのステインになるというわけです。
目的は錆びさせることなので、スチールたわしは金属100%のものを使ってください。
早く錆びさせたいときは、繊維の細かいスチールたわしを使うと良いでしょう。
スチールたわし以外の金属、例えば釘などを使ってもつくれます。
赤錆のステインができたら、通常のステインと同じように、テーブルの表面に塗って、ウエスで染み込ませましょう。
少しグレーがかったような、ヴィンテージ加工になります。
テーブルをDIYでヴィンテージ加工
このように、DIYでヴィンテージ加工を行うときには、専用の塗料「ステイン」を使うと簡単に、古い使い込まれた風合いを出すことができます。
また、下準備を丁寧に行うことで、仕上がりがきれいになるので、下準備はしっかり行いましょう。
ステインを使うと、テーブルだけでなく、缶やビンなども塗るだけでヴィンテージ加工ができるので、ぜひ試してみてください。