いつの間にか発生したカビを見つけてしまったり、なんとなくお部屋がカビ臭かったり…そんな経験はありませんか。
カビ菌は厄介なもので、常に空中を漂っているため条件が揃うとすぐに繁殖します。
酷い場合には家中がカビ臭くなり、不快なあまりお部屋でくつろぐことすらできなくなってしまいます。
カビは、健康に悪影響を及ぼす危険なものです。
お部屋の中でカビが発生しやすい場所ごとに対策をお伝えしていきます。
お部屋にカビが繁殖しやすい条件とは?
カビ対策を考える前に、カビが繁殖してしまう条件を理解しておきましょう。
カビ菌は常に空中を漂っているものですが、以下に挙げる3つの条件が揃うとたちまち繁殖します。
・70%以上の湿度
・20~30度の気温
・ホコリ・ダニ・食べカスなどの栄養源が豊富な場所
人が快適に過ごせる湿度は50%前後とされているため、湿度70%というのはジメっと不快に感じるくらいです。
また、人と同様カビも20~30度の気温を好み、春から夏にかけた時期に最もカビは繁殖しやすくなります。
とは言うものの、近年の住宅環境は優れているため、冬でもお部屋の中はあたたかく窓に結露ができるほど湿度が高いです。
そのため、家の中は季節に限らず、ほぼ1年中カビが発生する条件が揃いやすいとも言えます。
特に、水回りのある場所、クローゼットなどの収納内、お布団の裏側、畳などは、カビが繁殖しやすい場所です。
カビが繁殖しやすい場所別の対策については、後ほどお話しします。
お部屋のカビ対策!3つのポイント
お部屋に発生するカビ対策には、前項でお伝えしたカビが繁殖しやすくなる3つの条件を揃えないことが重要です。
また、1つでも条件を外すことができれば、カビの繁殖抑制効果が大きくなります。
この項では、カビ対策となる「湿度を下げること」「温度を下げること」「こまめなお掃除」、この3つのポイントについて詳しくお話しします。
■湿度を下げること
カビ対策にはなによりも湿度を下げることが大切です。
湿度が60%以下になると、カビ菌は発育できないと言われています。
人が快適に過ごせる湿度は50%前後であるため、ジメっと感じないような過ごしやすさを目指しましょう。
窓を開けてお部屋の中に空気を通すことも効果的です。
また、雨で窓が開けられない日には、エアコンのドライ機能や除湿器、換気扇を上手に活用しましょう。
■温度を下げること
カビは20~30度の気温を好み、25~28度で最も活発になります。
窓を開けたりエアコンを利用して、室温を下げるようにしましょう。
しかし、真夏にお部屋の温度を25度以下に下げるのは難しいこともあるので、室温に関してはできる範囲で対応し無理をしないようにしましょう。
■こまめなお掃除
カビの栄養源をなくすには、こまめなお掃除が不可欠です。
ホコリ、ダニ、髪の毛、皮脂、食べカスなどさまざまなものがカビの栄養源になります。
掃除機をかけるだけではなく、拭き掃除も定期的に行いましょう。
次項からは、お部屋の中でもカビが発生しやすい場所に注目して対策を考えていきましょう。
お部屋の中でカビが発生しやすい場所!クローゼットのカビ対策
お部屋の中でカビが発生しやすい場所として、クローゼットや押し入れの中が挙げられます。
閉めきっていると湿度も温度も高くなりがちな上、ホコリも溜まりやすいので、カビにとっては絶好の繁殖場所となります。
そんなクローゼットや押し入れの中のカビを対策する方法をご紹介します。
・収納量を減らし通気性を良くする
・扉を開けて風を通す
・床に物を収納する場合はすのこを使う
・除湿剤を置く
ハンガーで吊るしている衣類は、詰め込み過ぎないようになるべく間隔を開けるようにしましょう。
衣類が密着していると、湿気がこもる原因になります。
また、扇風機やサーキュレーターを使うと効果的に風通しをすることができます。
除湿剤は使い捨てタイプのほかに、消臭効果も期待できる炭もおすすめです。
クローゼットや押し入れの中にカビが発生すると、衣類や持ち物までカビ臭くなってしまうので、しっかり対策をとっていきましょう。
水回りがあるお部屋の対策!トイレ・洗面・浴室・キッチンはカビの宝庫
次に、水回りに注目してみましょう。
お部屋の中でもトイレや洗面、浴室、キッチンは、皮脂汚れや石鹸カス、食品カスなどカビの栄養源が豊富です。
そのため、汚れを溜めないことが一番の対策になります。
汚れの種類がさまざまなので、それぞれの汚れに適した洗剤を使いましょう。
また、水回りがある近くの収納スペースはどうしても湿気が溜まりやすくなります。
収納スペースの定期的なお掃除と換気も重要です。
さらに、入浴後の浴室に関しては湿気も温度も高くなるので、換気扇を常時活用するのはもちろんのこと、窓を開けて十分な換気を行いましょう。
また、入浴後はお湯シャワーで皮脂汚れや石鹸カスを流し落とし、最後に冷水を壁や床に掛け流し浴室内の温度を下げると効果的です。
結露と寝汗をたっぷり吸収した寝具のカビ対策
続いて、お布団やベッドなどの寝具に注目してみましょう。
寝具は昼夜の温度差で発生する結露や、睡眠中の寝汗をたっぷり吸収するためカビが繁殖しやすいです。
特に、マットレスや敷き布団の裏側は湿気が溜まりやすいのでカビの温床とも言えます。
そのため、マットレスや敷き布団の上に「防水シーツ」を使うと寝汗が染み込まないのでおすすめです。
また、朝起きたら掛け布団をめくり上げ、湿気を多く含んだあたたかいお布団を外気に触れさせるようにしましょう。
以下は、ベッドの場合と床にお布団を敷いた場合それぞれのカビ対策です。
《ベッド》
ベッドの場合は下に湿気がこもりがちなので、空気が循環しやすい「すのこベッド」がおすすめです。
そして、ときどきマットレスをお部屋の隅などに立たせて、裏面も十分に乾かすようにすると尚良いです。
《お布団》
お布団を敷きっぱなしにすると湿気の逃げ場がなくなってしまい、お布団だけでなく床にまでカビが発生してしまう恐れがあるので避けましょう。
押入れにはすのこを置き、その上にお布団を収納するとカビ対策に効果的です。
また、定期的な天日干しも欠かせません。
和室のお部屋に注意!新しい畳こそカビが発生しやすい?
和室のお部屋は、落ち着いた雰囲気で最高にリラックスできる空間ですが、実は畳はカビが発生しやすい素材でもあることをご存知ですか。
畳は天然のイ草でできていて、空気の吸収と放出をしてお部屋の環境を快適に保っています。
しかし、イ草が湿気を吸い取りすぎて飽和状態となると、湿度の調節ができなくなりカビが発生してしまいます。
新しい畳は新鮮なイ草を使っているので湿気の吸収力が高く、どんどん湿気を吸収してくれるのですが、その結果飽和状態となりカビが生えやすくなってしまうのです。
このような畳のカビ対策は、和室の風通しを良くすることと、畳のお掃除に尽きます。
畳のお掃除に適しているのは、ホコリや隙間の汚れをはき出せる「ほうき」です。
畳の目に沿ってはき出し、最後に雑巾で乾拭きするだけで十分です。
万が一カビを見つけた場合には、下記のような方法で対処してください。
《お掃除の手順》
①窓を開けたり換気扇を回すなどして、お部屋を換気する
②消毒用アルコールスプレーをカビ部分に吹きかけ20分放置
③使い古しの歯ブラシで畳の目に入り込んだカビをかき出す
④再度消毒用アルコールスプレーを吹きかける
⑤雑巾で乾拭きをしてしっかり乾かし完了
カビ対策をしてリラックスできるお部屋づくりを!
カビが発生すると、お部屋の居心地がとても悪くなってしまいます。
カビは条件が揃うと繁殖しやすくなるものの、しっかり対策を取ることができます。
今回ご紹介したカビが発生しやすい場所には特に注意をし、快適に過ごせるお部屋づくりをしていきましょう。